貴乃花親方に寄す 🈡
貴乃花とて人間だ。神でもなければ絶対善の正義の使者でもない。だから、人は人にぞんざいであるべき。他人の悪なる行為を傍観すべきでないとはいうが、ヤクザに絡まれた人を助けるなどはできない。勇気は必要だが誰も自分がかわいい。ならば大事なことは他人の悪を見逃しはしても、自分がそれから学べばいいこと。人の事より自己の向上に寄与すればいいこと。貴乃花親方の一連の行動は、ある面において大塩平八郎の如きである。協会...
View Article自由とは何か? ⑦
カントの散歩は日課だったが、あの時代にスニーカーはない。革靴でゆったりのんびり汗もかかない程度に歩いたのだろう。歩く速さには人それぞれのテンポがある。音楽の速度表示アンダンテ(Andante)は、歩くくらいの速さをいう。語源は「andare」で、「行く」、「歩く」である。自分の歩く速さは速めのアレグロ(Allegro)で、ゆったり歩くとだらけて疲労が増す。疲れないために速く歩く。ちょいと前にスニーカ...
View Article自由とは何か? ⑧
本年度のノーベル医学生理学賞が京都大の本庶佑特別教授(76)に決まった。本庶氏の研究があらたながん治療を見つけた。従来型のがん治療は従来、外科手術、放射線、抗がん剤が中心だったが、「免疫でがんを治す」という第4の道をひらいた。1日の会見で本庶氏は、「回復した患者から喜びの声を聞くと、自分の研究が意味があったとうれしく思う」などと語った。またしても京大からの受賞者で、むか~し、京大が東大に比べて自由な...
View Article自由とは何か? ⑨
「真面目でちゃんとした人間になれ」は母の常套句。100回くらいは言われたろう。いろんな反論をしたが、「ちゃんとした不真面目になる」と返すのがお気に入りだった。しつこい母は何度も同じ言葉を繰り返すが、負けずに「ちゃんした不真面目になるといったろ?」としつこく返す。後年、加藤諦三の著書に、「ちゃんとした不まじめ」という表題をみつけて笑ってしまう。「若者の哲学」という書籍で昭和46年刊行である。小学生の頃...
View Article自由とは何か?⑩
昨日書いた友人の失恋は、仲のよかった奴だけに自分も辛かった。明らかに人を故意に傷つけようとする女は、何の恨みがあるわけないのに、人をもてあそんで楽しんでいたのだろう。基本的に人がどのように生きようと、ふるまおうと、誰にも干渉されない自由はある。ヒドイ女といったが、人の自由にもヒドイ行為はある。彼女に欠けていたものは良心ではないか。良心がなにかを考えたことがあるか?「ない!」。ならば今考えてみる。良心...
View Article自由とは何か? 🈡
「強いる」というのが好きでない。よって強いることはまずしない。何かを継続的に行う場合においても、自らを強いることがないように工夫をする。自分なりの工夫とは楽しむことが多い。「強いる」では続かないのが分かっているのだろう。そのことは全般的な自身の生き方(人生)でもある。自分に限らず、他人を強いるのも他人からから強いられるのも好きではない。そうはいっても社会にはルールがある以上、他人から強いられることが...
View Article若者とは何か?②
若い時にたくさん見たり聞いたりしたもの、感じたもの、読んだ本などが人間の土台になる。いろんなものを見たし、いろんな種類の人間も見た。それで、「あんな大人には絶対になりたくない」という人間はいた。「あんな大人になりたい」という人間は小説などの主人公にいたが、現実には記憶にない。あえていえば、前者が母で後者が父という面白い対比が挙がる。親も大人には違いないが、子どもにとって親は親である。大人というと他人...
View Article若者とは何か?③
自分たちが若者であったころ、「若者って何?」など考えなかった。同じように老人になって、「老人って何?」とは考えないようにだ。寿命いくばくもない老人は、いつ襲ってくる脳卒中や心臓病など健康管理に気を使っっているが、命を長引かせたいからそのようにするというより、自分の身体に何がよく、何がよくないということが判断・実行できるようになる。若者が自分の寿命について考えることは普通はないだろう。湯水のように溢れ...
View Article若者とは何か?⑤
大人はみんなかつては子どもだった。老人もかつては若者だった。男女の性は年を取っても変わらないが、「女は経年で男らしくなり、男は女らしくなる」という人がうる。これはあながち嘘ではあるまい。女は閉経することで女性ホルモンの働きが弱まり、男も加齢で男性ホルモンの分泌が衰える。社会において男女差別は撤廃されるべきだが、区別と差別の混同がある。男女差別の根本にあるのは利害であり、男女の利害が対立しあう延長線上...
View Article若者とは何か?⑥
「hanshirouさん凄い。そこらの若いもんより若いんじゃないですか?」 「ええ、体力だけは自信あります。まあ、体力だけですが…」 「体前屈だけが最低点で、あとはすべて年齢離れで驚きました。」 「体が硬くて前屈は昔からダメ。あれを鍛えようって気はないですね。」 「普段、運動されてるんですか?」 「ウォーキングやってます。毎日二時間同じコースを歩いています。」...
View Article若者とは何か?⑦
純潔教育世代にとって、恋愛感情抜きの性愛はいけない事だという自己規制があった。近頃は性に緩い時代、寛容な社会のようだ。異性間の性的結合を動物的な観点からみれば、実に単純な入れポン出しポンの事実に過ぎないが、友情となると、どんなに些細な、どんな部分的な生活関係の上にでも成り立つ。綺麗にいうなら、「生きる力になり合える関係」である。こうした考えは今の年代になって得たもので、10代・20代の若者時代にそう...
View Article若者とは何か?⑧
はかならずも自分の若者時代は、他人を無視した自己拡張期を生きた時代だった。他人に気を使いながら、気兼ねをしながら委縮して生きるよりよかった気もする。人の風下には立ちたくないという勢いが自分を前に前に進めていた。まさに、"Top Of The...
View Article若者とは何か?⑨
「未来は若者たちのもの」などといわれた。あっちでもこっちでもいわれていた。昔も今もいわれている。世界中どこの国々でいわれている。大人たちがいえば、若者たち自身が語り合うこともある。人からそのようにいわれて、「そうだね」と納得するものもいれば、「何をいってんだ」と鼻を曲げる若者もいる。そういえば、「鼻を曲げる」という言葉を聞かなくなった。「へそを曲げる」というのは慣用句だが、「鼻を曲げる」とは、刺激臭...
View Article若者とは何か?⑩
気づいたら少数派に属していた。自分のことである。多数派はつまらなそうだった。当たり前のことを当たり前に考えるからで、さらにいうなら、見せかけの満足感に慣れきった奴らに見えた。少数派には小さいながらも自由があるように思えた。人と同じことをしなければならないのは、どこか不自由な感じがした。人と自分が違っているのが当たり前に思えた。多数派に与する者は、人と自分が同じであることが心地よい。全ての人間がそうで...
View Article若者とは何か?⑪
「子どもの幸せのために…」といいながら親はレールを敷こうとするが、子どもは自分を守る権利がある。権利であって親のいいなりになる義務はない。親のいうこと、成すことが正しいと信じれるならいいが、そうでないと思ったら自分の意志を守るべきではないか。親に従わずして生きてきた自分だが、そうでなかったらどんなひ弱でヘタレな人間になっていたか。想像するだけでゾッとする。親というのは親の手を噛まない飼い犬を作ろうと...
View Article若者とは何か?🈡
長くいわれてきた「母性本能」というものが、非科学的で根拠のないものだと科学的に推認される時代になっている。その魁となったのは、フランスの哲学者で歴史学者でもあるエリザベート・バダンテール(Élisabeth Badinter; 1944年3月5日 -...
View Article良い人…? ①
この表題は必然的に、「悪い人…?」を内包する。言葉でしゃべる時はマンガのふきだしのように字は出てはこないが、文を書くときには、「良い」がいいのか、「善い」がいいのか迷うことがある。大辞林には、「良い」と、「善い」は1つの項目として載っている。ということは、"辞書的な定義としては同じ"ということになるが、厳密には使い分けが必要である。辞書の記述がすべてということでもないようだ。「良い」の一般的な使い方...
View Article良い人…? ②
自分の知る人間においての「良い人」と書いた。見たことも会ったこともない人物の評伝を書くより、知る人間の方が説得力が勝ろう。「良い人」とは、「好む人」が分かりやすいとしたが、頭に浮かんだ良い人の筆頭はSさんである。彼の親切は忘れたことはなく、思い出すことに苦労はない。1986年2月9日の早朝6時頃、その日は待望のハレー彗星の近日点通過だった。近日点とは、太陽系の惑星・彗星などが軌道上最も太陽に接近する...
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