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日本の戦後と新憲法 ②

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新憲法の第三の特徴は、「人権と自由」の理念の確立であろう。旧憲法は、天皇主権の原則と民権の主張の折衷であり、「信教」、「表現」、「集会」、「結社」の自由をどのようにうたったとしても、「法律ノ範囲内ニ於テ」とか、「臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ」とかの条件が付せられた。よって現実には、これらの自由は著しく制限されていたことになる。

警察官あるいは特高警察による人権の侵害や逮捕・監禁・拷問などが日常的に行われ、共産主義者などの体制批判者は激しく処罰されたり迫害を受けた。なお、戦時体制下における抑制と弾圧はうつにも増して極度に達していた。さらには、華族制度という名の身分制度が維持され、家父長制が法制上も守られるなど、男尊女卑思想などや男女差別も大きいものだった。

新憲法ははじめて、「基本的人権は、侵すことのできない永久の権利」であると繰り替えし宣言し(第1条、第97条)、その保障の方法を詳細に規定することによって、戦前の体制の再現を防ごうとした意味において、1776年のアメリカ独立革命や1789年のフランス革命でうたわれた人権の保障を、ようやく20世紀の半ばになって日本に持ち込んだものといえるだろう。

さらには人権と自由という一般的保障に加えて、あらたな社会的権利の保障を盛り込んだことも特徴である。さらには財閥解体と独占禁止政策、農地解放、教育制度にもGHQの意向が反映された。こうして日本はアメリカを手本にして、近代民主主義政策へと移行し、こんにちの繁栄と安全を手にした。といえばアメリカ様様のようだが、互いの利害の一致もあった。

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物事は良くも悪くも解釈できる。どちらが正しいかというより、どちらも正しく、どちらも間違いである。ボブ・ディランの『時代は変わる』の歌詞に示されているように、時間の流れによって物事は変えられて行く。マッカーサーが我々にかけた催眠術は、「日本が独立を自らの手で守ろうなどは余計なこと。お前の国のほどほどの幸せはアメリカが保障してやる」であった。

アメリカげの他者信頼と他者依存を理想とする精神から、「この国」の歴史を見てしまうから、戦後の日本では、「自力」と「独立」と「生存」を維持しようとした戦前の、「わが国」の歴史は野蛮なものだとなってしまう。実は日本が明治開国後に、国際社会において主張し続けたのは、「人種平等」であった。しかも、白人優位主義に対して決して諦めることはなかった。

先の戦争はその口火を切り、大きな災いとしてのは日本人であるということ。白人の時代を終わらせたのは、日本人単独の力であったということ。その意味で人種平等の戦いは20世紀最大の事件である。白人絶対時代は、有色人種の誰かが立ち上がって、「実力」で打ち破る以外になく、白人側から譲歩するなどあり得ない。考えてみるがいい。西洋列強の有色人種支配を…

ポルトガルによるティモール島支配を挙げてみる。彼らは原住民には文字すら教えず、農耕用鉄製品の所有さえ制限した。反乱の武器に転用されるからである。さらには白人絶対の教育を徹底した。白人は日常生活でも絶対的威厳を持って上に立ち、平等意識の芽を摘んだ。反抗する住民は処罰し投獄した。オランダ人、フランス人、イギリス人、みな同じことだった。

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植民地では使用人に何かを与えるとき、手渡すことはなく床に投げ捨てて拾わせた。日本人はそうした様を見、危機感を覚え、大いに発奮したのである。インドネシアの例もある。日本にとってインドネシアはもとは敵国ではなく、インドネシアはオランダの支配下にあったが、オランダ軍と日本軍の戦いの犠牲となって、多くの住民が被害を受けたのである。

このまま日本軍が引き揚げれば再びオランダの植民地になるのは明らかで、それを見捨てて帰国するわけにはいかないと立ち上がった日本兵が千人ほどいたという。千人のうち7百人がインドネシア独立戦争に参加し、戦死したといわれている。乙戸昇はその生き残りだった。彼は早稲田大学専門部出身で、1943年に近衛兵三連隊に入隊ジャワ南方軍予備士官学校卒の少尉である。

本来なら日本の敗戦と同時に復員すべきであったが、日本が戦時中、「戦争に勝ったら必ず独立に協力するから」と義勇軍の士気を鼓舞してのであった。日本は負けたが独立を目指して戦う義勇軍を見捨てることができず、現地に残って独立戦争を共に戦った。そうい義に殉じた日本人もいたということだ。先の話の続きだが、大東亜戦争はその根底において義戦である。

「白人帝国主義諸列強のアジア侵略に対する予防的先制」であった。後年、マッカーサーもそのように捉えていた通り、大東亜戦争の根底には日本国家としての、「自存自衛」の契機がはたらいていた。そのことを真っ向否定したのが、「東京裁判」という名の、「みせしめ政治的儀式」であった。多くの場合において、歴史は正しく変わっていくものだ。

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真実とは違う方向に変わっていくなら、それは歴史とはいわない。中国や韓国があの戦争を全面肯定せよ、謝罪を続行せよ、靖国参拝を停止せよとしつこく要求することに屈することなく、日本国家は自らの「歴史認識」を明らかにするほかなかろう。経済界の一部の反日分子が、「経済のことを考えて中韓の要求に従うべし」という亡国意見などに怯むこともなかろう。

日米同盟などは虚名の代物である。いつまでもすがり切っていては、「主権国家」の称号は得られない。実践的にかかわるしかないものとしての状況は、常にナショナリズム的性格を持っている。今の日本も今後の日本も、歴史的実体としての自国慣習に執着する体制は、親米的であるのが当然のごとくであるが、この体制は未来永劫に続く。といってもあと数十年の命の自分。

日本は唯一の被爆国だが、原爆の語り部たちも随分少なくなった。被爆の年に10歳だった少年は現在82歳と男子の平均寿命を超えている。核戦争の脅威とは、核を使用された側が、「ごめんなさい、降参します」という時代ではなくなっている。落とされた側が落とした側に核を落とし、また落とされた側が核を落とす。これまで朝鮮戦争やキューバ危機という核の脅威はあった。

人類が最終兵器を使わないのは、使えないものだからである。あれは持っているだけのもので、使ってはならないものである。核の脅威を理解し、原子力安全保障への包括的なアプローチを探ることは、努力をムダにしたり、焦点をぼかしたりはしない。むしろ、受け入れがたい未来が現実となるリスクを軽減する手段を排除しないよう注意することを意味している。

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8月14日に金正恩は、「アメリカの動向をしばらく見守る」と述べ、グアム沖への弾道ミサイル発射を一時見送る考えを示したが、これは中国が北朝鮮に発した警告にあるという見方が大勢と思いきや、地下核実験をしたことでその予想は外れた。8月10日、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」は社説として以下の警告を米朝両国に対して表明した。

 (1)北朝鮮に対する警告:もし北朝鮮がアメリカ領を先制攻撃し、アメリカが報復として北朝鮮を武力攻撃した場合、中国は中立を保つ。(筆者注:中朝軍事同盟は無視する。)

(2)アメリカに対する警告:もしアメリカが米韓同盟の下、北朝鮮を先制攻撃すれば、中国は絶対にそれを阻止する。中国は決してその結果描かれる「政治的版図」を座視しない。

(3)中国は朝鮮半島の核化には絶対に反対するが、しかし朝鮮半島で戦争が起きることにも同時に反対する。(米韓、朝)どちら側の武力的挑戦にも反対する。この立場において、中国はロシアとの協力を強化する。

(1)と(3)は、北朝鮮にとって存亡の危機に関わる脅威で、もし北朝鮮がグアムなどのアメリカ領を先制攻撃してアメリカから報復攻撃を受けた場合、中国は北朝鮮側に立たないとし、ロシアも中国と同じ立場を取ることを意味する。中国は北朝鮮が唯一軍事同盟を結んでいる国でその中国が、「中朝軍事同盟を無視する」と宣言したとなれば、北朝鮮は孤立無援となる。

北朝鮮の軍事力は、「核とミサイルと暴走」以外は脆弱なもの。韓国や日本にとっては大きな犠牲を招くだろうが、アメリカと一国で戦えば国が全滅する。したがって14日、グアム沖合攻撃は延期(実際上放棄)することを表明した。日本は、北朝鮮の軍事同盟国である中国が最後のカードを切ったことを認識していないと思っていたが、その矢先の地下核実験である。

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9月3日のNHK日曜討論で、「(8月14日に)北朝鮮がグアムへのミサイル発射を抑制したのはなぜだと思うか」という趣旨の質問に対して河野外務大臣は、(正確には記憶していないが)概ね、「おそらくアメリカが強く出たことを気にしたのではないか」という見方を示しただけで、「中国側が中朝軍事同盟を持ち出して北朝鮮を威嚇・牽制したから」という話は出なかった。 

トランプ大統領の私的な気まぐれツイートはともかく、マティス国防長官は、「軍事行動を排除しない」と述べている。 「排除しない」とか、「すべての選択肢はテーブルの上に載っている」と言いながら、結局、「犠牲があまりに大きすぎるから…」と言って実行を躊躇っては、北朝鮮を勇気づけるだけではないか。北朝鮮はとにかくアメリカ側に先制攻撃をかけさせたい。

それなら中国との軍事同盟も稼働する。中国が北の援軍として参入することになれば、まさに百人力で朝鮮戦争と同じ状況となる。あの時中国が国を挙げての、「抗米援朝」のキャンペーンは凄まじく、マッカーサーは中国への本土爆撃を含む、核使用をトルーマンに願い出たほどである。朝鮮戦争は休戦協定を結んでいるだけの日米朝韓中の戦争である。


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