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Channel: 死ぬまで生きよう!
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スポーツ三昧にて候

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テレビはニュースとスポーツしか観ないという声は多く聞く。最近はニュースさえもたま~に観るくらいだ。となると自分のメインはスポーツしかない。贔屓のチーム、贔屓の選手に一喜一憂するというより、スポーツそのものを楽しんでいる。醍醐味は勝利に喜ぶ選手を見て共感することだ。勝利の瞬間に、「ああこの人たちは今、幸せの絶頂なんだ」というのが伝わってくる。

22日の日曜日は、まさにスポーツ三昧であった。早朝からPGA男子ゴルフ、午後には広島男子駅伝、テニスの全豪オープン、全日本卓球、夕方に大相撲の千秋楽、それに毎週欠かさない将棋のNHK杯トーナメント、時間的にダブった場合はいずれかを録画して後で観る。ゴルフはやらないから国内トーナメントは観ないが、PGAは主に松山英樹のプレーを応援がてらに観る。

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テニスも錦織を応援するためだけに観戦する。ゴルフ、テニスが特別好きなわけではない。卓球も今回は平野美宇と石川佳純の決勝を予想していたがその通りになり、放送時間を待ちきれない気持ちでいた。卓球の平野といえば、平野早矢香が長い事女子卓球界を牽引してきた。彼女の実績は素晴らしく、全日本シングルスで5度栄冠に輝いた他、世界卓球、五輪でも銅メダルに輝いた。

彼女の情熱はスゴイものだったが、あれよあれよという間に中学生で同じクラブチームの石川佳純が力をつける。平野と石川はダブルスを組んで三度優勝したが、平野はシングルスでは石川に勝てなくなり、2016年3月、現役引退を表明した。平野は同年4月9日に行われた日本リーグ・ビッグトーナメント佐賀大会に出場するも、初戦で敗れたことで、同日現役生活にピリオドを打つ。

平野から福原愛、さらに石川と続き、石川は年齢的にも若いこともあり、当分は彼女の天下と思っていた矢先、伊藤美誠、平野美宇という中学生が迫ってくる。平野と同学年の伊藤美誠は友人でライバルだが、ダブルスペアとして世界で名をあげた。わずかに伊藤が先行していたようで、彼女の攻撃的卓球の評価もあってか、伊藤がリオ五輪に選ばれ、平野は補欠選手として同行した。

辛酸を舐めた平野はそのことを糧に猛練習をしたのだろう、今回の全日本では石川を圧倒し、優勝する結果に繋がった。これには石川も茫然としたようで、競技終了後、「何が起こったのか分かりません」という言葉を吐くのがやっとで、時間をおいて我にかえり、「平野さんは150%の力がでていた…」とコメントした。卓球の鬼と呼ばれたのが早矢香なら、美宇は鬼神である。

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それくらいのプレーを平野は見せてくれた。平野vs石川の決勝戦第1ゲームの開始直後、平野は石川のサーブをフォアハンドの強打で打ち抜く。「先手を取ろうと思った」。普通なら無理に打ちに行かないサーブを狙われた石川は、この鮮やかな一撃で浮足立った。心の中は見えないが、かなり動揺があったハズ。平野の勢いは加速、得意のバックハンドの強打は両サイドに散らしていく。

平野はフォアのラリー戦において早い打点から鋭い球を連打。「こんな選手は中国人でもまれ」と、解説者をうならせる。彼女の持ち前の安定感に加え、一昨年から師事する中国出身のコーチと取り組んだ筋トレの成果が出たようだ。1、2ゲーム連取の平野は、女王石川にかつてないプレッシャーを与えた。第5ゲーム、平野は8―2のリードから大逆転を許し、これまでかと思った。

勝利を目前にしての6ポイント差を逆転されたショックは相当で、16歳の少女からすれば本来なら立ち直れず、ズルズルと行く予感もあった。が、平野の圧巻はその後のゲームに見て取れた。気持ちの切り替えができていたということだが、この敗戦をまったく引きずることなく攻めまくるのは見事であった。石川はレシーブの球を打つというより、返すのがやっとという感じ。

そして第6ゲーに至っては、石川の裏をかくラリーの組み立てで、立ち上がりから4連続得点して勝負を決めた。昨秋、中国スーパーリーグに武者修行して学んだ戦術の組み立て方が、大舞台で生きたという。彼女が成長したのは技術のレベルだけではない。こんな言葉ではにかんだ。「前は好感度を気にしていたけど、試合に勝つのがスポーツ選手。嫌われても良いんです」。

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かつて10代でこんな言葉を言った少女がいただろうか?それまでは、好感度を意識したカワイコちゃんでいようとした女の子らしい平野美宇であったが、それに決別した言葉である。平野早矢香が「鬼」なら、平野美宇は「鬼神」という言葉が相応しい。これまで早矢香のプレーを見ては感嘆していたが、美宇のスピードは早矢香を間違いなく超えている。

それくらいにスピード感が他の選手を圧倒する。石川の高速プレーも凄いが、その石川をきりきり舞いさせた平野美宇の優勝は当然の結果だ。終わった直後の第一声、「何が何だか分からない」と言わしめたほどに、気づいたら終わっていたという石川だった。優勝を決めた最後の一打を石川は天井に向けて高くはじいた。と、同時に平野は両手を挙げて飛び上がって喜んだ。

この時の石川は録画で見ても、あきらかに茫然自失で、ここに立っているのは一体誰?という表情に見えた。人の顔というのは、負けてこんな風になるのか?というほどに血の気の引いた表情で、ヨレヨレと立っていた。彼女がどれほどショックであったかが分ろうというもの。勝利インタビューを受けた平野は、嗚咽で上手く話せない状態だが、心の内は隠さなかった。

「リオに出れなくて、すごく悔しかったので…、今回は絶対に優勝したなと思っていた。本当に優勝できてうれしいです」。試合中の鬼神の顔が一転、あどけない少女に舞い戻っていた。平野は、最年少優勝記録を塗り変えたとのオマケもついていた。それにしても、卓球はなぜに10代選手が活躍の牙城となるのだろうか?多くのスポーツは、中学~高校と部活でとりあえず頑張る。

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そうして大学に入ってレベルをあげ、実業団(社会人)でさらに技術もメンタルも向上するという図式が成り立たないほどに、中学、高校の選手が社会人を脅かせている。反射神経や動体視力が15~16歳でピークということもなかろう。社会人は仕事もあり、中高校生の方が練習量が圧倒するのだろうか?かつては5連覇の星野美香(三井銀行)、6連覇の小山ちれ(池田銀行)らの名があがる。

平野が、「嫌われてもいい」と自己変革を遂げたのに対し、テニスの錦織が全豪オープンでフェデラーに惜敗したのは、「尊敬の念」が災いしたのだという。これは本人の言葉ではなく、松岡修三がそう書いていた。「フェデラーは普通なのに、圭が相手を強くしてしまっていた」と、松岡の目には映ったようだ。コーチのチャンも、「強い選手を崇めるな」と錦織に注意したことがある。

「それでは勝てない」、「だから勝てないんだ」と、ジョコビッチやナダル、マレーに敬意など評するなと言い含めたが、松岡によると錦織は未だそれから脱してないということか。錦織は善戦したが、フェデラーのサーブポイントの多さからして、錦織にはサービスエースという武器がない。誰が見ても今回の敗戦の理由の一つに上げられる。ヒンギス(スイス)も同じ見解を示す。

「男子テニスについて、私が言うのはおこがましいかもしれませんが」と前置きしながら、錦織について次のように語った。「ジョコビッチ(2位)やマリー(1位)が非常に安定している分、それに対する錦織には大きな武器が必要なんじゃないかと思います。バックハンドのダウンザラインは非常にいい武器だと思いますけど、毎回毎回それが通じるかというと厳しいでしょう。

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やはりサーブがキーポイントになるのではないでしょうか。(錦織が)トップレベルに行くものはあると思いますが、トップレベルに行けば行くほど、マリーやジョコビッチは、さらにワンランク上に行っていますので、それを打ち破る何かが必要だと感じます。錦織は非常にスピード感もあるし、他の選手よりショットが安定している分、あるレベルまではいけると思います。

が、ジョコビッチやマリーといったトップ選手を上回るには、サーブでもっとフリーポイントが取れなければ苦しく、そうした武器が間違いなく必要でしょう」。そういえば昨年のATPワールドツアーファイナルズでは、3時間20分の激闘の末に錦織を破った新王者マリーも、「自分のサーブで、いくつかフリーポイントを取れたのが、助けになった」と吐露していた。

今回のフェデラー戦も、マリー戦を彷彿させる3時間24分におよぶ5セットマッチとなった。が、錦織は勝てなかった。錦織圭を破った瞬間フェデラーは、まるで優勝したかのように、コーチ陣に向かって目を見開いて雄叫びを挙げながら、飛び上がって喜んだのには、視聴する我々も驚いたが、それだけ錦織とのグランドスラム初対決が簡単ではなかったことを象徴するシーンだった。

錦織のセカンドサーブのポイント獲得率は42%と振るわなかった一方、フェデラーのファーストサーブのポイント獲得率は80%と高く、さらにサービスエース24本、フォアハンドウィナー26本を含めて、トータルで83本に及ぶウィナーを錦織へ放った。故障明けの35歳フェデラーに、27歳の錦織が勝てなかった現実からして、何とも惜しく残念としか言えない試合だった。次回に期す。

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広島男子駅伝だが、地元広島県は26位の惨敗だった。長野は強いね。過去最多の7度の優勝を飾った。高校駅伝の超強豪である佐久長聖高校に負うところが大きい。広島にも名門世羅高校があるのだが…。大相撲は千秋楽は、14日目で優勝を決めた稀勢の里が白鵬を破るかだったが、見事に勝って横綱昇進に花を添えた。苦労の力士、不運の力士と言われた遅咲きの稀勢の里である。

石川遼のPGA50位は彼の力であろう。かつて、「ハニカミ王子」として松山英樹を凌ぐ人気があった。田中将大に対し、斎藤祐樹が、「ハンカチ王子」としてチヤホヤされた同じ時期だ。人気も大事だが、「男前」人気では屁のツッパリにもならない。ゴルフや野球は顔で上手くならない。石川も斎藤も、今はもう傍にも寄れないほどに差がついたが、顔の差は変わらず…


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