書き綴ることが「展望」となる ⑦
親子のこと、夫婦のこと、嫁姑のこと、いずれも家族を中心とした人間関係の問題である。人間が社会的な動物である以上、社会生活の中で様々な人間関係が派生するが、こうしたさまざまな人間関係を社会生活のなかで一生かけて学んでいく。そうしたなか、もっとも身近な家族や家庭を通じて、社会における人間関係の基本的を身につけていくのが手っ取り早い。両親と子どもからなる単位が家族の原型として、さまざまな社会のなか、こんに...
View Article「老いと死」について… ①
読書はライフスタイル変換のヒントを得るもので、目的論思考によれば、自分の未熟さの原因の一切は自身にある。それすらに気づくことなくあれこれ理屈をつけて、「意味づけ」をしたところで何も変わらない。理屈で納得させようとする行為そのものが未熟さであり、未熟な思考回路をどのように使い回したところで、他者を納得させるような明晰な理屈を見いだせない。「しかと自分を見よ。逃げることなく正面から向き合え!」という果敢...
View Article「老いと死」について… ②
おじいちゃんはとてもゆっくりうごく はこをたなにおきおえたあとも りょうてがはこのよこにのこっている しばらくしてそのてがおりて からだのわきにたれる (中略) きのうおふろばでおじいちゃんをみた ちぢこまったおちんちんがみえた おじいちゃんおじいちゃんおしえて むかしのことじゃなくていまのきもち いまいちばんなにがほしいの...
View Article「老いと死」について… ③
「老い」がなんであるかを確実に理解するのは、自らが老いてみてである。同じように、「死」がなんであるかは死ねば理解する。であるなら、我々は死を永遠に理解できない。しかし、春がなんであるかは冬になってわかるように、死があってこそ、「生」が輝くと理解に及ぶ。牢獄につながれてこそ、自由の値打ちを分かるのも人間である。これらのことから何を学ぶのか?悲しみ寂しさ生きる苦しさ、それらを、「ある」ものとして受け取っ...
View Article「老いと死」について… ④
富を手中にした人は幸せであろう。なぜなら、富を求めて叶えることができたからだ。幸せになろうと富を求めるも、「賢明であれ」と貧困を授かった人も幸せである。不幸な富裕者もいれば、幸せな貧困者がいるように、「幸福」は意識の持ち方である。何事もなく過ぎていく一日が幸せであるとを感じる人がいる。「幸福」とは小さなことに気づくことかも知れない。手で水を飲む人にコップを与えて分かることもある。コップを与えられた者...
View Article「老いと死」について… ⑤
人間は自分を見つめることが如何に大事かを記した。それくらいに人は自分のことが見えない、目も届かない。ばかりか、自分の行為を正しいと思いたいのも人間である。正しくはないのにあれこれと理屈をつけて、自己正当化したがる人は多く、そうであるかどうかは話してみれば分かる。なぜに自分を是々非々にみれなう?そういう自分を発見できない?との疑問がわく。意地とか見栄が邪魔をし、素直になれないのか。こういう人を鼻持ちな...
View Article「老いと死」について… ⑥
「心の弱さ」はどこに起因するかを考えると、「過保護」の子育てに突き当たる。温室で育った植物は希少で価値も高いが雑草の強さがない。エリートが雑菌に弱いのも同じ理由だし、人をいじめる奴らは雑菌である。「あんなバカなやつらに、自分の命を差し出すなんか冗談じゃない」という意識はどうすれば芽生える?まずは、親が子どもを温室育ちにしないことだろう。「老いと死」のテーマが、若者や少年や少女の死に拡散する。「老い」...
View Article「老いと死」について… ⑦
自殺の名所に立て札が置いてある。「死んで花実が咲くものか」、その意味は分かろう。「死んではもともこもない」、「何の意味もない」ということだが、「花実」とはそのまま、「花」と「実」である。「花」を咲かせる、「実」をつけるとは出世を表す言葉で、古くは『日本書紀』にも出てくるが、対義として、「死に花を咲かせる」、「死んで花を咲かせよう」という言葉も生まれた。①立派な死に方をして、死語に名を残すこと。②死ぬ...
View Article「老いと死」について… ⑧
「老兵は死なず。ただ去りゆくのみ」。これも有名な言葉であるが、若かれしころには疑問であった。子どもや若者は疑問の宝庫、だんだん大人になっていく。「老人が死ぬのに、なぜ老兵は死なないのか?」そういう疑問でなく、比喩と分かりつつ言葉の真意が理解できない。後年、さまざまに解釈されたが、いろいろな含みもあってか、真意はマッカーサーのみが知る。実はこの言葉は引用であった。ウェストポイントの士官学校で歌われたバ...
View Article「老いと死」について… ⑨
書き留めている訳ではないが、一日に数回思い浮かべることがある。考えるというより、状況を思い描いてあれこれ想像する。それは、「死んだら面白くないのだろうか?」という自問であり、それに対する考えは日々によって違う。普通、「死んだらどうなるのだろう?」などと考えるようだが、自分はそうは考えない。なぜなら、死んでいくところなどないからだ。死ぬということは、今の世の中から消えるということで、だから、誰にも会え...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ①
サリン事件などで計29人の犠牲者を出した一連のオウム真理教事件の首謀者であり、教団教祖の麻原彰晃ら7人の死刑が6日午前に東京拘置所などで執行されたことが分かった。死刑は法務大臣の職務命令により執行されるが、命じた上川陽子法務大臣を評価したい。同法相は2014年10月、公職選挙法違反の疑いで辞任した松島みどりの後任の法務大臣に任命された。2015年6月、闇サイト殺人事件(2007年発生)で死刑が確定し...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ②
坂本弁護士殺害実行部隊は、岡崎一明・村井秀夫・新実智光・早川紀代秀・中川智正・端本悟ら6人で、11月4日午前3時頃弁護士宅に侵入、就寝中の一家を襲った。端本が坂本弁護士に馬乗りになり、顎を6、7回殴った後に岡崎が首を、早川が足を押さえ、中川が尻に塩化カリウムを打った。筋肉注射ゆえに効果が無く、2、3回やり直したが針が曲がったので窒息死させた。坂本の妻は新実に馬乗りされ、上半身を蹴る・殴るなどの暴行を...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ③
地元・岡山県の名門高校から京都府立医科大学へ進学。在学中は柔道部で活躍をし、5年生の時は学園祭の実行委員長を務めた。車いすのボランティア活動を6年間続け、学園祭では車いすを押して会場を回ったという。正義感が強く、心優しい青年――そう評価する声も少なくない中川智正である。オウムとの出合いは、医師国家試験を間近に控えた6年生の冬だった。冷やかし気分でオウムの道場を訪ねたとき、早川紀代秀に瞑想を勧められた...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ④
本日発売の週刊新潮によると、麻原彰晃の新たな殺人事件の記事が報告されている。教団の初期の事件であるといい、ある女性信者が麻原教祖に首を絞められて殺されていた――というもの。これまで全く表に出ていなかったが、この隠された殺人事件についての噂が広がったのは昨年の秋頃のことで、服役中の新実智光死刑囚が、麻原の余罪について告白していたという。新実証言によれば、被害者は当時27歳だった教団の女性信者Yさん。金...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ⑤
1987年、「オウム神仙の会」と改称、宗教団体「オウム真理教」が設立された。 1989年、オウム批判をしていた坂本堤弁護士とその一家を殺害。 1990年、真理党を結成、第39回衆議院議員選挙へ麻原と信者24人が集団立候補。 1994年6月27日、松本サリン事件。 1995年2月28日、東京都内で公証人役場事務長逮捕監禁致死事件。 1995年3月20日、地下鉄サリン事件。...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ⑥
麻原がはじめた、「オウムの会」(のちに「オウム神仙の会」)は、ヨガを愛好しチベット密教を学ぶ小さな修行サークルだった。それがわずか10年余りのうちに、国家転覆を画策するテロ組織に変貌した。オウムの当時の資産総額について謎もある。強制捜査で警察が押収した金品の数倍もの金を教団は持っていたとも言われるが、何百億円にものぼる大金はどこへ消えた?麻原に洗脳され、麻原を師と仰ぎ、麻原の足の指まで舐めたインテリ...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ⑦
オウム事件は超高学歴エリートたちの多さが特筆され、誰もが「なぜ?」という疑問を抱いたように自分も同じ疑問を持った一人だった。がしかし、エリートという言葉を直視すれば、エリートとは、社会の中で優秀とされ指導的な役割を持つ人間や集団のことであるなら、彼らはオウム真理教という組織の中でエリートだったに過ぎず、社会のために何の役にたっていない。別の見方として、現役の医師であり、東京大学医科学研究所を経て医療...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ⑧
「いわゆる」という連体詞は、「世にいわれている」、「いうところの」という意味であるから、実態とは違うことになる。「いわゆる弱い女」とは、本当は違っていたとしても、「弱い女」と見られている。「いわゆる真面目男」が変態だったというようなものだ。人は人のことなどわかっちゃいないということだが、人は少なくとも実体験から人について学んでいく。麻原の元に走った多くの高学歴信者をインテリと称されたが、インテリの本...
View Articleオウムの麻原ら7名に死刑執行 ⑩
麻原ら7名の死刑執行がなされて10日を過ぎた。不思議なものでそのことがだんだんと薄れていくのは、日々の日常の移り変わりからすれば不思議というより真っ当なことだろう。大雨により被害も甚大で、広島県だけでも死者は108人となった。死刑もさることながら、崖崩れや河川の氾濫という自然災害で命を落とす人もいるのかと、いたたまれない気持ちに襲われる。自然災害や交通事故や病死や死刑しかり…、様々な死者の報に触れる...
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