「心」 ①
漱石の『こゝろ』を読んだのは松本清張にはまっていた中学一年のときだ。恋愛も友情も分らない年齢ということもあり、主人公の葛藤する心に真の理解は及ばなかった。長いこと間が空いて、『こゝろ』を映像で観たのは80年代になってからだ。『こゝろ』の映像作品は、実に8作品(映画3、テレビドラマ4、アニメ1)のラインナップがあり、その中の映画2本を鑑賞した。...
View Article「心」 ②
心理学とは「心」を研究する学問で、「心」はふつう、意識と同じものと考えられている。ところが、深層心理学は、「心」は意識だけではなく無意識も含んでいると指摘する。これは深層心理学が心の病を治療する実践の中で生まれてきた。創始者たちは、人間の心の中にふつうの意識では知り得ない何かがある事を認めないかぎり、自分たちの臨床経験をうまく説明できないと感じていたようだ。...
View Article最強バカ女
過激なタイトルのようだが、個人的な好き嫌いの問題だ。何が好き、何が嫌いは、個々の価値観だから文句を言われる筋合いはない。特定の人間を名指しでの好き嫌いも許されよう。天皇陛下が嫌い、総理大臣が嫌いも個人の自由。思うも言うも自由な国だが、あの国で金正日や金正恩の悪口を公に書くと、突如何物かが訪ねて来て連れ去られるのだろうか?...
View Article最強バカ男
いつからなのかテレビはバラエティ番組全盛で、それだけ番組が多いというのは、多くの人が見ていることになる。無芸芸人の何が面白いか理解に苦しむが、彼らが自分のバカさ加減を自慢し、相手のマヌケさを披露し、トンチンカンな返答で自分の無能を誇示し、そんなこんなのやり取りを聞いていると、笑えるどころか、つまらないを超えてテレビを消したくなる。...
View Article「手のわろき人の」
首相官邸のホームページに、「アベノミクス"3本の矢"」と題された安倍総理の経済政策が記されている。先の選挙で国民は自民党を支持したかに見えるが、「他の党よりマシ」というのが本音である。それほどに民主党政権の無能・無策ぶりに辟易したのだ。2009年7月21日、衆議院が解散。「政権交代選挙」が行われる。各種世論調査では終始民主党の圧倒的優勢が伝えられていた。...
View Article「滅私奉公」なき時代
表題は言葉通り、「私事を滅し、公に奉じる」の意味だ。善い行いとして我々の世代には頭に入っている。「公」とは本来的には国家などを意味するが、自分以外の他人と拡大できる。すべてにおいて他人優先と言うではなく、明らかに他人に迷惑がかかる私益優先は認められないとする。誰でも自分のことを優先したいが、他人に迷惑をかけてまではダメということ。...
View Articleピノキオと勇気
今夏、徳島県のかずら橋に行った際、近くの「琵琶の滝」に寄ってみた。滝と言うものを眺めたのは何十年ぶりか。「琵琶の滝」の名の由来は、昔、平家落人が京の都をしのび、この滝で琵琶をかなで、つれづれを慰めあっていたことから名付けられたと言い伝えられている。高さ約50mらしいが、十メートルくらいまで近づくことができるからか迫力を感じる。...
View Article「他人を見下す」という娯楽
店員を土下座させるの写真をネットに載せる事件、今度は高校生である。2014年12月5日、滋賀県内のボウリング場でのトラブルで、女子高生らが土下座させた従業員をツイッターに投稿した。詳しい経緯は不明だが、無理やり土下座させた場合は強要罪に問われる可能性があり、警察は事実関係を調査中だ。土下座写真を投稿したのは滋賀県内の県立高校に通う女子生徒。 「くそおもろい笑...
View Article評論家の言い訳はダメダメ
理研の小保方氏は7月から検証チームに参加し、第三者の立ち会いの下で実験したが、STAP細胞を作製できなかったことが明らかになった。これについて尾木直樹氏が彼のブログで、「(小保方氏に)裏切られた感じ」とつづっているらしい。らしいとは以下記事見出しの引用。【尾木ママ、小保方氏に「裏切られた感じ」】で、自分は尾木氏のブログを見ていない。...
View Article凱旋!黒田博樹の男気
朝から感動するニュースが飛び込んで来た。ニューヨークヤンキースの黒田博樹が日本に戻り、来シーズンから古巣の広島カープでプレーするというのに驚いた。意気揚々アメリカに行ったものの、メジャーからポイされて、落ちぶれて日本に帰ってくる選手をダメジャー選手と言う。それに比べて黒田は何と言う男気のあるサムライであろう。以下は記事引用する。...
View Article正月は冥途の旅の一里塚
正月の挨拶は「明けましておめでとうございます」が一般的だが、何で明けるとめでたいのか?こういう疑問をもつ人はもたない人より若さの偏差値が高い。物事をたんにやり過ごす、素通りさせる人もいるが、世の中の当たり前のことや、語句や、文化や、しきたりに疑問を持つ感性はその人の若さを示している。子どもがあらゆることに疑問を抱くように。...
View Article老兵は"黙して"消え去る
2015年が明けた。2015年の扉を空けたとも言う。自力で空けたのではなく勝手に空いたのだから、「2015年の扉が空いた」が正しい。時間は勝手に進む。容赦ないし、待ってはくれない。「時間よ、止まれ!」というのはマンガの話。時間が止まれば人や車が止まるシュチが笑える。人は時間と共に生きている。時間が積み重なって「老」となり、やがてその人の時間は止まる。年始めは「老」について…...
View Article「老い」と断捨離
断捨離(だんしゃり)とは、不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそうとする生活術や処世術のことで、この言葉が新語・流行語大賞にノミネートされたのが2010年であった。やましたひでこの著書が発表されて話題になり、この考え方が人々に広く知られるようになったのだが、基本的にはヨガの行法、「断行」、「捨行」、「離行」という考え方を応用したに過ぎない。 断=入ってくる要らない物を断つ...
View Article老いは「人生の第三幕」
「"人生とはアーチのようなもの"という古い考えにわたしたちは捉われている。アーチとは人生の真ん中でピークに達し、その後は衰えていくもの。加齢をまるで病気のように考えている。でも、今では多くの人が、芸術家や哲学者や医者や科学者に至るまで、人生の後半の30年を新たな見方で考えています。それを私は『人生の第三幕』と呼んでいます。...
View Article老人の維持費
年寄りの値段ともいえる「老人の維持費」はなんともお高い。赤ん坊にお金がかかるといってもこれほどではないだろう。マンションの裏手で建設中の「ヘルスケアホーム井口」という、いわゆる老人ホームだが、最近はそういう呼び名をしない。「サービス付き高齢者向け住宅」と言う。「ヘルスケアホーム」、「デイケアサービスホーム」などの呼び名もある。...
View Article「蓋棺事定」
「外観事定」という言葉は、人は外観で評価されるということ。よって外観はしっかりとしなければならないという戒めである。言わんとする外観とは、端正な容姿、美人、男前のことではなく、服装等はもちろんのことその人の言動全般を指す。が、この言葉は「他人を外観で評価してはならない」という逆説の含みを持っている。人間は多面的な動物である。...
View Article「生きてることが辛いなら」
森山直太朗の作曲になる詞は、彼の友人であり詩人の御徒町凧(おかちまちかいと)によるもの。楽曲は2008年8月27日にリリースされたが、詞は御徒町凧が20歳前後の1997年頃に作られたというが、一体何に触発されて書いたのだろうか?1997年6月に酒鬼薔薇聖斗事件があったが、この詞に関連する何かを探るに、5月に可愛かずみという女優が飛び降り自殺をした。...
View Article親子は「老」と「若」
人間が胎児出産するようになった理由はさまざまあるが、二足歩行によって産道が狭まったこと、頭脳の発達に伴い頭が大きく進化したことなどがあげられる。これらから未成熟の胎児のまま出産することで母体を保護する。また、何も出来ないうちに産んで、親がその子の世話をすることで愛情の度合いを深めていくという要素も考えられる。...
View Article老人の維持費 ②
衰えを知らないかのごとく伸び続ける日本人の平均寿命だが、それで老後が幸福になったといえるのか。人の残された時間は決して死の拷問であってはならず、自らの終(しまい)支度と、大切な人との別れの準備を怠ることなく最期のときを迎えるべきであろう。誰とて自分の一生を自らコントロールできないと、老齢になれば分ってくるし、他人を見ていても分る。...
View Article老いらくの恋
40、50のおばさんが、「一生恋はしていたい」などと言っている。気色悪いがそれが女の感性か?「老いらくの恋」などと持て囃したりはするが、40、50男が「最後の恋をしたい」などと言い出すならいい加減気色悪い。オヤジならオヤジらしく「楽しく遊べる男」でいたらどうなんだ?男女関係において「男は真剣交際は考えていない」といわれたりする。...
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