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Channel: 死ぬまで生きよう!
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歩いても 歩いても ②

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母子家庭・父子家庭にもそれぞれ問題点はある。問題というのは、母子家庭には父親がいない、父子家庭には母親がいない。は冗談として、母子家庭の平均年収は120~140万となっており、養育費・母子手当等を足しても、ほとんどの母子家庭が200万以下での生活を強いられる。一人で子育てのフルタイム勤務は無理があろう。母子家庭は経済的に困窮し、父子家庭は精神的に困窮するという。

母子家庭にも精神面の問題はある。父親不在を母親の視点で補うことが必要だが、「母子共生」という密着型がそれを阻む。父親に代わって母が父性をやるというなら、秩序感覚を子どもに分からせることが、父性の本質であろう。子どもに対して欲や夢を抱くのもいいが、「分際(身の程)」を分からせることも大事。即ち、子どもの分際、学生の分際などをしかと教える。

女子がシャネルのバッグを持つことも、男子学生がポルシェ通学する必要はない。幼児期の子どもにブランドを着せて喜んでいる母親は、中学になり、高校生になった娘にもシャネルやヴィトンを与えたがるのか?果たしてそれが学生の分際か?援交やAVビデオに出演する若き女性は、自分にお金をくれるのは単に若い魅力だけと、そういう分際を知るべきではないだろうか。

若さなくして実入りがないと知ることが、自分の長い人生を生きて行くフォームとして、身の程知らずな短絡性という遺恨や悔いを残さないでいれる。「大人は子どもを映す鏡」というなら、そういう時こそ大人は鏡であるべきだ。つまり、援助交際というのは、お金をやらなければ絶対にできないわけだから、大人の節操のなさが節操のない女を生んでいることになる。

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男も同様。若いころは性欲ギッシリ満載で、やりたくてやりたくてたまらない。だから女性にあの手この手でお願いする。ズルい女は男の弱みに付け込みアレコレ要求する。「バカだろ!」そんな男。男にお願いされて威張る女も身の程知らずだが、それを生じさせているのは紛れもない男。それが、「オッシーくん」、「メッシーくん」などといわれる男を生んだ。

人の弱みに付け込む人間は卑劣だが、文句を言う前に、弱みを利用されていることに対する反発心を抱けばいいのよ。頭が剥げてしまって、高価なズラを勧められるなら、「スキンヘッドにしてやる!」くらいの気概が欲しい。人がシャネルを持っているから私も欲しいではなく、そういう虚栄心をいかに葬り去ることができるかを、考え実行するのが一味違う女性だろう。

「別に持ちたい人は持ってもいい、そういう分際でもない私は持ちたくないだけ」というおだやかな思考は、卑屈というより明晰な論理である。女が女に対し、見栄と対抗心を持たず、しかと自分を見つめられるかどうかで、女性といえども感情より理性優位は可能であろう。男も見栄とつまらぬ対抗心を捨てれば、楽に生きられるし、見栄とは自分に無理をすることだ。

『歩いても 歩いても』という映画は何も起こらぬ平凡な、ありきたりの日常を映している。その辺りは小津映画を彷彿させられるが、是枝は小津に影響受けたのかについて、このように言っている。「僕自身もデビュー以来ずっと、小津安二郎から受けた影響を聞かれることも多くて、はじめのころは、『あんまり観ていないし、影響もうけていません』と答えていました。

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が、自分の中に流れている家族観や死生観は小津映画と共通し、日本人としての特異性を感じますね。それは大切なことだと思います」。是枝は欧州でも"Ozuの孫"と称されてきたし、5月のカンヌ国際映画祭に出品した新作、『海街diary』は、小津安二郎の作品世界と通じる印象が強く、小津の孫ぶりに拍車がかかった。が、是枝が好きな映画監督は成瀬巳喜男である。

それでいて是枝は脚本を書く際に、小津が脚本執筆時に定宿にした神奈川県茅ケ崎市にある旅館、「茅ヶ崎館」に泊まり込んでいる。その辺りを是枝は、「この旅館で脚本を書くようになったのは、『歩いても 歩いても』以降です。いい部屋ですが、最初は冷やかしで行ったんです。小津さんが行ってた宿があるらしいから、ちょっと昔の映画人っぽく、旅館を借りてと…」

小津は好きではないという是枝だが、『海街diary』は、原作漫画を読んだ時点で、「小津を意識せざるを得なかった」という。「人間ドラマというより、人間を取り巻いている時間が積み重なっていくのが、ちょっと小津的だと思った」と語り、撮影前に小津作品を何本か見て、以前よりも小津を身近に捉えることになったというが、いいところは取り入れるようだ。

創作家はみな影響を受けた先人はあろう。隠す必要はないが、小津と是枝の目指すものが同じであるというふうに捉えたらいいし、あまりに小津調、あまりに小津風と言うのは是枝に失礼ではないか。確かに小津は偉大である。『歩いても 歩いても』というタイトルはどうしてついたのか、映画の中ほどで明らかになる。特段この映画は、「歩き」に関係する映画ではない。

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のっけに恭平は散歩に出かける。杖をもっての老体だから、ウォーキングなんてものではなく散歩である。勘の良い視聴者は、「歩いても 歩いても」のフレーズに何かを思い当たる。いしだあゆみの歌う、♪歩いても歩いても 小舟のように わたしは揺れて 揺れてあなたの腕のなか…といえば、彼女のヒット曲『ブルーライトヨコハマ』。それがこの映画にどう関係する?

次男一家と夕食を食べながらの音楽談義。カラオケで演歌を歌うと妻とし子にからかわれた恭平は、むっときて良多の妻ゆかりに、「『昴』は演歌じゃないよ、そうでしょう?」と念を押す。ゆかりは頷いたものの、悪い空気を察知し、和やかに持っていく。「お二人の想い出の曲とかないんですか?」と問う。とし子はニコニコ顔で「あるわよ思い出の曲。歌謡曲だけど…」

そう言って自室の机の引き出しから一枚のシングルレコードをもって来て、良多にかけさせる。その曲が『ブルーライトヨコハマ』。「歩いても 歩いても」のところからとし子はレコードに合わせて口ずさむ。恭平は風呂に入り、着替えを置きにきたとし子に、「いつ買ったんだ?」と問うが、ここの場面が面白い。とし子は、「あのころですよ」と意味深に答えるのだ。

あのころとは?とし子は続ける。「板橋のあの女(恭平の浮気相手)のアパートまで、良多をおぶって行ったんですよ。そうしたら部屋の中からあなたの声が聞こえてきて、"歩いても 歩いても…、"邪魔しちゃ悪いと思ってそのまま家に帰って、次の日駅の西口のカナリヤ堂で買いました」と、皮肉たっぷりにいうとし子に、恭平は苦虫を噛んだような、脂汗の浮き出た表情が面白い。


「歩いても 歩いても」の『ブルーライトヨコハマ』は、確かにとし子と恭平の二人の共通の想い出の曲だ。が、それぞれにとっても因縁深い、いわくつきの想い出である。何事もない日常を描く是枝にとって、このシーンは"さすが"というか、彼のアイデアである。とし子は恭平にとっての想い出の曲『ブルーライトヨコハマ』を、わざわざ買い求めていたということだ。

恭平は70歳代の戦中派、とし子はそれより少し若い。長年連れ添った夫婦であるが、それぞれに秘めたものがあり、とし子はそれを執念深く曲と一緒に頭に刻んでいる。一見して夫唱婦随の典型的な昔風情な夫婦であり、縦のものを横にもしない、亭主関白の恭平だが、とし子の秘めた思いを知ることになり、自分がとし子の手の平で踊らされていたことを思い知る。

ガミガミうるさい女は困りものだが、寡黙な女も負けずとも劣らぬ怖さが漂っている。映画のタイトル、『歩いても 歩いても』には、夫婦にとって奥の深い意味があるようだ。『ブルーライトヨコハマ』は名曲である。作詞は橋本淳、作曲は筒美京平だが、是枝は京平に恭平をかけたのだろうか?『ブルーライトヨコハマ』は、1968年度レコード大賞作曲賞に輝いている。

同業者である作詞家なかにし礼は、このように評す。「『ブルーライトヨコハマ』は、日本の歌謡曲の中でベストワンだと思う。あんな曲は世界にも例がないでしょう。決して褒め過ぎではなくて…。リズムからいっても、メロディーもコード進行も…。この曲が出てきて、日本の歌謡界も随分よくなったな~って思いましたよ」。こんな名曲が日本にあるって素晴らしいね。

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♪歩いても 歩いても 小舟のように わたしは ゆれて ゆれてあなたの 腕のなか…って歌詞の意味は何だろうか?プロの作詞家の現実離れした様式美であろうか。われわれ凡人には浮かばない発想だ。さて、歩いても歩いても目的地に到達しない日々のウォーキングに目的地はないが、目的はある。歩いて歩いて、脳がゆれていろいろ考えるのが何とも楽しい。

ブログネタを考えることはないが、書くものは映画、事件からいろいろ膨らませられる。ビッグバンのようにどんどん膨らんでいく。表題を決めて書いても、自分の発想がそれを追い越すこともしばしば。表題を決めて、準じて書くことより、とめどない発想で頭が廻ることの方が楽しい。泉のように湧き出る発想がある限り、若さは癒えてないなと、自賛をするのだ。

   1日 23372歩 15892m    90/分
    2日 27447歩 18663m    87
    4日  23141歩  15735m    88
   5日  24949歩  16965m    87
   6日 32011歩 21767m   90
   12日  24034歩  16343m    87
     13日  19742歩  13424m   86
   14日 11061歩  7521m   90
     16日 18030歩  12260m  86
     17日 23717歩  16127m  87
     19日 42452歩 28867m   86
     20日 32805歩 22310m  89
   21日 29316歩 19943m    87
     22日 22487歩 15291m   89
   23日 17813歩  12112m   89
   24日 24563歩 16702m   86
     25日 10144歩    6897m   82
    26日  25509歩   17346m    87
   29日 29975歩  20383m   90
     31日 25485歩 17329m  90

     Total  488053歩  331877m 

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