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読書時間ゼロ⇒大学生の5割

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全国大学生活協同組合連合会(東京)が行った調査でこんな実態が明らかになった。書籍購入費も減る一方、スマートフォンの利用時間は増えた。調査は学生の生活状況を調べるため、毎年行っており、全国の国公私立大学30校の学生1万155人が回答した。1日の読書時間が「ゼロ」と回答したのは49.1%で、現在の方法で調査を始めた2004年以降、最も高かった。

平均時間も24.4分(前年比4.4分減)で、04年以降で一番少なかった。1カ月の書籍購入費も減る傾向で、自宅生が1450円(同230円減)、下宿生が1590円(同130円減)で、いずれも過去最低だった。2014年の調査では40.5%だったが、2年を経て約10%近く上昇したことになる。数字の上昇は何を意味するか?本を読まなくなった大学生が当たり前に増えたということだ。

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その事が大学生の今後にどう影響するかは社会学の分析だが、本を沢山読む子どもと読まない子どもは単純に知識量の差を示すように、大学生にもその影響はあろう。ただし、どういう本を読むかについての詳細がなく、情報入手に関していうなら、ネットの情報が新しく優っている。したがって情報の量や知識については昔と同水準もしくはそれ以上かも知れない。

「本を読まない」ことにそれほど驚くことはないが、文学部の学生が小説を読まないのは今に始まったことでもないが、法学系の学生が法律書を読まず、医歯薬系の学生が専門書を読まないのはどうだろう。本を主体的に読み自分で物事を考えるという習慣を身に付ける必要のある学部生はいる。では、「なぜ本を読まない?」の前に、「なぜ本を読む?」を考えてみる。

単純にいえば、「欲求の充足」だ。本は読みたいから読み、読まないのは、「読みたい」充足がないのだろう。医学系の学生にたくさん本を読んでもらい、知識を吸収して欲しい理由は、社会において自分の欲求を充たすことが、そのまま他人を利することに大きく繋がることになる。「本を読みたい」、「知識を習得したい」という利己心は、利他的な結果に直結する。

専門学生には出来るだけ多くの知識を吸収し、能力を高めてもらいたいと誰もが思うことだ。こともあろうに、先般、千葉大医学部生による集団暴行事件は、学生が本を読まなくなったなどとは比較にならない呆れた事件である。彼らがそのまま医師になることなど誰も望まないが、彼らの顔写真や実名が伏せられた来た背景には胡散臭い事情があったようだ。

千葉大学医学部の山田兼輔、吉元将也、増田峰登が、藤坂悠司が企画した実習後の飲み会で女性を酩酊させて暴行に及んだという事件は、既に山田兼輔たちは逮捕されていたが、事件が報道されたのは11月22日である。逮捕されているにも関わらずに、実名報道が無いことに物議を醸しだしていた。それに対して千葉県警は報道機関に対し、下記の返答をしている。

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これに対してネットを中心に、「慶応ミスコン事件」の時と同じように騒がれ出したのは、犯人の親が大物だから千葉県警は事件を隠蔽しようとしているという見方だった。他にも在日だからだという推測も飛び出すなど、千葉県警が実名を公開しないことで憶測が飛び交っていた。ネット内での騒動に対して千葉県警は、『実名を公開する可能性がある。』と前言を撤回。

 
その後、日刊ゲンダイが実名を伏せた状態で事件を先行記事にし、それらの情報を元に山田兼輔の名前と親の華麗な経歴が露わになる。その結果、千葉県警は報道機関に実名を公開し、12月5日に報道された。あれだけ実名を公開する事を伏せようとしていた千葉県警は何故、実名公開に踏み切ったのか?日刊ゲンダイの取材力もあるが、ネットのパワー、影響も大きい。
 
本件について容疑者の親族・身内が地元の有力者であることへの配慮であるなら、国家権力の堕落である。警察や司法が信頼を失った国家は国家とは言えない。それほどに国家権力による真実の隠蔽は、民に大きなストレスとなる。ジャーナリズムは国家の嘘を暴き、社会正義を貫くことだが、今や日本のジャーナリズムは萎縮し、国家の番人になり下がっている。

ならば、「日刊ゲンダイ」のような小紙に託されるべく正義もある。千葉県警の実名公開判断に賞賛の声もあったが、そこに至る段階で隠蔽しようとした節があるのは消せない事実である。地元の名士であろうが、有力者であろうが、法の元には等しく平等であり、司法関係者はそれに乗っ取って対処すればいいことだが、有力者の方が頭を下げるのだろう。

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容疑者たちにあっては、その後において医師としての道を閉ざしたくないという親戚縁者の思いであろう。「親バカ子バカ」という言葉は、「バカな親からバカな子ができる」ともいえるが、「バカな子の親はさらなるバカ」という認識を抱く。つまり、「バカな子ほど可愛い」という親の欲目が、バカな子の親をより以上にバカにする。犯罪者は医師にすべきではない。

医師法第四条に以下の規定がある。次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。「3.罰金以上の刑に処せられた者」(一部省略)。「免許を与えないことがある」は、免許を与える場合もあるという事。速度違反で罰金刑になった医学生が、国家試験を受ける際に厚労省に嘆願書を提出し、免許取得の許可を貰うのはよくある話らしい。

「罰金刑はダメ」としながら、許可を出すのか出さないのかもどこかキナ臭いが、許可が下りなければ、免許を取得は不可能だ。また、弁護士においても弁護士法第七条には、次に掲げる者は、第四条、第五条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。「1.禁錮以上の刑に処せられた者」(一部省略)。司法修習にも同等の欠格事由がある。

となっているが、自分についた弁護士があまりにも無能すぎて、自分が弁護士になるしかないと一念発起して弁護士になった元犯罪者もいた。大阪弁護士会所属の大平光代弁護士は、いじめ~割腹自殺未遂騒動を経て、14歳にして暴走族に入る。さらには暴力団の世界に入り、組の人間に認めてもらいたい思いから、16歳で“観音様に蛇”の刺青を入れる。

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その年に組長と結婚し、その後離婚する。21歳の時に組を離れて大阪・北新地のクラブホステスとして働き始めるも、父親の友人大平浩三郎と再会。後に光代の養父となる浩三郎の強い勧めで立ち直る決意、近畿大学法学部通信教育課程に入学後、同大3年の29歳で司法試験に合格した。2000年、波乱の半生を描いた自伝『だから、あなたも生きぬいて』(講談社)を公表する。

人にもよろうが、自分は弁護士免許と犯罪歴は関係ないように思う。ただし、前科や犯罪歴のある司法試験合格者は、検察官や裁判官には絶対になれない。中学1年時の担任Kは、「本を読みなさい」としつこく生徒に言っていたが、自分に本の魔力を教えてくれたのは秀才のYだった。彼が当時松本清張を読んでいることに驚き、それに負けたくないと追従した。

担任Kは、「本を読んで偉くなれ」といかにも教師らしい能弁を吐いたが、昔は教師といえばKの如き命令口調が普通だった。もちろん、昔の学校そのものが封建的であった。歴史に出てくる、「封建制度」を機に、「封建的」について考えたことがある。学校で学問として教えない、「封建的」、「封建性」というのは、人間の差別観に立つ尊大な、あるいは卑屈な態度や行動をいう。

人間の差別観とは言うまでもなく、男尊女卑、身分の高低、人種による有能感など、性別・身分・人種の違いから前もって価値を決定しているばかりか、必要以上に威張り、また反対に必要以上に自分を卑しめる態度や行動である。日本の封建制度は、「士・農・工・商」に代表される身分制度にあった。武士の子は武士、百姓の子は百姓としての人生を全うする。

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武士は刀を持ち、暴力を背景に人々を支配し、物を生産することもせず、農民の勤労をしぼり取る。商人に対しては、金の働きが自分たちの特権を奪うことを心中で怖れ、表向きに商人を批判していた。現代においても、「親は封建的、教師は封建的」と思われ、言われるのだろうか。中3の孫を見ていると、自分たちの中3とは別世界に生きているように感じる。

スマホを駆使し、コミュニケーションをとり合う。こんな時代背景で、本の魅力などは当然ながら陰る。本には文字しか書いてない。したがって本を読まぬ人は、文字の奥に広がる想像の世界観とは無縁である。漫画も本だが、あれは噛み砕いて平易にしてあり、あまり脳に汗をかかない。高価なゲーム機に部活で使用するシューズとてプロと同等の数万円という値段。

すべてに満たされた今の子どもを羨ましいとは思わない。物質的なこと、金銭的なことを優先して考えるさまを即物的な生き方といい、また、主観を排して実際の事物に即して考えたり、行ったりするさまを、即物的な表現というが、「即物」とは、「見えない物には価値がない」という考え方にある。我々の世代観でいう男の価値は、「信・義」、女の価値は、「気立て」である。

大学生の読書時間の少なさに懸念はあるが、スマホ全盛時代にあって、当ブログもそうであるように、ネット内に思考材料は事欠かない。よって、「本を読まない=知的水準が下がる」というのは早計であろう。印刷・製本の時間ロスを考えるなら、ネットのリアルタイム情報は、本よりはホットである。本を読まぬ学生50%より、全体が即物的思考の流れに憂慮する。

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