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『卒業』のベンは凄い!

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子どものころ、お正月にはよくかるたとりをやった。普通の「いろはかるた」だが、親子3人家族のささやかな団欒であるが、なぜか正月以外はやらなかった。正月は親も仕事から解放され、家族が揃うという理由もあったろうし、また、かるたは正月にやるものだとの固定観念があったのだろう。『百人一首』などはなく、子ども時分にそんなの見たこともなかった。

歌かるたは正月の風物詩として馴染みも深いが、なぜ歌かるたが正月の風物となったかについて、特別の理由はないようだ。今でこそ子どもは自由に、遅くまで起きているが、「子どもは早く寝なさい」が当時の子どもにとっては規則のようで、だから遅くまで起きていても叱られない正月を子どもは好きなのだろう。何をしても怒られないのも正月の特権だった。

「論より証拠」、「紺屋の白袴」、「子は三界の首枷」など、訳もわからない言葉の羅列だが、意味を教わった記憶もない。ところで、「論より証拠」とは、ものごとの良し悪しをハッキリさせるには、どれほど上手に説明しても意味はなく、 証拠となるものを目の前に示すほうが、明らかにはっきりする。将棋連盟の理事はこのことを知らなかったのだろう。

「紺屋の白袴」とは、「医者の不養生」と同じ意味である。「子は三界の首枷」というのも、親は三界(過去・現在・未来)に渡って子から束縛を受けるという意味だが、「子」を、「親」に置き換えてもいいだろう。そんな親の呪縛に苦悩する子どもって、意外に多いかも知れない。首枷(くびかせ)とは、昔、罪人の首にはめて、自由に動けないようにした刑具のこと。

子どものことを心配してもしきれない親もいるのだろうが、子どもは自立した後は社会が育ててくれているので、無用な心配はしない方がいい。あなどるなかれ、かるたには結構ためになるし、また、「はっ!」と自分を気づかせてくれる、そんな実用的なことわざは結構ある。「困ったときの神頼み」ではないが、自分は慣用句やことわざを道しるべにしている。

うじうじ、いじいじしてる人間など、「善は急げ」と閃いてすぐに行動するが良し。その意味で仕事上役立つことはままあった。仕事ばかりではない、恋愛においても言える。恋に落ちている人は、結構本能的に行動しているものだが、本能的に、"上手く"となるとなかなかそうもいかない。恋は決して感情(本能)のみで上手くいくものではないようだ。

恋する二人といえども、人間社会という枠組みの中にある以上、人間の心理は複雑で、様々に変化する点を考えれば、恋愛の世界のおいてもある程度は頭を使ったりで考える必要も出てくる。相手に好かれる(愛される)ためにはどうすればよいか?このことは恋愛に限らず、人間関係全般(親子関係・師弟関係)における基本中の基本ではないだろうか?

つまり、「愛されようと思ったら、まず相手を愛すること」。この点は思考でやるのではなく、自然にそうする(そうなる)べきものかと。ここにテクニックや作為を入れようとすると、「相手を愛する」ではなく、「愛するように見せかける」となろう。この点は本能的にそうあらねばならない。恋愛の根本原理であっても、原理を抽象的に肝に銘ずるではダメ。

言葉は悪いが端的に分かり易くいえば、「相手をだます」ことも恋愛の奥義である。「だます」は一種の手練手管であり、吉原の遊女たちが客を本気惚れさせるために幼少時からさまざまなテクニックを施された。遊女といえども人気商売である。彼女たちは商売上、男との関係を繋ぎ止める必要があり、そのために客あしらいのテクニックも持っていた。

遊女が売れっ子になるための第一条件は、何といっても容姿が美しいということ。美人の遊女は客の方が放っておかない。第二は、床上手であること。そして、第三が、客あしらいがうまいこと。この客のあしらい方が手練手管と呼ばれるものだ。「口説」、「起請文」、「髪切り」、「爪剥ぎ」、「指切り」、「起請彫り」。詳細は省くがこれらを「心中」といった。

恋に手練手管を使うのは、相手をだます意図があるからよくないというのは、ガキの火遊びである。テクニックそのものには、何ら悪いところはないし、だまして金品を巻き上げるとか、相手を私的欲望のために利用するのはダメ。人の心をもてあそぶ意図さえなくば、押してダメなら引いたり、嫉妬心を起させるとか、わざとせんない素振りなどは効果的だ。

男と女は自然に引き合うという大前提にあるからこそ、大きな効果を生むのである。とはいえ、切羽詰まった状態のときとか、心にゆとりや余裕がない時、周辺的なテクニックは逆のマイナスの効果となる。正攻法はバカ正直と言えるくらいが良い。4日にはテレビで久しぶりに映画『卒業』を観た。アメリカン・シネマの名作中の名作だが、これで三回目になる。


1967年封切りなので、もう50年になるのか。2回目は30代だったが、最初も二回目も何気に観たという感じ。若き頃は、サイモン&ガーファンクルの楽曲のインパクトが強すぎ、二度目も人に勧めたことから一緒に観た。が、今回はしっかりと観た。食い入るように観た。それで思ったことは、この映画は女性の心理描写が微妙に描かれているのに気づかされた。

黙っていればいいものを、これから付き合おうとする彼女の母と、性的関係にあった事を告白するベンの心境は何なのか?そんな、相手が傷つくであろうことは黙っておくものだ。「隠しておく」というのではなく、「黙っておく」もの。事実であるないなどはどうでもいい。事実というのは、知らない者にとっては事実とならない。そのように解釈すればいいことだ。

彼女も傷つき、母も傷つき、彼氏も傷つくようなことを何でいう必要があろう。これは映画の設定上で、実際ではあり得ない。それを聞いたエレンの憤慨は言うまでもない。失恋の淋しさを紛らわせるために好きでもない相手と付き合うことはある。最初はそうであっても、愛に発展することもある。が、エレンは、ひたむきなベンに対する恋心は絶やさなかった。

と、これが映画の主題である。あまりにも有名なラストシーンだが、二人のその後は観た者のそれぞれの中にある。幸せというのは作って行くものだが、これと決めた相手はいかに手を尽くしても得る。そうしたベンの気持ちにエレンは呼応したということか。恋愛は二人でするものだ。自分だけが愉しくしていたのでは、心行くまで愉しむ結果とならない。

相手を愉しませることに集中すべきである。だからといって、安っぽい笑いは虚しいばかりで、そこを勘違いせぬこと。相手が心の底から愉しめる状況をつくること。その積み重ねの上に、自分の愉しみも築かれて行く。人間同士が愉しく、幸せになるにはどうすれな良いか。そういった根本的な問いかけを基点として生きるにおいては、やはり利他性であろう。

独りよがりは相手にとって地獄である。愛想の虚しさ、作り笑顔のだるさ、こんな恋愛が成就するはずがない。恋をしているときは、誰でも常に相手のことを考えているはずだ。どれほど相手のことを考えようとも、相手の心はブラインド。人の心を推し量ることはできない。相手の心の中がある程度分かるようになるためには数、をこなさなければならない。

いつも片想いで終わる人に足りないものは何か?人間の感情というのは相互的なものだが、短期的には一方通行で終わる感情の流れはあっても、多少の時間をかければおのずから同種の感情の交流は実現する。片想いを公言する人の多くは自信の無さに起因する。また、心ひそかに抱く思いが伝わらないと嘆く人は、あまりに「ひそか」すぎやしないか?

伝えるためのアプローチは自分が思っている以上に伝わらないもので、遠慮することなくどんどん出していかねばダメだ。リミッターをかけて、「どうして私の気持ちを理解できないんだろう?」と責めたり嘆いたりは独り相撲。相手だって、"はやとちり"をしたくないわけだから、思わせぶり」よりも、「思う」気持ちを具体的に伝えるべきで、それでだめなら仕方がない。

先ずはあきらめないで、辛抱強く感情のメッセージを発信し続けられるか否かである。映画『卒業』のベンは、人はあれほど一途になれるものかの見本である。恋には計り知れない力がある。「惚れてしまえば千里も一里」といい、恋人のところに行くときは、どんなに遠くても苦にならない。恋は感情だけではうまく行かないとはいうが、考えすぎるのもよくない。

自分の見る恋のできない人間に共通するのは、考えすぎる奴が多かった。言い方を変えると、慎重すぎて臆病といっていい。可能性がゼロに近い相手であっても方法はいろいろある。そうした勇気のない臆病風に吹かれているようでは、「天は自ら助くる者を助く」という法則に該当しない。一に勇気、二に勇気、三四はないが、五に度胸といったところ。

勇気は大事だ。これなくて芽生えさせるは不可能で、やはり芽生えさせようの意思が必要となる。「恋愛は1%のひらめきと99%の努力である」。努力と言えば苦悩のように聞こえるが、こと恋愛においては「努力を楽しむ」こと。全記事でも言ったように、親からどっぷり「依存心」なるを躾けられた人間は、先ずはそれを脱却するところから始めなければならない。

相手が自動車学校に通っていることを聞いた自分は、その時間に自動車学校の玄関にいて驚かせたことがある。「一緒に中で講義を聞こう。分かりゃしないさ」と、実際に分からなかった。こういうサプライズは女性に効果大。思い切った演出ということになるのだろうが、この程度のことは臆することなく、普通感覚でさらりとやれるなら機会は増えるだろう。

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