「竜王戦」続行は既定路線
第29期竜王戦七番勝負第2局が滞りなく行われた。スマホカンニングを疑われた三浦九段は21日、出場停止処分の撤回を求める新たな声明を発表。自身のスマホと4台のパソコンの解析を調査会社に依頼する方針を明らかにし、連盟と共に調査会社を選定する意向を示している。ゆるぎないこれらの行為は、自身の潔白を明確に主張したものと受け取れる。他方連盟は10月24日に理事会を開催し、第三者により構成する委員会を設けて調査...
View Article渡辺竜王 vs 三浦九段
誤解は人間社会にあっては常に生まれる。恋人のあの一言が、相手の真意とはまったく別の理解で疎遠になる。愛が終わったと判断する。これを誤解というが、世界中に誤解がもとで別れた恋人は、星の数ほど存在するのではないか?経年で再開した二人が、当時のことを話し合えば、「そうか、そういう事だったのか」と晴れて誤解が解けたりする。誤解は信頼関係を瓦解させる。瓦の一部が崩れると、屋根全体が崩壊するように…。今期竜王戦...
View Article棋士に言い訳は無用!
渡辺竜王の、「言ってない」発言を1日にネットの記事で知り、それについて所感を述べた。同日渡辺が自身のブログに、「一連のこと」、2日に、「最後に」との表題で三浦問題を述べているのを昨日知った。渡辺竜王のブログなど興味もないので伺うことはなかったが、本件については珍しくも長い文章を書いていた。一読後の感想は、「ダメだこりゃ」である。今は懐かしいかりや長介のセリフである。何がどうダメというのは、自己正当化...
View Article三浦九段問題の自己裁定
日本将棋連盟は、10月24日の理事会において、第三者により構成する委員会を設けて調査を決定した。委員長には但木敬一氏(弁護士、元検事総長)を任命し、出場停止処分の妥当性、三浦九段の対局中の行動についての調査を要請した。我々はこの調査の成り行きと結果を待っているが、それとは別にさまざまな場外乱闘も起こっており、これは世の常ゆえに止められない。乱闘はないが自分も外野の一員だ。屁理屈をいうつもりはないが、...
View Article三浦九段問題の最後に…
いろいろ思うところを論じてきた。将棋が好きで、棋界のことにも興味がつきないだけに、今回の失態はあまりに情けない。三浦九段が無実の立場でどうすべきだったかを考えたが、自分は三浦でないし、三浦も自分とは性格が違うし、三浦本人でない自分のアレコレは無意味である。が、この問題を考えていると、自分だったら、「どうした」、「こうした」がつい浮かんでくる。所詮は何を言っても机上の空論と思いつつも、理不尽ないいがか...
View Article三浦九段 「新たな声明文」の是非
三浦弘行九段が7日、改めて疑惑を否定する内容の文書を報道各社に寄せた。自身のスマートフォンの調査を解析会社に依頼し、将棋ソフトを使用した形跡がないことが裏付けられたなどと主張する内容で、疑惑を、「単なる憶測に基づく誤った事実」として、出場停止などの処分の撤回を求めている。今の時期に取った三浦九段の行動に正直驚いた。同時に、「これはどうだったのか?」という疑問も沸いた。三浦九段の問題を彼自身がどのよう...
View Article題が浮かばん
いつもながらのムダ話をしよう。ある女性の悩みについてである。それについて自分とのやりとりについて喋ろう。文章で喋るといえば書く、聞く側は読む。書けば喋り、読めば聞くとの言い方は、便宜的だがそういうものだ。公然と知らない人の話をするのはムダ話である。ムダ話を漢字で書くなら、無駄話より閑話がよいだろう。「閑話休題」というように。こういう相談である。「友達がカラオケとか飲みにとか、いつも私を誘うんだけど、...
View Articleトランプマジック
子どもが小学生の頃、トランプマジックや様々な手品をやって見せたのが懐かしい。絶対に種は明かさなかったし、手品は種を明かせばバカの骨頂だ。インチキのおかげで、「お父さんは凄い!」という肩書も得ることになったが、子ども騙しで得た肩書は長くは続かない。もっとも人気のあった手品は、皮をむいてない綺麗なバナナを念力をかけるとあら不思議…子どもに皮を剝かせると、念力をかけた二か所が切れているという技。これは大人...
View Article女性の道を切り拓いた人たち
女性初の大統領は幻に終わった。アメリカ人のほとんどが、日本人の多くが、世界の大多数が、ヒラリー・クリントン大統領を予感していた。故に、アメリカ人も日本人も世界の国の多くの人間も、トランプ勝利に驚いた。事前に州毎の選挙人獲得予想を明らかにしたアメリカの主要メディアは10社以上あったが、殆どがヒラリー氏の勝利を予想していた。過去の大統領選で驚異的な的中率が注目された、「ファイブサーティエイト」のネイト・...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ②
荻野吟子が医師を目指す動機となったのは、「羞恥」と「屈辱」であった。医師は口腔や耳の穴、鼻の穴を器官として診察するが、女性のとって産道を男性に診察されるのは耐え難い羞恥であろう。「女医がいれば女性の悩みも消える、私が女医になろう」などと、、今の時代には考えられない動機である。なぜ、本人の意思より親は子を医師にしたがるのか?塾や予備校で偏差値が高い学生に、塾側が医学部受験を勧めるのは、本人のためより、...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ③
小池百合子都知事を、「日本のジャンヌ・ダルク」と指摘するが、どうだろう?確かに彼女は女性初の東京都知事となった。驚いたのは0.1%の開票で当確のテロップが出た。その時点で小池500票、増田350票、鳥越100票で、これで当確というのは、期日前投票で小池は170万8195票を既に獲っていたし、出口調査においても圧倒的優勢だったこともある。小池候補は、自分を裏切った自民党の推薦や支援を全て断り、緑色を旗...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ④
福田英子は生涯忘れることができない明治15年と言ったのは、岸田俊子の講演を傍聴したこと。演題は、「政府は人民の天、男は女の天」、「岡山県女子に告ぐ」。岸田は美貌の上に弁舌さわやか、要旨も明晰にて澄んだ声がよく透る。艶やかに結いあげた島田に上品な白襟三枚重ねをさりげなく着こなす壇上の麗人であり、英子はそんな島田に圧倒された。岸田俊子(後の中島湘烟(しょうえん))は、女権拡張運動家である。文久3年(18...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑤
管野スガという女性を、荻野吟子や福田英子ほどに知る人は少ないだろう。彼女は1911年(明治44年)1月25日午前8時28分、東京市市ヶ谷富久町にあった東京監獄構内処刑場の絞首台にて処刑された。前日は幸徳秋水ら11名が同場所で処刑されたが、彼女一人は翌日に執行された。スガはキリスト教徒であったが、生前の遺言により火葬され、仏式で葬られた。明治14年6月7日、大阪・絹笠町に鉱山事業家の管野義秀の長女とし...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑥
大逆事件で死刑判決を受けた管野スガは、処刑前に大杉栄夫妻に手紙を書いているが、社会主義の同士たちが刑場に消えるとき、大杉は赤旗事件で二年半の刑を受けて千葉刑務所に服役中で、連座を免れることになった。その年大杉は千葉刑務所から東京監獄に移され、大逆事件に関連した取調べを受けるが検挙は免れるものの、獄外にいたら無事では済まなかったろう。こんにち「大逆事件」は、明治政府が社会主義者を全滅させようとしてデッ...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑦
野枝には想い焦がれる男がいた。その人は女学校の英語教師辻潤である。心中慕う辻に野枝は自分の苦しい立場を打ち明けずにいられなかった。郷里に旅立つ朝、野枝はすべてをふり捨てて、辻とともに上野竹の台で開かれていた青木繁の遺作展に出かけた時、上野の森で辻から骨も砕けんばかりの抱擁を受ける。それが野枝の奥に潜む女に火をつけることとなる。野枝は沸き立つ血を抑えることはできず、一端郷里に帰ったものの、夫を捨てて東...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑧
荻野吟子、福田英子、管野スガと来て、伊藤野枝で少し立ち止まってしまった。スガも野枝も30に満たない年齢で世を去ったが、「短くも燃えた」野枝らに関心を抱いていた。されど樋口一葉も24歳の短命だが、どちらが美人?どちらが秀才?どちらが淫乱?などと下世話な比較はともかく、生き方の差において伊藤野枝の魅力は、お札の肖像になど選ばれない奔放さである。あらためて、野枝の魅力とはなんだろう?長年思うことだが、一言...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑨
平塚らいてうが1911年(明治44年)に『青鞜』を起こしたのは、生田長江の強い勧めがあった。東京帝大卒で成美女子英語学校の教師時代に、当校に通うらいてうと生田は出会う。らいてうは1906年(明治39年)に日本女子大学校を卒業後、二松学舎(現在の二松學舍大学)、女子英学塾(同津田塾大学)で漢文や英語を学び、1907年(明治40年)、成美女子英語学校に入学する。成美英語学校には生田を中心にした若い女性た...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑩
らいてうが1908年(明治41年)に起こした心中未遂事件は、塩原温泉という土地から「塩原事件」ともいい、森田の小説から「煤煙事件」ともいうが、大杉栄の愛人神近市子が野枝に嫉妬し、短刀でもって大杉の咽喉を刺した、「日陰の茶屋事件」に比べればおままごとであろう。らいてうの行動は思慮浅く、脳ミソは幼児的なのかも知れない。本能の赴くまま行動する女に似ている。1903年(明治36年)らいてうは、「女子を人とし...
View Article女性に立ちはだかる「ガラスの天井」
「私たちはいまだ、最も高く、硬い『ガラスの天井』を破ることができていません」。米大統領選で敗北したヒラリー・クリントン氏は、初の女性大統領誕生が幻となったことをこう表現した。「硝子の少年」ならぬ、「ガラスの天井」とは、こんにち社会用語というほどに認知はなく、人事労務用語の範疇にある英語の、「グラスシーリング」( glass ceiling...
View Article女性の道を切り拓いた人たち ⑪
矢嶋楫子について全然書き足りていない、ゆえにもう一稿。彼女はあの時代に異常なほどの健康と、過剰ともいえるエネルギーを持ち、負けず嫌いで、強情っぱりで、命尽きるまで働いた、"頑張り屋婆さん"であった。NHK連続テレビ小説『花子とアン』の主人公村岡花子は、「矯風会」を通じて楫子とつながりがあり、荻野吟子も、「矯風会」の会員だった。「矯風会」は、1886年(明治19年)12月、東京婦人矯風会が結成され、日...
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