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Channel: 死ぬまで生きよう!
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45年を経た再会。その後… ⑤

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彼女と出会った45年前の記憶を辿れば、夏に出会ってその年の冬か、明けて翌年には別れている。長野に帰るときに新宿のホームで見送られたというが、自分には記憶はなかった。彼女はまた、始めて声をかけられたときのことを覚えていた。「最初なんて声をかけたの?」と聞くと、「ぼくは高円寺に引っ越したんだ」といったという。その時の彼女の思いを聞いて驚いた。

「この人がどこに引っ越そうがわたしに関係ないのに、何でそんなことをいうのだろう」と思ったというが、今に思えばこれが彼女の人間性を如実に表すものだと感じた。こうした彼女の45年前の性格は現在そのまま引きづっている。自分の驚きの理由とは、初対面に声をかけられた会話の内容は、まるで自分に関係のないことであるのはむしろ当然のことではないか…である。

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その当たり前のことに疑問を持つという彼女は、人と人のコミュニケーションというものに違和感を感じているのではないか。邪悪な心とまではいえないにしろ、人の良心とは、人への興味から、共感を得、人を愛せること。それが人と人との温かい交流を生むが、サイコパスの特徴は良心がない。恋愛はタダのゲームであり、ゲームに勝ちたいとの強烈な思いが支配する。

したがって、人を支配して思い通りに動かしたい欲望がある。その為に他人の同情を誘い、嘘をつき、善良な人を利用する。良心はなくとも、良心のある素振りはできる。が、結局は自分の為だけにしか行動しない。自分に興味のないこと、都合の悪いこと、相手の要望はことごとく無視をし、自分を価値を押し付け、不利とみるや逆ギレして反発をする。

他人への思いやりが絶対的に欠落しており、手段を選ばずに自分の欲望を満たそうとするだけの人。彼女はまさしくこういう人であった。こんなことは認めたくない、思いたくはないが、このこと以外に彼女を説明できるものがないと感じられた。そのような結論に至った理由を書いてみる。「男の一言」を信奉する自分が、彼女のメールに返信したのは彼女への人間的興味だった。

人間に強い興味と関心を抱く自分である。それらからして、前回の彼女との離別の原因ですら、怒りとか失望を超えた人間的興味で、もっと掘り下げてみたいという思いもあった。彼女に対する昔の恋人というノスタルジーは、いまや消失してしまっていたが、人間的興味との理由で交流を始めてみようと思った。その前に前回彼女に拒否されたある条件を提示した。

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条件とは、PCメール受信設定すること。画像交換を可能にすること。彼女の拒否の理由は、「メールは携帯でしたい」だった。自分にとって携帯はずっとお荷物でしかない。所有の携帯も、家族の連絡事項との理由で娘から強制的に持たされたもので、携帯が便利と思ったこともなければ、外出時に持ち歩くこともなく、数文字のショートメールしか経験がない。

過去のメール相手はすべてPCメール送信で、拒否された場合は交流をしなかった。すべての知人、友人、家族にもショートメール以外の携帯のアドを教えない。教えるとメールをされて迷惑を被るからという理由。PCキーボードからのブラインドタッチにすれば携帯メールは甚だしく非合理的でしかなく、Sメールでさえ打ち込みにストレスを感じてしまう自分。

PCメールを彼女が拒否したとき、彼女でなければ即座に交流を止めていた。彼女はまた画像交換を拒否したが、その理由がバカバカしいほどに子どもじみていた。「カメラが壊れている」という。人間はしたくない事を、「しない」、「できない」というもので、そうと知りつつ、「娘さんの携帯で写メればいいんじゃないか?」といえば、「娘のは使いたくない」という。

これだけ聞いても、彼女はいかにも頑固で、自分の意図しない他人の要望はことごとく無視をする人と感じた。「カメラが壊れている」は小中生如きの稚拙な理由であり、「娘のは使わない」は、理由としては羞恥の類である。自分の容姿のダメージを気にしてのことだと感じたが、そんなことは率直にでも言えるし、言い回しもできようものだが、それがない人である。

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それなのに、「逢いたい」という心理は分からない。画像を交換して、それなりの気持ちの準備をするのが妥当であり、百聞は一見にしかずともいう。彼女はしきりに眼鏡をかけてるとか、白髪を染めてるとか、以前より太ったとか…、まあ、それも女心かと許容するキャパはある。おふざけでこんな風にほぐしてみた。「昔は黒かったけど、今は上も下も白いって、当たり前だろ?」。

「それって嫌じゃない?」。「嫌だったらヘタるんじゃないのかね~。男は分かり易い。前もってああだこうだ言う前に、あの頃のわたしに戻ってあなたに会いたいっていうだろ?それが純粋さではないのか?前ぶりが多すぎると、こちらまで不純になりかねない」。PCメールは、「3日にするから」と了承したが、画像交換は、「そのうち」と先送り。自分はPCのアドを送った。

PCメールも画像も前回出会った後、すぐに送信してみたが、どちらも受信拒否となっていた。自分は先回りしていってみた。「スパムや迷惑メールの多い時世だけど、一人のメールアドレスだけでも設定可能と話し、自分で設定する方法のURLを送り、「設定完了したら連絡を…」と待った。4日の昼に連絡があり、その記述を見たときに、なぜか違和感を抱いた。

違和感というのは、「設定をしていないな」と直感的に感じたからだ。普通なら、「設定しました」、「やったよ」、「PCメールできるよ」などの肯定的な言い方になるはずだが、そうした言葉はなく、「入力したけど、どうかなぁ?」であった。「こんな言い方するだろうか?」と思いつつ、言い方はともかく設定できていればいいとメール送信のテストをしたところ、できていなかった。

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送ったアドの入力ミスの可能性もあり、それを伝えたが、「間違っていない」という。ばかりか、彼女はドコモショップに行って設定を頼んだという。ドコモがそんなミスをするのかと訝り、ドコモに問うてみた。設定はアドさえ間違わなければ操作は簡単」という。ドコモがそんなミスをしてはサポートの意味がない。ましてや彼女のいうことが事実なら、彼女の怒りはドコモに向くはずだ。

彼女が嘘をついていると確信した自分は、「あなたはなぜ怒りをドコモに向けないのか?それがすべてであり、人の頼みをやる気がないならしなくていいが、ウソをつく必要がどこにあるのか?」と、送信したとき、まるで見当違いの返信が送られてきた。会話になっていないばかりか意図的に問題点をずらして、現段階で起こっている問題を避けている内容だった。

交流を願うなら簡単に設定すればいいだけのことを、なぜにこれほどあずるのかを考えるとき、彼女が相手の要望に応えようとしない理由を理解した。PCメールを設定しない合理的な理由などはなく、ウソをついてまで相手を罪に陥れようとする彼女に良心はみられない。人の指図に従うのを嫌がる性格であるばかりか、他人に対していい加減で不誠実な人間と判断した。

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