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Channel: 死ぬまで生きよう!
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価値についての考察 ②

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いつの時代にも離婚はある。運命論者に言わせれば、それも生まれながらに決まっていたことになる。人間はどうあがいても、いかに努力しても、運命に逆らうことはできない。運命論者の考えはそれでいいとし、そういうものだとする。苦しくて辛い努力の積み重ねで手にした五輪のメダリストや、スポーツ競技の選手たちに頭が下がる。彼らはなるべくしてなった?

すべては運命の導くところであったなどと、言ってしまえる人間の無責任さに腹が立つ。「彼らは自らで運命を切り開いた」と称えたい。なにより彼ら自身が、「運命論」に否定的だろう。口には出さずとも、「よくも運命などと簡単にいえるよ」と思っているだろう。「すべては生まれながらに決まっている」と、したり顔でいう奴とは話をする気になれなかった。

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これも価値観の違いということなら腹を立てることもないが、「若さ」がそれを許容できなかった。昨今の離婚は、歯医者で虫歯を抜く程度の決断でなされているようだが、昔は離婚は大変だった。本人同士の問題という以上に、媒酌人を始め多くの周囲に迷惑がかかるものだった。親兄弟が寄って集って、「子どもを片親にするのか!」などと苦言を強いられる。

「無責任」と罵られることもあった。それでも、最終的にはやっていけないと本人が判断するしかない。どうしても顔向けできない人は、「失踪」という手段を取った。「何で失踪?」などと、他人のことは不思議というしかないが、当人には言葉にできない苦しさがあったのだろう。知人の弁護士が失踪して3年になる。人間的にも何ら問題の無い奴だった。

「魔がさした」という言葉が相応しく、それ以外に適当な言葉が見当たらない。妻子を残して忽然と消したのはエリートの脆弱さである。彼は2000年5月に発生した、「西鉄バスジャック事件」の17歳少年の主幹弁護人となるも、「刑事処分が相当」と広島地検が佐賀地裁に送検後にアスペルガー症候群と鑑定され、弁護士の手から離れて京都医療少年院に送致となる。

着の身着のままで失踪した中丸の足取りは、樹海なのか紺碧の海に消えたのか…。妻子の心配はともかく、孝行息子を絵に描いたような彼をもっとも心配するのは、誰より母である。「なぜ、あのような事件を?」の類は多いが、起きてしまったいかなる事件も動機は単純である。我々が複雑に考えるだけで、人間を愚かであるとするなら一切の犯罪の説明はつく。

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犯罪も価値が起こすが、離婚も価値の相違で起こる。価値観が多様化などは改めていう言葉ではなくなったが、昨今の離婚の変節というのは意外なことで別れる夫婦が多いという。いつの時代も離婚原因として多いのは、浮気などの異性関係、嫁と姑に代表される両親との同居トラブルだが、そうしたものよりも多いのが、昨今の離婚事情で、ランキングは以下の通り。

1. 性格の不一致
2. 浮気
3. DV、暴力をふるう
4. 精神的な暴力、モラハラ
5. 子供への愛情が感じられない
6. 相手の実家や親族との折り合いが悪い
7. 家庭をかえりみない
8. 生活費を渡さない
9. 浪費癖
10. 親との同居に応じてくれない

「性格の不一致」というのは漠然としているが、考え方や価値観など多岐に及ぶ。性生活の問題は深刻だが、食べ物の好みやちょっとした習慣などは、どちらかが譲ることで離婚は避けられるが、性格の相違は共感できることが少なくなる。「合わない」と感じながら夫婦を続けていくことは、昔は当然であっても、昨今は困難と考える夫婦は多いようだ。

「喧嘩もない。言い合いも一度もない」というと誰もが、「出来た奥さんだよ」という。できた亭主とは言われない。確かにできた亭主ではないし、出来た妻であると自分も思う。理由は、彼女の中には男尊女卑の考えが浸透している。近所でゴミ出し夫を見ても嫌悪感を抱く女だ。まあ、男尊女卑といっても、「尊」に値する少しばかりの何かが彼女にとっては見えるのか?

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それも面映いが、我慢をしたことはあるだろうし、姑との軋轢を眺めていても、我慢強い女だと感じる。「キレる」、「怒る」はみたことがないが、彼女なりの怒りの鎮め方があるのだろう。「嫁がせた以上は、二度と実家の敷居はまたがせない」という言葉は、父親の常套句というか、それも愛情の表現であったと思う。それだけ世間は離婚に対して冷ややかであった。

「浮気は夫の甲斐性」というのもまかり通った時代であったが、「浮気は夫の甲斐性は解消」の昨今である。妻の浮気は相手ともども斬り捨てが容認されていた時代もあったが、今では妻の浮気を認める夫もいる。容認なのか放任なのか、男のプライドもあるからして放任であろう。何かおかしいが、知らないでいること、知らないふりをする方がいいという。

映画『うなぎ』では貞淑な良妻であったが、妻の浮気を訴える隣の老婦の手紙が夫宛てに会社に届く。夜釣りを切り上げ、実情を確かめに帰宅する夫の前に、あられもない妻の醜態であった。夫はすぐさま台所の包丁を手にするが、夫の衝動的行為は良妻の反動であったと解釈した。危機感ほどでもないが、澱んだ空気が流れている夫婦なら冷静であったかも…。

貞淑な妻への反動…。よもや予期せぬことに人は驚愕するが、男にはできない芸当である。男はあれほどに自身の感情を取り繕うことはできないし、その意味において男は幼児的、女はしたたかである。女は自らの嘘を真実にすることができるが、男は理性がそれを遮る。そのような思い込みは良心の呵責に耐えられない。だから、男の浮気はすぐにばれる。

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セックスの後に何事もなかったように振る舞う女がいた。あまりの落差に思わず聞かないではいられなかった。自分もまだ幼稚だったのだろう。「さっきまであんなふうで、終わったら別人なんか?」の問いに、「さあ、何かしたっけ?」と、これには驚いた。言葉の綾であるにしろ、それはそれ、今は今という切り替えが、男から見て尋常ではない。学習したということだ。

意図をもって書かないとあまりに自由になる。自分に自由になるというのは、体裁を捨てる事でもある。腹の中、頭の中を吐き出すことで得れるものは何もないが、功利主義への抗いともいえる。確かに功利主義は、伝統的な幸福説の一つであろう。が、功利主義から自由を導き出すことはできない。なぜなら、「自由」を「効用」で測ることはできないからだ。

もし、「自由」を「効用」で測ることができるとするなら、自由人と奴隷の差別をした方が、効用(幸福)の総量が増大するであろう。それは、自分以下のの者、下賤な者を見下すことになる。それによって得れる満足感や幸福なに興じる気はさらさらない。人は幸福を求めるものだが、幸福は人により、時により、状況によって変わる。すべては価値のなせるワザである。

幸福の価値をどこに置くかによって人の価値も決まる。他人の批判は自己を成長させるものでなければならない。よって、他者の批判は自己の批判であるべきだ。批判を「邪」とする人はそういう観点にたっていない、いわゆる偽善者である。人を笑う人がいる。「よくあんなことをやるよな?」そういう笑いは、単に人を見下した笑いである。そういう批判は愚かである。

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誰も自分を笑われることなく、人を笑える人がいようか?人のことはあれこれ言う。無駄なことをやっているなどと言う。が、自分がどれほど愚かで無駄なことをしているか、愚痴と不満ばかりで生きているか?まあ、そういうことも自分は本人に向かって言わない。なぜなら、言って分かる人間なら、とっくに気づいているからで、愚痴と不満は不治の病と思っている。

「人のことを言う前に、自分はどうなんだ?」の言い方を得意にする人がいる。自分批判された時の自己防衛的常套句である。が、「ばーか!」といわれて、「お前の父ちゃんデーべーそ!」と、返すと同じ子どもの戯言である。人間は自分が分からなければ何も変わらない。よって、他人は暗示を与える言葉が勝る。押し付けは効果というより反発を助長する。

「親の意見となすびの花は千に一つのムダはない」という慣用句も風化した。家父長制時代の遺物であろう。親の意見はムダだらけであるのに、それをムダでないと思う親がオメデタイ。真に無駄のない意見をいうなら、子どもの性格や、現在、過去、未来についてのトータル的な状況判断がいる。思い付きで恣意的な言葉なら、誰でもいえるゴミのようなもの。

真に価値のあるものは、なかなか探せど見つからない。そもそも、真に価値のあるものを探そうということが間違っているからではないか?「これが真理である」というものに真理はない。さまざまな言葉の洪水のなかで、真に価値あるものに出くわすのは、自らがそれに価値を向けたときではないか?春のよさが何であるかは、冬になって初めてわかるように…

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至言はまた、耳に逆らってこそ至言足り得る。他人に自身の何かを批判されてカッとなり、冷静さを失うのは当然かと。それが直接であれ、間接であれ。がしかし、そこで冷静に思い直し、自身の成長に役立たせようとするなら価値となる。いかに立派な人の立派な言葉といえども、ただただ、聞いて感動するだけでは、少し程度のよいゴミと同じものだろう。


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