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凱旋!黒田博樹の男気

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朝から感動するニュースが飛び込んで来た。ニューヨークヤンキースの黒田博樹が日本に戻り、来シーズンから古巣の広島カープでプレーするというのに驚いた。意気揚々アメリカに行ったものの、メジャーからポイされて、落ちぶれて日本に帰ってくる選手をダメジャー選手と言う。それに比べて黒田は何と言う男気のあるサムライであろう。以下は記事引用する。
 
ヤンキースからFAとなり、去就が注目されていた黒田博樹投手(39)が8年ぶりに古巣・広島への復帰を決めたことが26日分かった。年俸は総額4億円超とみられ、27日に正式発表される。メジャーで5年連続2桁勝利をマークしている右腕に複数球団が争奪戦を演じていたが、黒田は巨額オファーを蹴って育ててもらった広島で野球人生の集大成を飾る道を選んだ。
 
男気あふれる決断だ。メジャーのFA市場でもトップランクに位置付けされていた黒田は、カープ球団にこの日、本人から「帰ります」との連絡が入った。黒田にカープは水面下で交渉を続けてきた。11月初旬には、帰国中の黒田に速攻でアタック。以来3度接触し、復帰を熱望する一貫した思いを伝え続けた結果、総額4億円を超える条件で合意したとみられる。
 
2007年12月、広島からFA宣言し、ドジャースに入団した黒田は、メジャー在籍7年間で通算79勝をマークし、今季はヤ軍の中で唯一先発ローテーションを守り、5年連続2桁勝利となる11勝の成績を挙げた。ド軍との3年契約満了後は、「一年一年が勝負」との考えから、複数年契約を拒否し、てあえて単年契約で勝負し、完全燃焼を目指してやってきた。
 
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黒田にはパドレスが年俸1800万ドル(約21億6000万円)を用意したほか、2008年から4年間在籍した古巣ドジャースも、年俸1600万ドル(約19億2000万円)プラス出来高払いを提示するなど、複数球団が争奪戦を繰り広げた。ここまでの巨額オファーを蹴って日本球界に復帰した選手は過去にいないし、バリバリのメジャーリーガーとして帰ってくる黒田である。
 
緒方監督を迎え、来季24年ぶりのリーグ優勝を狙う広島カープに、黒田博樹という最高の、そして最強の戦力が加わったことになる。」これは何と言っても黒田のカープへの想い、義理、情け、それらをひっくるめたカープ愛であろう。黒田はことある事に、「最後はカープで」と言っていた。が、メジャーでの需要は後を絶たず、これでは帰る余地はないと見ていた。
 
黒田がカープに帰りたいと思っていても、黒田の戦力を期待し、充てにするメジャー球団があるうちは日本に帰れないと、正直自分は思っていた。「帰りたくても帰れない」というのは、自分に言わせると口実である。帰りたい意思という欺瞞にあやかった恰好のいい言葉である。帰ろうという意思があれば行動できないはずがない。黒田はそういう口実を吐かなかった。
 
上杉鷹山の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という言葉は、「できない」は「しない」であり、「しない」、「したくない」の口実であるから「できない」という人間を欺瞞として嫌っている。「したくない」なら正直に言えよ、といつも言う。言葉は人の都合で脚色もされ、使い分けられるが、それでは素直な心は育めない。
 
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「素直でなきゃいかんのか?」という人間がいた。こういう言葉を吐かれると唖然としてしまう。「別にいいんじゃないか?お前の好きにして…」というしかない。説得する必要はないからだ。反面、「人間は、素直じゃなきゃダメだろうな」と向けてくるなら、「素直である事の良さ」をいろいろ話し合いたくなる。相手の友人度にもよるが、否定する奴を肯定に誘わない。
 
なぜ素直がいいのかを考えてみるに、人と人は環境や育ちの違いから価値観や理念が違ってくる。つまり、人と人は意見が違ってもオカシクナイし、悪いことではない。だから他人がこう思うに対し、自分はこう思うでいいわけだ。素直であれば無理せず自然に異論も反論も生まれる。ところが、斯くの対論が、素直さから出たものか意地を張ってのものかは、分る。
 
素直な意見なら自然に受け入れられるが、意地や体面からの強論にはうんざりする。つまらんことを延々と返す奴には閉口するしかない。そこが素直な奴と意固地な奴との違いである。素直の反語は意固地であろう。意固地とは言葉通り、意地に凝り固まったこと。こういう人間は人から排除されていく。反対意見はあっていい、が、意固地にならないことだ。
 
「ごめんなさい。わたしっていつもこうなの。自分でもどうしていいか分からなくなって…」。むか~し、こういって嘆き悲しんだ女がいた。しこたま言い合いをし、くだらないその場限りの反論で収拾がつかなくなり、「もうお前と言い合いするのは止めた。壁に向かってほざいてろ!」と言った時に、堰を切ったように泣き臥せった女。しばし泣いた後、上の言葉を吐いた。
 
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さっきまでの速射砲のように唾を吐き飛ばす彼女とは別人であった。「どうして素直になれないんだろう、自分がいやでなんです」と自戒する彼女に、「いや、君は素直だと思う。でなきゃ、今のように自己裁断はできないよ」と、それは本当にそうだと感じた。屁理屈にもならない言葉で応戦する彼女は、一種の病であろう、女性特有の情緒の断絶と思った。
 
自分で自分がコントロールできないと言う事だ。分りやすく言えば感情的になる。病症の類なら「情緒障害」といえる。「情緒障害」の前段に「情緒不安定」というのは、女性ホルモン(月経)に支配された女の「性」であると、渡辺淳一がたしなめていたようにである。男はここを押さえておかないと女性を思慮なき浅はかなバカものとしか思えないかも。
 
それくらいに情緒が変貌しやすい精神を持っている。女になった事はないが、情緒不安定に苦しむ女を見ていると理解できる事もあった。女は女と付き合うのと男を相手にするのと違える必要があるように、男も女を男同様に見てはダメだ。異性を理解できない根源は、自分と照らし合わせるからで、異性は言葉通り、自分の所有する性を異にする生き物である。
 
異性を理解するためには異性を学ばなければならない。何事も勉強して理解するように、異性とて勉強ナシに理解は得られない。『女の宴』などの作品がある作家の黒岩重吾は、「千人とやっても女は分らない」との比喩を吐いたが、「やっても」はそれだけ懇意な関係になってもという意味。伊藤整に『女性に関する十二章』というのがあるが、彼はフェミニスト。
 
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が、フェミニストであれ正鵠を射る意見もある。伊藤は第九章「情緒について」でこのように言う。「社会生活というものは、二個の人間の我慾がぶつかったときに、それを両方とも生かして、適当に調和させることなのだと。 個人の我慾は殺すべきでなく、他人の我慾と調和させ、妥当に組み合わせて生かすべきものだと。 我慾を持った人間も他者も我慾を主張する。
 
して、その間を理屈で折り合いをつける。このような論理的調和に日本人は慣れていないとするのだ。伊藤は、とかく日本人が陥りがちな、両極端で"危険な"情緒的考え方を紹介している。一つは、自分が他人を完全に支配し、他人を奴隷にしてしまうというもの。 もう一つは、自分さえ犠牲になればいい、自分を全く棄て誰かのために死んで行くというもの。
 
して、その両極でないものを「妥協」だ「中途半端」だと軽蔑する。そういう社会状態の中で生きることに慣れ、人と人との合理的な組み合わせを作ることは不可能と考えるようになった。清らかな生活というものは、社会を離れて出家遁世したり、花鳥風月に遊ぶことによってのみ作ることができるの考えに落ち着く。死ぬことは清潔だと考えるものその延長だと…。
 
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伊藤の考えは、文学的思考と社会の融合であろう。肯定はできないが否定する自信もない。「我欲を抑えず生かして適当に調和させる」と、言葉にするのは簡単だが、どちらかが譲らない限りは不可能に近い。自分の思考系によると、我欲同士のぶつかり合いは、我欲を改めることに時間を割くことだが、欲を欲だと認識するところから始めなければならない。
 
これが実に難しい。欲とは何?がスタートになる。そこで欲の反語は何かであるが、無欲というのは反語でない。欲の反語は「死」、これは哲学的な意味においてそうであろう。つまり人間は生ある限り「欲」である。だから死ねはシャレにならない。それ以外で欲の対語を見つけねば。「欲」は何ものかに捕らわれているなら対語は「空」、これは仏教的思考だ。
 
欲が不満を埋めたい衝動なら、対語は「満」となる。広辞苑で欲とは、ほしがること。自分のものにしようと熱心に願い求めること。また、その気持ち。とあり、であるならほしがらない、自分の物にしたくない、となる。それからすると対語は「断」といえる。欲に対して「禁欲」は対語というより、自らに課した「枷(かせ)」として機能させるもの。
 
黒田も人間である。「欲」がないわけはないが、20億を捨てて4億を取ったのは、お金の価値の限界を知ったからか?100億溜めてる人が101億、102億にしたいというのも理解できるが、100億あれば50億を世のため人のために役立てたい人もいる。そういう志はなくとも、100億あれば取り立て贅沢をしなければ何不自由ない人生を送れるというのも事実である。
 
イメージ 2それは、庶民的な視点で世を眺めた場合にであろう。もっと上を見れば数百億、数千億持っているセレブはいくらでもいる。黒田のカープ復帰の要因はさまざまあると思うが、後人の育成や、プロ野球の監督という事も視野に入れて、残りの野球人生を日本球界で実行するためにこれ以上外国で余禄のカネを稼いでいても意味がないと感じたのかも知れない。
 
イチローはCMなどの露出具合からして、日本野球界で監督などの道はあまりなく、同じ野球に身を置くなら解説者に向いていそうだ。彼がもし監督ならイチロー監督でなく鈴木監督となろうが、「鈴木監督?だれそれ?」ってな具合。黒田は寡黙で冷静で理性的に故に、名監督の器ではないかと、個人的な視点である。笑顔の少ない黒田、自他に厳しい男だろうが、彼の笑顔はまた価値がある。
 
黒田のカープ入団が決まったときに、なるほどと思った事例が浮かんだ。3日前に3億で契約更改した球団のエース前田健太のこと。彼はメジャーの評価も高く、来年は渡米すると思われていたが、この話が急に立ち消えになったのは、おそらく球団から黒田のカープ復帰の可能性が強いことを示唆されていたからだ。確かに健太はメジャーに行きたかったろう。
 
が、黒田復帰とあらば話は別だ。健太は尊敬する野球人をダルビッシュ有投手と公言している。その理由は、2011年のシーズンが周囲の期待に反して不本意な成績で終えていた(10勝12敗)が、「エース」のプライドから両足ふくらはぎの故障をチームメイト他に隠しながら登板していた。そのことをただ一人ダルビッシュに気づかれて以来尊敬を示すようになった。
 
前田は今年の夏頃からポスティングシステムを利用し、メジャー希望を鮮明にしていたし、その場合の年俸総額1億2000万ドル(約130億円)規模の大型契約であると米国内で報じられ、一般紙ボストン・グローブによると「前田は日本の一部メディアに対し、ポスティングでメジャー挑戦なら、ヤンキースかレッドソックスでプレーを希望していると明かした」とされる。
 
それなら黒田のカープ復帰は健太にとって願ってもないこと。ヤンキースの球団情報を黒田から得れる。昨年ヤンキースに入団した田中将大と前田健太は同期ゆえにライバル意識も強い。最低でも田中程度の成績は残したいだろう。黒田のアドバイスを得て、健太に活躍して欲しいし、ヤンキースの日本人選手の二枚看板はプロ野球ファンにとっても楽しみである。
 
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ついでに健太と黒田に関する逸話と言えば、前田は黒田に高級時計ロジェ・デュブイをプレゼントされている。これは前田と黒田が2010年シーズンの年間勝利数の賭けをし、黒田(ドジャース)11勝13敗、前田(カープ)15勝8敗)で、健太が勝ったのでもらったという。前田はダルビッシュからも沢村賞の記念にと、自らつけていたウブロという高級時計を貰っている。
 
今シーズン広島カープは、あと一歩と言うところで優勝を逃した。来シーズンは緒方監督の元、黒田復帰の元で今年よりさらに優勝に近づく、にしてもカープのケチ臭さは如何ともし難い。古巣とはいえ、メジャーのスーパースターにはポンと5億、6億出してもよかろう。メジャーはメジャー、ウチはウチという事だろうが、黒田獲得の樽募金も言われていた。
 
樽募金とはかつて1951年、広島カープが経営難に陥り、リーグの加盟料や選手の給料が払えないことが要因となり、「大洋球団との合併」か「球団の自主解散」といった処置を取らざるを得なくなった。なお、新球場(現・マツダスタジアム)設立の際も、「平成の樽募金」として45年ぶりに樽募金が行われ、全国から募金で1年ほどで1億2千万円を突破した。
 
黒田の男気によって黒田獲得樽募金は無用となった。来シーズンは黒田の勇姿見たさのファンが球場に押しかけるはずだし、黒田効果で球団も潤うことになる。黒田の背番号は2007年までつけていた「15」。8年ぶりの広島復帰でファンの声援もいっそう高くなり、球場が赤一色に沸くだろう。
 
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「カープに恩返ししたい。バリバリやっているときに帰りたい」(黒田の口癖)
 
「補強というより、帰ってくる喜びの方が大きい」(松田オーナー)
 
「黒田選手の選択に感謝しています」(緒方新監督)
 
「彼は二桁を挙げられるコンディションでカープに戻るつもり」(元カープ佐々岡投手)
 
「絶対マツダスタジアムに見に行きます」(カープ女子:高校2年生)
 
「うそだろ!ヤンキースは黒田を必要としているのに!」(ヤンキースファン:米国人)
 
「ものすごく寂しい」(ヤンキースファン:米国人)
 
「黒田は自分の野球人生を日本で続ける計画を立てた」(米CBSテレビ電子版)
 
「黒田さんにはたくさんのことを教えてもらい、助けていただきました」(田中将大)
 
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「1%でも帰ってきてくれる可能性がある限り、私が諦めちゃいかんと、そう言い聞かせていました」(交渉を続けた鈴木球団本部長)
 
「カープの為だけでなく日本球界の為に本当にありがとう」(元カープ北別府学投手)
 
「黒田さん、どんだけ虜にするんですか!」(アンガールズ:山根良顕)
 
「カープ愛で、(20億と4億の)金額が埋まる」(アンガールズ:田中卓志)
 
「黒田が広島に帰るのは広島がいい球団だから。久しぶりに武士を見た」(張本勲)
 
「朝起きて知った。いい刺激になる。うれしい限りです」(広島カープ石原捕手)
 
「プラスのことしかない。配球のこと、どんな練習をするか」(広島カープ若手投手)
 
「黒田の広島復帰の陰に今年広島に戻る新井貴浩との絆がある」(関係者の証言)
 
「私は泣いています」(歌手:奥田民生)
 
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