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歩くことのいろいろ ②

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「人も歩けばタガメに当たる」というのも貴重な体験だ。最初はセミかと思ったが、それにしてもタガメとは珍しい。日本最大の水性昆虫のタガメは昆虫の図鑑に、「水のギャング」と書いてあるのを知っていた。そのタガメが空中を舞い、飛ぶだけならいいが、人間に激突するというのは珍しい。「どこ見て飛んでやがるんだ、こら!」と注意をしたくもなる。

珍しいことと思いつつも、同じような被害者がいるかと検索すると、いたいた、やはりいるんだ、日本は狭いようだが広い。自分と同じタガメと激突被害者がいたのにビックリする。ま、貴重な経験ということで許そう。ところで国民に、「ウォーキング」を奨励されるようになったのはいつ頃か?メタボリック・シンドロームや肥満指数が国家的課題になった以降か…。

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巷には物があふれ、品種改良や温室栽培などがなされ、季節野菜という垣根が払われて年中スーパーの店頭に並んでいる。さらに文明の進歩は、自動車やバイクや自転車が人から歩くことを奪ってしまった。最近は中高生までがモーター付き自転車に乗り、坂を立ち漕ぎすることもなくすいすい登っていたりするが、人間がいかに労力を使わないで済むかが競われている。

生活が便利になるにつれ、人間の基礎体力はどんどん衰えていく。便利を横着と考える人はむしろ少ないようだが、先日歯科医院で衛生士がこんなことを言っていた。「近所のスーパーは歩いても5分くらいなのに、クルマで行くのが当たり前になっていて、駐車するのも絶対に入口に近いところに止めますよ」。当たり前の発想かもしれぬが、「そこまでする?」と自分は驚いた。

功利主義というのも人間の知恵である。だから入口に近いところが便利に違いない。こう考えるとやはり、「便利」は、「横着」の賜物と、自分には思えてしまう。それが悪いといわないが、無意識に歩く事を少なくしようとすると、知らず知らずの内に身体もなまり、体力が落ちて行く。宇宙飛行士は数日の無重力体験で、地上で立てないほどに脚の筋肉が衰えるという。

人間は、「歩く」という原始的な基本動作をますます避けるようになってきた。寒ければ寒いで、暑ければ暑いと体を動かさない。日常的に体をあまり動かさない人は運動不足になり、それが蓄積されれば、骨も弱くなり筋肉もスカスカになってしまう。畑で野良仕事を欠かさない高齢者が元気であるように、「歩行」という無意識の筋トレは意識がないと便利に逃げてしまう。

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人が年を取っても健康維持するには、脳と動脈と筋肉をどう若返らせるかがキーポイントであり、それに大きな役割を果たすのが有酸素運動と筋トレである。「若返らせる」というのは大変だから、老化の促進を遮断するだけで、十分に若返り効果は望めよう。「老化の促進を遮断」を別の言い方で現状維持といい、これが立派な若返りと、プラス思考で考える。

60歳が55歳、50歳に若返ろうではなく、黙っていても年に一つ年を取るわけだから、60歳が62歳、65歳になっても60歳の肉体のままということになる。不死は予防できないが、不老は逃亡で可能となる。女性は顔のしわばかり気にするが、血管や細胞を健康に保てば、シワも予防できるのでは?コラーゲンを飲むというのが、まったく効果がないと立証されている。

さらには、膝関節予防にとうたわれる、グルコサミンやコンドロイチンのサプリもまったく効果がないのが分かっている。マイナスイオン効果に始まった一連の健康ブームは、還元水、水素水から始まり、今や数多のサプリメントブームを生んだが、多くのサプリにも効果がないのが立証され始めている。すべては、手軽に効果をという人間の横着姿勢が基本にある。

さまざまな効用をうたった多くのサプリメントにあって、高齢者保護のためにとやり玉に上がったのが、現在最も売れているといわれるグルコサミンとコンドロイチン配合サプリであろう。階段の昇り降りの際に膝がズキッと痛む。そんな変形性膝関節症を抱える中高年を対象に、「関節痛を和らげる」、「擦り減った軟骨が再生する」と喧伝され、支持されている。

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ところが医師の見解は、「グルコサミン、コンドロイチンが軟骨の成分なのは事実ですが、サプリメントとして経口摂取しても軟骨は再生しません。グルコサミンやコンドロイチンは、糖やアミノ酸からできて体内に入ると分解されるが、再びグルコサミンやコンドロイチンに再合成され、膝の軟骨になることはない。これは髪の毛の成分を飲んでも髪が生えないのと同じ事です。」

軟骨の成分を飲んだからといって軟骨は再生されない。こうした医学的根拠のない当たり前の事実が、似非科学として猛威を振るっている。口に入れたサプリの成分が届いて欲しい部位に届くのか?という疑問をよそに、サプリは効果を論理的に述べているに過ぎない。血管が成分を運ぶが、膝などの軟骨部分には血管が少なく、果たしてそこに成分が届くのは疑わしい。

2010年9月には、英国医師会誌『BMJ』に、「グルコサミン、コンドロイチンが関節や股関節の痛みに効くという明確な結果は得られなかった」という研究報告が掲載された。世界的権威のある医学総合誌『ニューイングランド・ジャーナル』でも、コンドロイチン単体、グルコサミン単体などを6ヵ月間投与したが、「はっきりとした差は出なかった」との報告が発表された。

本当にその症状に効くというデータが実証されれば、医薬品として承認されるはずだが、グルコサミンやコンドロイチンのサプリにそんな気配はまったくない。サプリは健康食品と考える人がどのくらいいるのか?同時に健康食品の定義を理解することも重要だ。特に高価なサプリは家計に影響するだろう。サプリについては後日記すとして、体を動かす効用について書く。

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人が日々老化をたどるということであるなら、健康管理の基本は、現状維持を目指すことではないか。日本人の高齢者が寝たきりになる原因は、認知症、脳卒中、転倒・骨折の3つが大きな比率を占めている。認知症にかかわるのが脳、脳卒中には動脈硬化、筋肉が衰えれば転倒したりで骨折の恐れも高まる。これらの改善が寝たきり予防にも役立つことになろう。

誰でも寝たきりは嫌だろうし、街中で出くわすよぼよぼ爺さんの歩きをみていると、自分もあんなになるのだろうか?できることならなりたくないと思いながら眺めている。よぼよぼ歩きという言い方をするが、明らかに歩行障害である。原因はいうまでもない、筋肉の衰えであったり、膝や腰の関節の異常であったり、血行障害を起こしていたり、などなど…。

足腰が弱るのは老化現象だからしかたがないと、普通なら考えがちだが、早い時期からそんな風にはなりたくないと意識をもち、意識だけではなく筋肉が衰えないような行動(運動)をすれば、違ってくるのは間違いない。筋力の衰えは、「老化だ」と決めつけるのがよくない。それでなくとも高齢者は歩きたがらなくなるわけだから、それすら打破して体を動かすことだ。

人間は歩かなくなるとどうなるか?歩けなくなる。寝たきり老人の足は細々であるが、これは栄養状態が悪いのではなく、筋肉は使わないとどんどん落ちて役目を果たさなくなる。定年を迎えたあたりから、家にくすぶってないで、はつらつ爺さんを目標に心機一転頑張るのもよいことだ。男の真ん中の足も筋肉だから、使わなければ細るというが、そちらはお役目返上でいい。

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大事なのは左右の二本足である。ただし、足腰だけ鍛えようとも、心肺機能が弱ったままでは運動が継続できないし、億劫になるので、心肺も並行して鍛えることが必要だ。それらからウォーキングの効果を増すために、坂と階段のあるルートに変更した。ただ歩くだけよりも心肺機能をあげるためには、楽に歩いていたのでは相応の効果がないということのようだ。

以前は割と平坦路を歩いていたが、最近は20000歩前後のコースでも、坂・坂・坂である。これは嫌が応でも心肺機能が鍛えられる。途中二か所に階段がある。最初の階段は68段と毛の生えたようなもので難なく登るが、坂を上り切った中間点の階段は238段。これを途中で止まらずに登ると息も切れ切れだが、最近は回復力も早まった。心肺機能が鍛えられているのだろう。

238段というと自宅マンションの1階~2階が16段なので、14階を上ることになる。坂・坂・坂に階段となると、通常のウォーキングでは使わない筋肉を使う。目指すは238段を一気に駆け足で登ることだが、現在は駆け足だと100段で息切れ、おまけに休息がいる。徒歩だとノンストップで上がれるが、そのうち駆け足で行けるだろう。ささやかだがそうした目標も楽しみとなる。

筋肉トレーニングは、これといってやってないが、10リットルのポリ容器に水を入れた重さ12kgを直立不動で胸まで上げる。これを左右で30回づつ。それとプランクという自重トーニング3分を1日に3回くらい時間を空けて行う。これだけで腕立てとか他のことは一切やらない。インナーマッスルを鍛えるプランクだが、腹筋や背中の多裂筋などの部位にも効果がある。

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