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オウムの麻原ら7名に死刑執行 ①

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サリン事件などで計29人の犠牲者を出した一連のオウム真理教事件の首謀者であり、教団教祖の麻原彰晃ら7人の死刑が6日午前に東京拘置所などで執行されたことが分かった。死刑は法務大臣の職務命令により執行されるが、命じた上川陽子法務大臣を評価したい。同法相は2014年10月、公職選挙法違反の疑いで辞任した松島みどりの後任の法務大臣に任命された。

2015年6月、闇サイト殺人事件(2007年発生)で死刑が確定し、名古屋拘置所に収監されていた死刑囚1名の死刑を執行したのち、同年10月7日、第3次安倍第1次改造内閣の発足に伴い法務大臣を退任。自民党憲法改正推進本部事務局長に就任した。2017年8月3日、第3次安倍第3次改造内閣で、再び法務大臣に任命され、同年10月の第48回衆議院議員総選挙で6選を果たす。

上川法相は日本国憲法改正に賛成派に名を連ねるほか、集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局の憲法解釈の見直しに反対の立場をとっている。同法相は衆院選当選の2か月後の12月19日、市川一家4人殺人事件(1992年発生)で死刑が確定した、犯行当時19歳の少年死刑囚を含め、死刑囚2名(いずれも東京拘置所収監、再審請求中)の死刑を執行するなど、テキパキと仕事をなさる。

そうして今回のオウム関連の死刑囚7人の執行を命じた。「肝が据わっている」という言い方はそぐわないが、なかなか死刑執行を命じない臆病(?)な法務大臣も多い中、大物死刑囚を次々執行する姿勢は、まさに順法精神の鑑たる法務大臣の在り方を感じさせる。鳩山邦夫法相も毅然としていたが、法相が絡まなくとも自動的・客観的な刑の執行案などを提案していた。

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できることなら命じたくないというのが本音であろう。法相は死刑執行後の記者会見で麻原らの悪事を復唱、慎重に検討を重ねた結果と述べたが、会見で残念に思ったのは、官僚の用意した想定問答集など用意されてか、全体的に原稿の棒読みが多く頭が上がらない。その当たりが外国の要人記者会見と異なる。確かに官僚は有能だろうが、自分の意見を言うべきである。

死刑囚の精神状態は人道的見地から常にケアされているというが、他人に命を獲られるというのは残酷である。が、彼らも他人の命を残酷にも奪ったわけだから、そのことに就いては自戒するしかなかろう。「死は怖いというより、つまらないこと」と書いたが、他人の手で強制的に死に至らしめられる、命を奪われるというのは、相当の恐怖だろうと想像する。

腰が抜けて足が地につかない、歩けない、歩く気力も失せるという恐怖であろう。凶悪犯罪者は、罰として命を獲られることと、そうした束の間の恐怖を味わうことになるが、罪人は自らその鬩ぎを負わねばならない。名古屋市千種区の闇サイト殺人事件の被害者磯谷利恵さん、岡山元同僚バラバラ殺人事件の被害者加藤みささんは、「助けてください」と懇願したという。

殺されるいわれのない善意の彼女たちの恐怖もいかほどであったか…。両事件の住田紘一死刑囚・神田司死刑囚は、被害者が一人にもかかわらず死刑となったが、いかに身勝手で凶悪事件であったかである。前科もない初犯であった住田は、被害者である加藤さんを強姦した後、「誰にも言わないので命は助けて」という必死の懇願を、一顧だにせず殺害、遺体を切り刻む。

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この事件をさまざま思考したが、住田の主目的は強姦であって殺人・死体遺棄ではなかったはず。ならばなぜ被害者の、「誰にも言わない」を信じてやらなかったのか?仮に婦女子強姦を訴えられても被害者が負傷していない場合、懲役三年程度の量刑で済む。にも拘わらず、小心で臆病な性格が災いしてか殺してしまう。性格はさておき、行為そのものは非人間的ある。

人間の引き起こす凶悪犯罪の経緯を、アレコレ理性的に判断することは何の意味もない。彼らがそうした理性判断に至らなかったからこその凶悪犯罪だ。善意な第三者たちの命を無慈悲に奪う犯罪は、子どもの虐待死と同様にいたわしい。重犯罪は現在では懲役刑もしくは死刑だが、世界の潮流は死刑廃止である。死刑が残酷な刑罰というのが大きな理由。

火あぶりや磔などは言うに及ばずだが、死刑を採用する日本にあって、「残酷な刑罰」に対する最高裁の判断は、「不必要な精神的、肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑罰」とし、絞首刑については、人道上残虐性を有するとはいえないと解釈する。死刑の威嚇力による犯罪の予防、死刑執行によって特殊な社会悪の根源を断ち、社会の防衛を目指している。

麻原ら受刑者の誰もが死にたくなかったろう。同じように麻原たちによって命を奪われた人たちも同じ思いである。宗教教義を独善的に捻じ曲げ、身勝手な妄想から多くの無実の人を我が身を差し出すことで弔うべきであろう。麻原の駒となって犯罪に加担し、死刑を宣告された信者たちも同様に、誤った指導者を師と仰いだ己の愚かさを、死をもって悔いるしかなかろう。

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日本が死刑制度を破棄しない理由には、日本人独自の死生観がある。外国がどうあれ日本人文化において、「自らの命を差し出すことこそ最高の償いである」という考え方が根強い。死刑制度をなくすると刑罰の最高刑は無期懲役となるが、これだと日本の法規にある仮釈放制度が審理されることになる。死刑は命を奪うこともあるが、仮釈放を認めない刑罰ともいえる。

オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件で、坂本弁護士の母さちよさん(86)がコメントを出す。「今日、麻原とその他の幹部に対する死刑が執行されたと聞きました。麻原に対する裁判が終わったときは、「やっとか」っていう気持ちになったし、死刑判決が出てからもいつまでも生かされているということで、「なんでいつまでも死刑にならないの」という声も聞きました。(中略)

息子たちの救出活動に尽力してくれた方々、救出活動の訴えに長い間協力して下さったマスコミの方々には本当に感謝しております。ただ、今は、体調のこともあり、皆様に直接お話しすることができないことをご理解いただけたらと願っております。長い間、本当にありがとうございました。」坂本さちよさんは29年前、33歳の息子夫婦と孫一人を失っている。

なぜ一家全員の命を奪ったのか?ターゲットはあくまで、「オウム真理教被害者の会」の坂本弁護士一人だが、自宅に押し入る計画の際、実行メンバーの早川紀代秀が、弁護士の家族をどうするかの指示を電話で麻原に仰いだ。麻原は、「(家族を巻き添えにすることは)しょうがないんじゃないか。一緒にやるしかないだろう。」と一家全員の殺害を命令した。

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