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「竜王戦」続行は既定路線

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第29期竜王戦七番勝負第2局が滞りなく行われた。スマホカンニングを疑われた三浦九段は21日、出場停止処分の撤回を求める新たな声明を発表。自身のスマホと4台のパソコンの解析を調査会社に依頼する方針を明らかにし、連盟と共に調査会社を選定する意向を示している。ゆるぎないこれらの行為は、自身の潔白を明確に主張したものと受け取れる。

他方連盟は10月24日に理事会を開催し、第三者により構成する委員会を設けて調査することを決定した。委員長には但木敬一氏(弁護士、元検事総長)を選任し、出場停止処分の妥当性、三浦九段の対局中の行動についてなどの調査を要請した。世間及び将棋ファンは、三浦九段をクロと決めつけた渡辺竜王の強引な対局拒否に動揺、三浦九段を挑戦者から降ろした連盟に批判を抱いている。

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この件について第一人者の羽生三冠は、「シロかクロかを証明するのは難しい。よって疑わしきは罰せず」と述べたのが常識的な見解だが、処分をしてしまった現状では遅きに失すである。三浦をクロと断定した渡辺竜王にしても、最終証拠は三浦九段の自白しかなく、三浦は一貫してシロという以上、調査委員会の調査とは、今回の決定が法的にどうであったかの判断であろう。

渡辺が三浦をクロと確信したのは、ソフトの指し手の一致率と、プロ棋士としての直感というだけで確定証拠を示していない。にも関わらず、「疑念のある棋士とは指せない。タイトルは返上してもいい」とまで強く言い切った理由は、明らかな私怨含みではないかと考えている。その理由とは、渡辺の発言に大きな矛盾が感じられるからだ。渡辺は連盟に告発した理由をこう述べている。

「竜王戦が始まってから疑惑が公になれば、シリーズは中断される可能性が高いと考えました。それだけでなく、タイトル戦を開催する各新聞社が"不正"を理由にスポンサー料の引き下げや、タイトル戦の中止を決めたら連盟自体の存続さえも危うくなると思ったのです。そんななかで最悪のシナリオは、『疑惑を知りながら隠していたという事が発覚する事だ』と判断しました。」

これはちょっとオカシイ。というのも、連盟は10月5日、対局中の棋士がソフトで、"カンニング"などの不正行為に及ぶのを防ぐため規則の追加を発表した。新たな規則は、(1)スマートフォンなどの電子機器は対局前にロッカーに預け、対局中の使用を禁止する。(2)対局中の外出禁止−−の2点。機器の使用が分かった場合、除名を含めた処分を検討する。という厳しいもの。

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適用は12月14日ということになっているが、15日に開幕する竜王戦七番勝負は、金属探知機を使って手荷物などの検査を実施することで対局者双方の合意を得ている。つまり、今期の竜王戦七番勝負において、スマホ使用は厳格に禁止され、使える状況にない。でありながら渡辺の、「疑念のある棋士と指せない」というのは、今期竜王戦を問題にせず、過去の憤懣を持ち出している。

となると、的確な連盟の対応として、「今期の竜王戦は金属探知機で事前にチェックをするので、何ら心配は無用です。あなたの疑念は、確たる証拠がない以上説得力に欠ける。過去の疑念を持ち出して対局拒否をいうなら、かまいませんよ」と強い姿勢で臨むべきであった。三浦九段のスマホ使用の疑念は、今期竜王戦に適用されないのは明らかである。

ということからして、別の思惑から三浦九段を指したくない棋士として難癖つけたと言われても仕方あるまい。竜王戦を間近に控えた矢先の渡辺竜王の突然の恫喝に、連盟が毅然とできなかったのは、言うまでもない、谷川会長の気の弱さである。こういう人間が組織の長であることがそもそも問題であり、現実に渡辺竜王に舐められているではないか。

渡辺のいう、「疑いのある棋士とは指せない」というクレームには、「今期の竜王戦は万全だから安堵されよ」と何故言わなかった?理由は簡単、谷川が及び腰の腑抜け会長であるからだ。リーダーの資質とは、危機的状況の時にこそ本質が見えるものだ。渡辺竜王の主張を正しく吟味、我が侭と一喝できない体たらくのリーダーはとっとと辞めるべきである。

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「何が正しいか」を適格に見極めていれば、今回のようなお粗末な騒動はなかったはずだ。正しいこととは、今期の竜王戦を不正が起こらぬ体制で行うことであったし、なぜこんな簡単なことが分からないのか?谷川はかつて好きな棋士であったが、経営者としてはとんでもない無能さをひけらかし、連盟に対する不信感を助長させてしまったのは残念だ。

連盟理事の中でただ一人片上理事が反対したというが、若く新参者とあっては発言力が弱い。片上は東大卒棋士であるが、何の効力にならなかったようだ。将棋連盟会長は名人経験者という村社会における暗黙の了承はいかがなものか?プロ棋士とは将棋に関してであって、経営とは関係ない。特別問題ない場合はいいが、今回は明らかに軽率な一手を指した。

歯に衣着せぬ渡辺竜王には有名な、「三羽烏」発言が知られている。三羽烏の意味は後述するとして、三浦八段(当時)、丸山九段、深浦八段(当時)の3人を「質問三羽烏」と呼び、こうした行動をとる棋士厳しく批判しており、中でも三浦八段については、NHK杯戦準決勝の観戦記(「NHK将棋講座」2009年5月号64頁)の冒頭で鋭く批判をしている。

「若手にメールや電話で聞くのはA級棋士としての自覚に欠けると思います。そういう人たちの将棋は並べる気もおきませんね。目新しい手を指しても、どうせ誰かに聞いたんだろ、と思ってしまいますので。こういう人には負けたくないです」。 三浦八段は、若手棋士から最新の序盤情報を入手しており、「三浦八段の得意戦法は若手の研究と言われている。(事情通)

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渡辺が並べたくないなら勝手に並べなければいいことだが、こういう個人攻撃をするところが彼の人徳のなさである。今回の三浦おろしは直近の三浦戦3連敗が言われているが、それは本人のみ知るところ。ただ、渡辺が三浦嫌いなのは間違いない。三羽烏の一人とされた丸山九段は漁夫の利を得て挑戦者に格上げされたが、三浦の処分には真っ先に異議を表明した。

一年がかりで竜王戦の挑戦者を得た三浦九段は挑戦を辞退するなどいうわけがないといったように、「疑われている状態では指せない」との発言を連盟が、「竜王戦を辞退する」と受け取ったのは、タイトル保有者渡辺の対局拒否に困惑したからであろう。挑戦者の代わりはいても、タイトルホルダーの代わりはいない。今回の裁定に棋士の多くは三浦に同情的であるという。

情報源は想像がつくし、週刊文春は連盟側のご意見番のような記事を書いている。ロクなネタもないのに、しきりに三浦クロにもって行くのは連盟と結託の証であろう。この際連盟と袂を分かち、渡辺陰謀説にシフトした方が部数も伸びる。三浦がスマホ提出に応じていないかのネガキャン記事を、文春にリークするのは三浦クロを祈らんばかりの連盟と渡辺だろう。

現実に三浦は所有のパソコンとスマホを提出しており、今さらどうのこうのは三浦クロへの印象操作である。疑惑渦中の三浦の親戚筋は彼の近況をこう明かす。「疑惑が出た直後は電話で、『俺はやっていないし、(竜王戦挑戦を)辞退するといった覚えもない』といっていた。今はまったく連絡が取れない状態で、思い詰めて変な気を起こしていないか心配です。」

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週刊誌が取材の電話を入れても高崎市の自宅は不在という。自分の考えは三浦シロに置いているが、何事も100%はあり得ない。三浦が嘘を述べている可能性もあるあひ、スマホやパソコンにカンニングの証拠が見つかる可能性もある。もし三浦がクロで一切の言動が虚実であるなら、三浦は死を前提とした行動であろうが、そこまで捨て鉢になれるものか?

三浦のシロを信じるもの、クロを信じるもの、いずれも、「信じる」で確証はない。三浦が提出したスマホやパソコンの解析が唯一の物的証拠となろうが、挑戦者を代えるという愚行をやった連盟として、無事に竜王戦七番勝負を終わらせることが最大課題。スマホ解析の結果は、竜王戦終了以降になろうが、連盟は31日、所属棋士を対象に報告会と意見交換会を行った。

報告会終了後に渡辺竜王は、「三浦さんを処分してほしいとは全く言っていない」、「疑念のある人と戦えない。タイトルを剥奪されても構わない」などの発言はしていないと言ったが、これはよくある否定のパターン。言っていない言葉を持ち出し、「言っていない」いうが、その言葉通りではない別の言い方をしておきながら、「(自分はこの通りに)言っていない」と逃げる。

子どものよく使う逃げ口上で、渡辺てその程度の精神年齢だろう。渡辺の様相は、島常務理事から伝えられたとされ、渡辺正和五段は、「渡辺竜王が島常務を脅して三浦九段を失格にするように動いたというのは報告会で島常務から聞いた話です」と暴露した。それがここに及んで、「言った、言わない」の様相を帯びてくるなど、まさにおこちゃま組織である。

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渡辺竜王が発言を全面否定した現時点では、島常務理事が嘘を言ったことになり、島に泥をかぶせて逃げる腹づもりか?連盟は三浦問題には調査委員会を立ち上げ、会員に緘口令が敷かれていると察するが、なぜ渡辺竜王はマスコミのインタビューに答えたのか?緘口令は自主規制の注意的なものであろうし、渡辺竜王の発言は禁じ手という事でもない。

渡辺一派と言われる橋本八段も、「(三浦九段)は1億%クロ」とツイートしておきながら、「自分はそんなことは言ってない。あれはスタッフが勝手に書いた」と、負けず劣らずの根性悪で、渡辺竜王同様、旗色が悪くなったら指した手を引っ込める。「は~?」棋士が待ったするのは禁じ手の反則だろ?ルールは将棋だけじゃないんだよ。将棋棋士ってこんなに幼稚なんか?

関ケ原の小早川秀秋ではないが、風向きを見ながら行動しようって奴は、「ワル」か「臆病」のどちらかで、関ケ原の秀秋は18歳の若僧であり、臆病というのが定説だが、渡辺と橋本は、「何でいまさら?」である。羽生は週刊誌の記事に誤解を招くと即刻反応、訂正コメントを出している。渡辺、橋本は今さら何をいってもバカ丸出しで、それが男の世界の在り方だ。

おしらく渡辺は、「三浦さんお指し手に疑念があり、これで竜王戦を戦えって言われても…」などの含みのある言い方をした。「対局拒否はマズイ、タイトル返上なりますよ?」とする連盟に、「それなら仕方ない」くらいの会話が想定される。連盟はそれを世間に公表する際には意を汲んだ言葉で、「渡辺竜王は三浦九段に疑念を抱き、これでは竜王戦は戦えない」と、主観的な文言を選ぶ。

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連盟は渡辺の意を汲んだ対応をしたが、世間から非難を浴びた渡辺が、「そんなことは言っていない」と言葉ジリを捉えて逃げを図る。言葉ジリを責められた側は普通は怒る。言葉ジリで責めるのは不利側の常套手段で、渡辺に良心的対応した連盟も、渡辺の自己保身に裏切られた形。人間は醜いものよ。だからといって、逃げる渡辺を連盟が責めれば、連盟は崩壊する。


連盟は渡辺との泥仕合を避けるが、問題は三浦九段に対する責任だ。一般企業なら、会社に詫びを入れさせ、賠償金(慰謝料)を取って別の会社に就職すればいいが、棋士はそうもいかない。我に正義あれども将棋しか取柄のない棋士は、連盟に残って将棋を指しすか道がない。連盟は渡辺を不問にし、三浦に詫びを入れ、三浦はそれを許す。渡辺と三浦は現状通り口を利かない。



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