「耐えることに何の意味がある?」
入社1か月で辞めたモンスター新人の言い分が、「耐えることに何の意味がある?」だという。あまりに面白い表現に思わず笑ってしまったが、表現といういうより理屈だろう。笑ったのは、「今どきの若者は…」と、バカにしたのでも見下したのでもない。青年期になりかけのころ、このように思った。「大人になったら、『今どきの若者は…』なる言葉を絶対口にしない」と。理由は、自分が若きころに大人たちからそうした言葉を吐かれ、バ...
View Article松山英樹と石川遼
プロゴルファーの松山英樹がプロ宣言をしたのは2013年4月2日だった。彼は当時21歳の東北福祉大の学生で、プロ宣言の第一声は、「やっていけるという自信を持ちました」である。何とも謙虚な言葉なのか、あるいは本音なのか、どちらともとれなくはないほどに彼のアマチュア時代の成績は素晴らしく、まさに、「最強のアマ」に相応しい成績を収めている。松山の高校は名門・明徳義塾ゴルフ部での寮生活だった。当時の明徳義塾ゴ...
View Article「耐えることに何の意味がある?」 ②
耐えることで何かが身につく、耐えることで強くなれる、耐えることで希望を見出せる…、などの自己啓発するが、これらは「耐えることの意味」というより価値である。そうした価値を拠り所にするから、そこに留まることができるが、残念ながら価値を見出せないなら去って行くしかない。たとえ「価値」が見いだせなくとも、「忍」の一字で頑張るという克服もある。本記事は今春東京の大学を卒業し、都内の一部上場メーカーに就職した堀...
View Article「なぜ勝てる?なぜ負ける?」その理由
「勝負」とはその字の如く、勝ち負けのこと。勝敗を争うこと。ゴルフのような個人スポーツもあればサッカー、野球といった団体で争うもの、囲碁・将棋のような思考ゲームも勝ち負けを争うためになされる。それらを職業とする人をプロと呼ぶ。かつては玄人(くろうと)といったが、現在でも年配者にこの語句を使う人もいるが、若い人にはほとんど使われなくなった。対義語である素人(しろうと)も現在ではアマが一般的だ。プロは、「...
View Article「独立自尊」の精神に学ぶ
真実は何のために有用なのか?「客観的真実は幻想である」という有名な言葉がある。これは、「人間こそが万物の尺度である」を基調とする。自分が見たものは真実であるが、見ていないものや想像から得た、「であろう」なる真実は、幻想でしかない。したがって、「客観的真実などはどうでもいいこと」であり、「いっそ幻想である」と認めた方がいいということになる。他人からの入れ知恵で悩んだり苦しんだりするのも人間だ。「あの女...
View Article「独立自尊」の精神に学ぶ ②
「独立自尊」といえば福沢諭吉だが、さらに遡れば聖徳太子に行きつく。国際化が進んだ現代は、太子や諭吉が考えたような独立自尊の精神が必要では、と言われている。国際社会の中で自分自身の責任を理解し、世界の人々と対等につきあう態度というものが必要であり、それが独立自尊の精神である。戦後70年を経たが、同じ敗戦国でありながらドイツと日本は大きく異なる。両国の大きな違いは戦後処理であろう。ドイツは、いや、ドイツ...
View Article「結愛ちゃん、生まれて楽しかったんか?」
人は生きるために生まれてくる。生きることを叶えてやるのが親の役目である。なのに、子どもにとって狼のような親もいる。「鬼親」という言葉も言われるが、子どもを殺すなら、赤ずきんちゃんの話でいえば狼である。子どもはなぜに哀しいほどに弱く小さく愛くるしいのか?そうであるがゆえに大人や親がかわいがる。そのためだと、聞いたことがある。言われてみるとそうかもしれない。おそらくそうであろう。なのに、どうしてこのよう...
View Article命を奪われし少女たち ①
「大阪教育大学附属池田小事件」は、2001年6月8日に起きた。昨日で17年になる。当日午前10時20分頃、大阪教育大学附属池田小学校に凶器を持った宅間守が侵入し、次々と同校の児童を襲撃した。被害にあった児童21名のうち、8名が殺害され、児童13名と教諭2名が傷害を負った。宅間は、校長や別の教諭にその場で取り押さえられ、駆け付けた警官に現行犯逮捕された。宅間は最後の一人を刺し終えると、凶器の出刃包丁を...
View Article命を奪われし少女たち ②
子どもの悲劇の多くは親がもたらすもの。といえば、「親だって子どもによって不幸にさせられる」という反論を受けたことがある。例えば、少年Aこと酒鬼薔薇聖斗の両親、先日犯人逮捕となった広島・廿日市女子高生殺人事件の両親をはじめ、子どもの犯罪によって煽りをくった親の多くは近所付き合いもできずにひっそり暮らすか、多くは転居を余儀なくさせられる。自殺を遂げた親もいた。「今田勇子」の名で犯行声明をした、「東京・埼...
View Article命を奪われし少女たち ③
前記した状況を経て1990年3月30日午後1時10分、東京地裁刑事第二部(中山善房裁判長)は、宮崎勤に対する殺人等被告事件の第一回公判を開いた。審理を行う一〇四法廷は傍聴席96席と最も大きい。裁判長が起訴状を読み上げ、「起訴状に書いてあることに間違いはないかね?」と宮崎に問う。罪状認否に対して大抵の被告人が、「間違いありません」といって頭を下げる。そうした改悛の情を示すことで、裁判官の心証を良くしよ...
View Article命を奪われし少女たち ④
「その後、絵梨香ちゃんの遺体が発見され、テレビで絵梨香ちゃんの父親が、『死んでいても見つかってよかった』と言っていた。89年1月中旬ころ、真理ちゃんの遺骨を両親に届けるために殺害現場に行った。現場には頭蓋骨など白骨が散乱していたのでいくつか拾い集めてバッグに入れて持ち帰る。骨を燃やして拾い集めて段ボールに入れ、2月6日に自宅玄関前に置いた。」8月22日に行方不明となった真理ちゃんの骨が半年後に自宅前...
View Article人は悪を犯すもの 「法の定義」
そのことについて考えたことはあった。考えるまでもなく「悪」を行為しない人間などいない。しかるに「悪」とは何?何をもって「悪」という?世の中の「悪」について書き出せば何でも、「悪」になるほど範囲は広い。同様、「善」が何かも難しい。例えばこういうことを耳にする。近所から凶悪事件の犯罪者が出た場合になど、加害者を知る人々はこのようにいう。「真面目そうでキチンと挨拶もするいい人ですよ」と、概ね評判は悪くない...
View Article人は罪を犯すもの 「親不幸の定義」
「親孝行」を妄信する者は、「親不幸」を罪という。親から直々に、「親不孝者」といわれたり、親を批判すれば周囲から言われり…。世間の価値基準など今は黙って聞いていれるが、若いころは反発した。「何が親不幸なんだ?お前のいう親孝行が何かを説明してくれんか?」などとつまらん質問をぶつけたりもしたが、つまらん問いにはつまらん答えしか返ってこない。世間的価値基準からみて、「親不幸」の誹りを免れない自分だ。そんな自...
View Article親孝行・親不幸なる言葉はあるが…
「いろんな自分がいるのを認識させられる」と書いた。別の言い方をすれば、「人間はさまざまな顔を持つ動物」。それこそ人間の1日をとってみても、気分のいいときはニコニコ笑い、不機嫌な時は言葉少なに押し黙る。ケンカ気味に言い合いをしたり、着飾ってご満悦だったり、トイレで沈思黙考しながら何を考えているのやら…、文章からもさまざまな顔が感じられる。確かに自分が書いたものには違いないが、書いてるときと日を改めて読...
View Article書き綴ることが「展望」となる
若き頃の自分は卑しさの塊だった。情のもろさが災いしてか、感情に左右されることなく物事を理性的に判断することができなかった。できているつもりでも、若さゆえの思い込みに過ぎなかった。他人から物を戴く立場にあっては、当たり前に受け入れた。「地位が人を造る」というが、地位はまた人を傲慢にする。よほど戒めぬ限り。人間は醜さを増幅させて堕ちていく。ズルく醜い人間が目標ならそれもいいが、そういう人間を嫌悪するよう...
View Article書き綴ることが「展望」となる ②
人目を気にしないのは自分のために生きるからだ。「自分の生き方を人からとやかく言われたくない」ではなく、「言われても気にならない」のは真の自分を生きる人に共通の思い。人の目線が気になる人は、まるで他人のために生きているようだから女性に対し、「自分に正直に生きたらいいのでは?」といった。できるできないに関係なく「自分を生きる」法則だ。「自分に正直に生きる…」。言葉の意味は分かるだろうが真意は理解はできな...
View Article書き綴ることが「展望」となる ③
観念的な家庭に育った子は親を裏切る苦しみを持つという。双方にとって親不幸となるからだろう。親のいうところの、「親孝行」とは子どもに自己犠牲を強いること。子どもの、「親孝行」とは、自己犠牲を厭わぬこと。こうした日本人の道徳感は、恩義に報いて義理を果たすことと解釈できる。自分は日本人だが、「こんなバカなことをやってていいのか?」である。子どもとして、「やっていいのか」と同時に親の立場として、「子どもにさ...
View Article書き綴ることが「展望」となる ④
女が実家を出るということは、嫁ぎ先に新たな親ができることになる。同じことは夫の側にも言え、彼らにも新たな娘ができることになる。なのになぜに娘(嫁)をいびるのか?原因の一端は昨日述べたが、新たな家族の仲間入りをすれば、家のしきたりに順応するために嫁は努力をするだろう。幸いなるかな女性は頑なな男に比べて順応しやすい特質がある。「女三界に家なし」の三界の一つは姑でなく夫である。自分の妻は夫の考えや価値観に...
View Article書き綴ることが「展望」となる ⑥
「さんざん親の悪口を書き綴って、なんなんだこのブログは…」と感じる人はいるはずだ。そういう人には気分が悪かろうし、内容は戯言でしかなく、親批判の親不孝者としか映らないだろう。斯くの人物にとっての親とは、心の支えであったり、拠り所であったり、できることなら同じ境遇に在ったらの思いは消えることはないが、子どもは親を選んで生まれてくることができない。心無い親の下に生を受け、虐待されて心に傷を負った人たちや...
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