甘酒はかつては暑い夏を乗りきるための栄養ドリンクとして庶民に親しまれるポピュラーな飲み物だったため、俳句において甘酒は夏の季語として使われている。昨今、大ブームの甘酒には言わずと知れた『麹(こうじ)』が入っている。麹とは、蒸したお米や麦に麹菌を付着させ、ある条件下で培養させたもので、麹菌はアスペルギルスというカビに属す。
アスペルギルス属のカビは、強力なカビ毒を出すものが多いが、なぜか麹菌は毒をつくるDNAが欠落しているために、同じアスペルギルス属でもカビ毒を作り出すことがなく、「日本の奇跡」と言われている。なるほど!麹菌は身体にもよい特別な存在のようだ。つまり麹菌は、"日本の国菌"と認定される貴重なカビであり、日本人はその恩恵に預かっている。
麹の歴史は古く、化学調味料や合成保存料などなかった時代、先人たちがさまざまなカビの中から、麹菌(コウジカビ)を見つけ出し、麹を旨味のモトや天然の保存料として、味噌、醤油、漬け物、日本酒、焼酎など、日本独自の発酵食品を日々の生活に上手に取り入れてきた。我々が今日美味しい日本酒やお味噌汁を飲めるのも、麹菌を見つけてくれた先人のお陰である。
麴には良質の酵素がたっぷり入っており、中でも三大消化酵素といわれる、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼをはじめ30種類を超える酵素が豊富に含まれている。甘味の元となるアミラーゼは、でんぷん質を消化し糖に分解、プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解して旨味の元となる。リパーゼは脂肪を分解する。よって三大消化酵素と言われている。
食事から様々な栄養素を摂ったところで、体内の酵素が不足しているとうまく分解(消化)できないために栄養素を効率良く吸収できない。さらに年齢とともに体内の酵素量は減少していく。また、消化・吸収には各種ビタミンも重要で、麹のパワーは、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、イノシトール、ビオチンなどを作り出すことができる。
誰が言い始めたのか、麹を「飲む点滴」と言われるゆえんである。いつ頃か、スーパーの店頭に甘酒が並ぶようになった。最初はあまり意識はしていなかったが、いつの間にやら各社がこぞって瓶入りの高級甘酒を販売し始めた。どうやらテレビで甘酒パワーが紹介されたようだ。テレビで何かを特集すると、そのある物が品切れになるという現象は毎度のこと。
これまでにいろいろなものが出ては消えたが、「ある物」が何であったかすら記憶にない。今回の甘酒はかれこれ2年くらいになりはしないか?最初は300円程度の1リットル入りの紙パック商品であったが、今は高級瓶入りで1000円を超すものも出回っている。自分は甘酒を冬によく飲むが、冷やして飲むという発想はまるでなかった。そこでどんなものかを試してみた。
冷やで飲む甘酒ってなかなかいけるではないか。といっても、甘酒は甘酒の味がするだけだが。子どものころから寒い日には子供会などの行事のあとに、生姜入りの甘酒の炊き出しがあり、ふーふーしながら飲んだものだ。元来甘酒は体を温めるものだと思っていたが、時代は変わったものよ。今回の甘酒ブームの背景には、美容とダイエット効果によるものだという。
それに加えて健康効果もあるという。健康効果としては、①血圧の上昇を抑える、②免疫力をアップさせる。先の美容効果には、①保湿効果、②美白効果、さらには美容法として甘酒パックやスキンケアアイテムとして使うという。さらにはダイエット効果の理由として、①満腹感の促進効果、②新陳代謝の促進効果などがあり、これだけあればそりゃ売れるだろう。
お酒を飲まない自分は、奈良漬けでも酔うほどにアルコールに弱く、酒粕の甘酒は子ども時代から好きでなかったし、大人になった今も麹の甘酒しか飲まない。朝食時に以前はオレンジジュースを飲んでいたが、数日前から甘酒にした。自分の朝は、リンゴ1個、キウィ1個、ミニトマト数個という食事であり、ときどき、バナナ1本を加えることもあるが、これで満腹だ。
菓子類は食べないが、おやつには冷凍えだ豆、ゆで卵、豆腐、アーモンド、クルミなどが常食か。ナッツ類は敵粒を毎日とっている。要するにたんぱく質重視で、筋肉を落とさないよう気を付けている。体重は71kg~73kgで、体脂肪率は現在21%程度だが、できたら体重を65kg、体脂肪率を15~17%台にできたらと思っている。ウエストは78cmだが、70cmにできないかと…。
10代の頃のウエストは常時68cmを維持していた。水泳をやっていたので腹筋もボコボコだった。いつの日か、ボコボコになってやろうと、無理をしない程度に臨んではいるが、運動しても落ちないのは基礎代謝量が減っているからだろう。が、秘かに、「今にみておれ」という気持ちは持っている。肉体美に数十万円を投資するのは、それもお金の使い道だ。
他人の金の使い道に批判はないが、そうはいっても、自己管理ができないままに強制的に痩身体を作っても、すぐに元に戻るのではないか?ライザップのCMを見て思うのは、金はあってもダイエットに関する知識が無い、自己管理ができないので自分1人だとモチベーションが保てない、そんな人が人を頼って痩せようとしているという風にしか思えない。
摂る量を少なく、出す量を多くすればいい、という簡単な図式と思うが、それが出来ないからお金を払って人に強制を願い出るのだろうが、無理を強いて強制的に痩せているわけだから、一たび強制力を解かれ、元の生活に戻ったとしたら、体は元に戻ると思うがどうだろう?自己管理をキチンとできればいいが、自己管理できないから他者管理に依存するのでは?
ライザップでCMで一躍注目を浴びたのが赤井英和だ。かつてのボクサー時代に戻ったような肉体美には自分も驚いたし、結構驚いた人は多いのではないか?ライザップにある赤井のデータを見ると、体重は77.1キロから70.1キロまで減少し、これは38年前の高校生時代と同じという。ウエストは100センチから84.5センチ、体脂肪率は20.8%から13.2%となっている。これはもう目覚ましい変化というよりないが、いかにハードな筋トレに食事制限があったか想像がつく。
元SMAPの香取慎吾もライザップCMで肉体美を披露した。彼は1日5000kcalを摂取する大食漢であったというが、これまで自己流ダイエットをしてはリバウンドの繰り返しだったという。要するに今までより半分くらいに食事におけるカロリー摂取を減らし、筋力をつけることで基礎代謝を多くし、トレーニングやジョギングで脂肪を燃やし、カロリー消費をすればそれをダイエットというが、とかく人間は摂るカロリーが多い。
専門家の指導と管理と強制の元に美しい肉体を作るが、他者からの強制や管理が終われば後は自己管理が待っている。これを継続ディなければ元に戻るのは当然だ。何事においても大事なことは、依存ではなく意志であろう。「学ぶより好む。好むはまた愉しむに及ばず」という慣用句があるが、「自分のことは自分で」という標語が我々の子ども時代にあった。
近年は皆がリッチになり、外注教育や金銭教育が当たり前になっている。自分は何かをやろうとする前、習う前にこれを自分はできないのか?と考える習慣がついている。人も自分も人間なら、人にできて自分ができないハズがないと思うからだ。また、自分ができることを何故に他人に委ねるのか?これも合理主義的思考である。日本にもDIYの考えが浸透したのはいいことだ。
子どもの頃、ケペル先生の教えは、「何でも考え、カンでも知って、何でもカンでもやってみよう」であった。それこそが、「学ぶより好む。好むは愉しむに及ばず」と自分には思える。結局はその時々の感慨が、その人間に与えられる教育である。分かりやすくいうなら、覚えていることのみが教育である。ケペル先生は人形であるが自分の師かも知れない。
それにしても甘酒までもがダイエットとは驚きである。昔ダイエットで甘酒を飲む者はいなかったろう。自分は酒がダメなので甘酒は好きだったが、冬に温めて飲むものという先入観があり、冷やして飲むなどの発想はなかったが、飲んでみると意外や美味しい。ジュース断ちをして当分のあいだ、甘酒を飲むことにする。ダイエット効果はあまり信じていない。
中高時代に鍛えた腿とふくらはぎの筋肉量はアスリート並みで、脚力の自信はあるが、高校時代のように腹筋を割ってみたい。そのために始めたばかりのプランクを1回2分。1日3回くらいはやっている。これはインナーマッスル(大腰筋)を鍛える効果があるという。大腰筋が弱くなると骨盤が歪み、悪い座り方、歩き方、運動不足・老化が促進する。腰痛や肩こりの原因にもなる。
上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉なので侮れないが、30代から減少し始め、老化に伴う衰えが大きい筋肉。加齢で腰がまがったおばあちゃんは目にするが、骨粗しょう症の他にも筋肉の低下が原因である。予防はできるので、女性は背筋や大腰筋のケアした方がよい。大腰筋は腰の奥深い位置にあるので、鍛えるのが難しいが、プランクを1日30秒継続すればO.K!