日本全国に町内会は約30万あると言われている。その町内会の加入率がどんどん下がる傾向にあり、20年前には7割近くあった加入率は今や20%にまで低下している。特に過疎の地方ではなく都市部において深刻化しているという。広島市のホームページには、町内会について以下の説明がなされている。
◎ 町内会・自治会とは?
町内会・自治会は、その設立から運営まで、地域住民自らの手で行われている自主・自立の団体であり、住民相互のふれあい、共同活動を通じて地域を快適で住みやすくするためのさまざまな活動を行っています。
・ 祭りや運動会などの行事の開催
・ 道路、公園などの清掃
・ 防災・防火・防犯活動、交通安全の推進活動
・ 青少年の非行防止・健全育成のための活動
・ 高齢者などの福祉増進のための活動 など
・ 道路、公園などの清掃
・ 防災・防火・防犯活動、交通安全の推進活動
・ 青少年の非行防止・健全育成のための活動
・ 高齢者などの福祉増進のための活動 など
◎ 町内会・自治会への加入は?
町内会・自治会は、地域の住みよい環境づくりをめざして住民が自主的に組織している団体であり、会への加入は個人の意思に基づきますが、加入することによって次のような利点があると考えられます。
・ 地域の親睦活動を通じて、温かい人間関係を醸成することができる
・ 個人では解決できない問題を地域全体の課題として取り組むことができる
・ 町内会だよりなどの回覧物で、町内の身近な状況を知ることができる
・ 町内会主催の運動会など身近なスポーツ・文化行事に参加しやすいなど
・ 個人では解決できない問題を地域全体の課題として取り組むことができる
・ 町内会だよりなどの回覧物で、町内の身近な状況を知ることができる
・ 町内会主催の運動会など身近なスポーツ・文化行事に参加しやすいなど
◎ 町内会・自治会活動への支援
広島市では、町内会・自治会の自主的な活動を側面から支援するため、次のような助成などを行っています。
・ 住民間の情報連絡のために掲示板を設置する際の屋外掲示板設置補助
・ 地域活動の場を提供する地区集会所の設置
・ 町内会自らが集会施設を整備する場合の集会施設整備費補助など
・ 地域活動の場を提供する地区集会所の設置
・ 町内会自らが集会施設を整備する場合の集会施設整備費補助など
初めて開き、初めて読む町内会についての説明だが、これはもう人によって必要、不要はあろう。「会への加入は個人の意思に基づく」と明記されているが、そうは問屋がおろさないのが町内会。子どもがいる家庭ならほぼ強制的に加入させられるPTAと同様、いや、それ以上の強制加入が実態であるという町内会は、一体、どんなことをしているのか?
夜間の町内パトロールや清掃活動、公園など公共施設の草取り等をしているところもあれば、お祭りなどのイベントや、資源回収のような活動をするところもある。あまり知られてはないが、「街灯の管理や設置」という仕事も自治会が担っている場合が少なくない。町内会を隣保の集合体として「組」単位に分け、会員間の情報共有は、主に「回覧板」で行われる。
「住民へのお知らせ」を挟んだクリップボードを隣家へ回していく懐かしい連絡スタイルである。日本全国通津浦々の町内会の基本的な主旨とは、「自分が住んでいる町を、住民全員のボランティアによって、より良くしよう!」とし、強制加入でないと言いながらも、根強い慣習がある。昨今では、加入をやめたり断ったりする世帯も増え、それが全国的に広がっている。
『強制加入とされている自治会会員は、退会するとの意思表示で自由に退会できる。従って「自治会費の支払義務」はなくなる。』とする最高裁判所(平成17年4月26日 第三法廷)の判例がある。この判決の事件とは、平成16年、県営住宅(賃貸)の自治会会員が、役員の運営方針に不満として退会の意思表示をしたが、自治会から会費の滞納で裁判を提起された。
この訴訟は最高裁判所まで上提され、「自治会費の支払義務なし」という最高裁判決で結審した。マンション等の管理組合と町内会(自治会)は全く別で、管理組合は法で定められた強制加入だが、自治会は法の規定がない任意団体である。2014年11月4日、NHK「クローズアップ現代」で、『町内会が消える? ~どうする 地域のつながり~』が放送された。
脱会者が増え、入会拒否者が増える理由として、本来は行政がすべき仕事(業務)を、人員削減やコストのスリム化を進める行政から、自治会宛に次々と新たな業務委託が相次ぐことなど、負担の重さに耐えかねた住民の造反といっていい。「サービスただ乗り」をめぐって、住民同士の係争が全国で頻発する事態となっては、最高裁判決を重く受け止めるしかない。
自治会とは、もともとは戦時中の「隣組」が発祥であり、戦後はあくまで、「地域の自主的活動」としつつ、行政の末端機構に組み込まれてきた実態が、時代に合わなくなってしまっている。2014年、栃木県宇都宮市郊外のある住宅地で、町内会から一度に8世帯が脱退するという事態が起きた。そのうちの1人Yさんを含め、脱退した世帯のほとんどが70歳以上の高齢者。
町内会の役員になると、さまざまな会合や花見など年間60件に上る行事への参加が義務づけられる。認知症の家族を抱えていたり、夜間の仕事で昼夜逆転の生活を余儀なくされていて、役員を引き受けることはできない。Yさんたちは、町内会費は払うので役員の仕事は免除してほしいと申し出た。しかし、町内会側は難色を示す。町内会長はこのように言う。
「今後、各自治会でこのことが認められるとしたら、一方的な理由で脱会を希望する世帯が増えてくる」との理由を提示された。聞き入れてもらえないYさんたちは、やむなく町内会を脱退すると伝えたのである。すると、町内すべての防犯灯が取り外されてしまったのだ。撤去したのは町内会で、電気代を支払うなど、町内会が防犯灯の管理をしていた。
さらに町内会は、脱会した8世帯に対し、ゴミ集積所の使用も禁止すると伝えてきた。なぜこのような仕打ちともいう行動をとったかを、取材しても町内会長は拒否。理由は、まともに説明できないからと推察する。やってることがえげつなく、だから顔を見せられないのだろうが、自治会を脱退したからといって、住民の権利を侵害されることはあってはならない。
余りの露骨な仕打ちや村八分にするなどという脅迫があった場合には、最寄りの法務局に人権侵害の申し出をすべきである。住民は町内会に住んではいるが、町内会に住民税を払っているわけではあるまい。何を根拠にそのようなことをするのか?町内会長が脱法行為をしている。住民税を払う住民には、ゴミを捨てる権利があり、自治体はゴミを処理する義務がある。
ゴミを捨てさせないなどの、村八分的な陰湿なイジメをリードするような、人間的な尺度の低い町内会長には、対決姿勢で臨むべきである。会長といえども地位ではなく、役名でありながら、キチンと役もこなせない会長に一切の遠慮はすべきでない。愚かを超えた哀れな人間である。上記の問題に行政はいかなる見解か、以下は宇都宮市役所渡辺尊之課長の弁。
「自治会はできることであれば、みんなで協力して活動・運営をしていくというのが理想だと思っていますので、そういった意味ではみんなが少しずつ負担をしながら運営しているのが実情です」。個別の事情に即しないいかにも行政的な言い分だ。少しの負担は何の問題ない家庭もあれば、少しの負担が難儀な家庭もある。それを一律という制度がむしろ不平等となる。
できる負担とできない負担を同量にするのではなく、それぞれの家庭の問題に際して便宜を図ろうとするような、心の大きい町内会長でなければならない。住民を困らせて、それについて取材も受けないような底の知れた人間と、通り一片なことしか言わない行政側の板挟みのなかでどう生きて行くかといえば、、強い心で立ち向かい、戦っていくしかない。
自分は、この手の悪辣人間には遠慮すべきでないと思っている。悪人に遠慮するのは善人ではないのよ。悪人にたいして善人でいるべきではないし、堂々悪になり切ればいいことだ。それでこそ対等、同じ土壌である。悪人に対しても善人であろうとする人を止めることだ。自分が悪を悪と見切る事。それが強さではないかと考える。でないと生存を脅かされよう。
町内会が任意加入団体にすぎないことが最高裁によって明確にされた。しかし他方では町内会が地域コミュニティにおいて、一定の役割を担ってきたことは疑いようがない。とはいえ、町内会が行政の下請け的立場に置かれてしまっているという、現状においては上記のような問題点を孕む。こうした現状にあって、任意加入団体としての町内会として存続し得るのか。
東京都下武蔵野市は、自治会制度自体を廃止した。滋賀県彦根市内の平田町つかだ自治会が廃止された。住民の中には、「今住んでるところは自治会がなくて助かってます。仮に引っ越しても、自治会の無いところを探します」という人もいる。「自治会には入ってませんがゴミとか普通に出してます」との住民もいるわけだ。出させないが横暴である。
所定の場にゴミ出し禁止と言われたら、住民の権利をないがしろにされたと役所に訴え、自宅の前に出すという了解を得る事だ。バカな町内会長がいるからと、指導を頼むのもいい。自治会に入らない権利があるにも関わらず、地域でいじめにあっていると救済を申し出るべきである。怖れることも、怯むこともない。どちらが悪人か、役所に判断させたらいい。