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Channel: 死ぬまで生きよう!
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妥協の下手な日本人

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「寿退社」という言葉は、今の時代は死語であろうか。それだけ共働きが当たり前になっている。が、しかし、「結婚してどこに住むのか」、「家事分担はどうするのか」という課題がなくなったわけではない。夫婦で働き続けるためには話し合いと譲り合いは不可欠であり、意見が異なる以上は話し合いが妥当である。民主主義といえども、公益と私益の妥協である。

東京のある大学で講師をしているA子(39歳)は、3年間付き合っていた恋人と30歳になる直前に別れ、それ以後恋人はいなかった。大学では任期付の講師の職にある彼女は、次の職が地方の大学で見つかった場合、東京を離れるかもしれないと口にしたことが別れのきっかけだったという。A子は大学の博士課程を終えて社会に出たときには27歳になっていた。

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好きな研究の仕事を続けるために大事な時期でもあり、こちらも都内の企業で忙しく働く恋人との生活を優先する考えは自身にはなかった。「任期付の講師は常に不安定な立場なので、辞めて専業主婦になろうかと考えたことはあります。でも、結婚を逃げ場にすると後悔すると思ったからです」。そんな彼女も仕事が落ち着いた33歳あたりで結婚を考え始める。

その後、A子は関西地方の大学で3年間働いた。実際に東京を離れることになったことを思えば、恋人とは早めに別れておいて正解だったかもしれない。そして、33歳のときに再び東京の大学で職を得た。A子は仕事にも慣れ、自信もつき、「そろそろ結婚したい。子どもも欲しい」と思い始める。その頃、同じバンドのファン仲間である女性が婚活を進めていた。

「私は人の影響を受けやすいんです。友だちに教えてもらうままに婚活パーティや合コンに参加しました。そこで出会った男性と何度かデートしたこともありますが、1年近くお付き合いをしても先に進むことはありあせんでした。先の長い20代の頃ならそれで構わなかったと思いますが、30代の今の私にはこうしたゆっくりペースでは無理だと思いました。」

反対にこちらの気持ちが盛り上がらないうちに、「先」に進むことを求められ、連絡を絶った相手もいた。結婚に焦りがあるとはいえ、一緒に食事をして楽しくない男性との恋愛や結婚は考えられなかった。A子のように会話や食事の相性を重視する女性は少なくない。女性たちは、「男性と食事しながらどんな会話を求めているのか?」、A子に聞いてみた。

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「聞き上手であればいいというわけではないんです。話を聞いてくれるのは嬉しいけれど、私の話に対してどんな感想や意見を持ったのかも知りたい。賛成してくれなくても構いません。うまく言えませんが、いろんな意見を返してしてくれる男性は好きになりやすいです」。なるほど。話をきく限りは知的で好奇心の強い、芯のある女性のように感じられる。

大学の講師をするくらいだからか、自分の考え以外は興味がないし、別の考えや意見を返されたら対処できない。ばかりか気分も悪くなるという女性に比べて、頭もよさそうだ。というのも、頭のよいの中には、"幅広い考えを求め、思考する"ということもある。自身の考えに固執して異論を嫌がり、反論にヒステリーを起こす女性は脳細胞が未熟で欠陥もあろう。

自分は母親のようなこのタイプの女性は絶対にダメ。「可逆性」という言葉がある。可逆性とは、ある変化を考えたとき、条件を変えるとその変化と逆の方向に変化が起こってもとの状態に戻ることだが、この考えを応用したのが、「可逆性テスト」であり、自分がその行為によって悪影響を受ける立場であったとしても、 自分はその決定を支持するか。など、人間の心の広さを問う狙いがある。

自分が行為主から行為対象へ、行為対象から行為主へ変わっても、行為の正当性を支持し続けられるかどうか。世の中には「理」に合わないことが多い。特に女性と話していると、「自分の好き(好み)=正しい」、「嫌いなもの=間違い」、というように、善悪の主たる基準が自身の感情によって決まるというのは典型である。善悪は自分の感情とは別のところにあり、理性で決定されるもの。

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同じ行為でも我が子なら「善」、他人の子どもなら「悪」という考えは、どこから派生するのか理解に苦しむ。男にもそういう考えの人間がいるが、まったくお話にならない、話の余地すらない。我が子がいじめられるのは許さないが、人をいじめるのは関心がないというのも顕著な事例である。世間には子の親殺し、親の子殺しは後を絶たないが、こういう考えも成り立つ。

「子どもが親を殺すなんかとんでもない。絶対に認められない」という人間がいる。「殺す」に至る行為は非難されるべきだが、子どもに対して非人間的行為をする親はいる。そういう親に殺意を抱く、あるいは言葉一切を黙殺するというのは、自分はよくわかるし、認める立場をとる。殺すのはよくないし、殺せとはいわないが、そういう親は殺されて然りの親であるのを否定はしない。

むしろ、感情を抑えられなくなって、殺してしまった子どもを憐れに思うし、殺された親に同情を感じない。これに、「可逆性」を当て嵌めて考えると、自分がそういう無慈悲で非人間的な親であれば、殺されても仕方がないという考えになる。したがって、「いかなる理由があろうと、子が親を殺すなどあってはならない」という考えの人間こそ、むしろ殺されてしかるべき親であるかもと考える。

親が子を作る(育てるの意も含めて)のであって、子が親を作るのではない。であるから、子が親を殺すのと、親が子を殺すのと、単純にどちらに罪が重いかといえば、親の子殺しである。子の責任は親にあっても、親の責任は子どもにない。親が人殺しをしようが、強盗しようが、子どもに何の責任もないが、子どもの非行や不良の責任は親にある。よって、親の子殺しは責任放棄ではないかと。

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アラフォー女性を対象とした結婚相談所は、パーティー形式のお見合いが主流だが、女性の理想の高さにいささか辟易しているという。若き乙女が夢を見るのは分からなくもないが、おばさんと言われる年代になっても少女気質が抜けない、だからこそ結婚に踏み切れなかったという事情もある。仕事のためとかなんとかいいながら、結婚したものはいるんだし。

チャットや出会い系掲示板を覗くと、見えない相手に真剣に恋人探しをする女性のほとんどが、アレコレ一方的に要望を出しまくっている。自分の顔の見えぬをいいことになんという欲かと笑ってしまうが、ネット内の男女比率は10:1と圧倒的に男が多い。だから、女性は男を選び放題、我がまま言い放題である。男も選ばれて当然とばかり、文句も言わずしたがっているのだろう。

女性も男に不足しないのをいいことに、ちょっとばかり気が合わないとかですぐに相手を切ってしまう。リアルの出会いは月に1人もないこともあるが、ネットだと1日数十人と新規の出会いが可能だ。女性にとってはまさに笑いの飛ばない売り手市場で、その分、1人1人の出会いを大事にしない。そもそも、出会いや交際って、女の希望だけで上手く行くのか?

選ぶことだけしか頭になく、選ばれるなどという男の要求などまるでない、そんな交際が上手く行くのか?あり得ないと思うが、よほど男に主体性がなく、女の奴隷と化した状態ならさもありなんだろう。今どき、そういう貧弱・軟弱男が多いのかどうか、現状については把握していない。双方が民主的に妥協し合っていくのが、男女ならずも人間関係だ。

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自分の要望に合致し、我がまま一切を受け入れてくれる男との出会いを望んでいるというなら、バカというしかない。そんなバカの言いなりになることは、輪をかけたバカであろう。大学の講師の女性が、「話を聞いてくれるのは嬉しいけれど、私の話に対してどんな感想や意見を持ったのかも知りたい。賛成してくれなくても構いません」と、この言葉に好感を抱く。

個人の趣味や道楽ならともかく、相手のいる場合は何事も一人でははかどらないし、自分の好き勝手で物事は決まらないということが分かっている点において明晰である。自分が何を言っても受け入れてくれて、したがってくれる男なら、女として幸せであろうなどと、男女関係を夢や幻想でなく、現実として考えるなら、村上春樹の小説の男はクールである。

「一緒に死んでくれるの?」と緑は目をかがやかせて言った。

「まさか。危なくなったら僕は逃げるよ。死にたいんなら君が一人で死ねばいいさ」

「冷たいのね」

「昼飯をごちそうしてもらったくらいで一緒に死ぬわけにはいかないよ。夕食ならともかくさ…」

女はそんな言葉で男の腹を探ろうとする。チャラい男なら気の利いた言葉を返すのだろうが、それならそれで、「何よ。心にもないチャラいこと抜かすんじゃないよ、このタコ!」と思うのがまた女である。どっちにしても、女は暇つぶしの会話を好むし、男はそんな無駄話に無駄口合わせて付き合ってなんかいられない。男の現実感覚を理解しないと、女は男に行き詰る。

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