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Channel: 死ぬまで生きよう!
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学習塾の存在意義と目的 ②

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先天的な頭の良し悪しはあるのか?超一流大に入学するような人間は、そのことだけで100%全員頭がいいのか?なわけないと思うが、世間は東大生というだけで頭がいいと思っているが、精神科医の和田秀樹は著書『バカとは何か』(幻冬舎新書)で、菊川怜を同じ東大卒の高田万由子と比べ「(菊川は)テレビでバラエティ番組に出ていてもシャープさがない」と言う。

菊川は建築が専門のハズなのに、「真相報道バンキシャ」の耐震強度偽装事件報道の時ですら、まともな発言がなかった。せっかく、メインキャスターが専門家(?)の菊川に話をふっているのに…東大建築学科卒の菊川より、高卒の山瀬まみのほうが、人を食った面白い発言をする。誰がみても山瀬のほうが、本当の意味で頭(の回転)が良いのがわかる。

いわずもがな菊川は、東京大学工学部建築学科を卒業しており、卒論テーマは「遺伝的アルゴリズムを適用したコンクリートの要求性能型の調合設計に関する研究」である。その彼女は1997年、大学2年生の時に東京・新宿でスカウトされ、翌1998年にはモデルデビュー。グラビアモデル、女性ファッション誌 『Ray』の専属モデルとして活躍している。

同年『'99年度 東レ水着キャンペーンガール』に選出され注目を集め、1999年にはフジテレビ系ドラマ『危険な関係』にて女優デビュー。以後、バラエティ番組、教養番組、ドキュメンタリー番組などにも幅広く出演している。この履歴からして彼女が建築の専門家といえるのか?大学で建築の勉強をしたはいいが、学んだことをその後に何の役立てず、生かしてもいない。

それでも彼女は建築の専門家なのか?バカをいうでない。彼女は学んだ建築のことなどすっかり忘れた芸能人である。でありながら未だ東大卒の才媛ともてはやされているが、困るのは彼女自身であろう。東大卒だからクイズ番組の成績もいい?バカをいうでない。東大受験に必要な勉強をしただけであって、そういう人間に広い視野や見識がどこにある?

つまり、世間が東大生=秀才・頭がいいと言うのは単にコンプレックスもしくは、無知であろう。潮岬の灯台で働く高卒の人間の方が菊川などより、何倍も頭がいいかもしれない。建築を学んだなら、建築事務所に勤めて専門知識を生かしてこそ専門家であって、モデルや芸能人が東大出身である事の意味は何もない。あるとするなら色物の肩書きである。

東大受験に必要な学力は、入学後、卒業後に何の意味もない。にしてもなぜ彼女は建築専門外の道を選んだのだろう?同じケースにオフコースの小田、鈴木がいる。小田も東北大工学部で建築を学び、鈴木も東工大をでている。コースを外れたからオフコースとしたのだが、二人とも学問より音楽の方が楽しくもあり、生きる糧にという決断をしたようだ。

小田も鈴木も団塊の世代、塾づけで猛勉強という世代ではなく、単に地頭が良かったし、それで大学に行ったと察する。菊川は有名な女子高で有名な予備校で、駿台模試で全国50番内に入ったと自負し、慶大医学部も友人の付き合いで受験し合格しているというが、彼女の頭の悪さは受験学力に特化したもので、受験学力以外はバカだと言って過言ない。

受験が終って普通の社会人としての頭のキレも素養も教養もないなら、「今は普通の人よりバカだと思います」と言った方が正直で愛されると思うが、そんなことを彼女はいいそうもない。大層な受験学力を持ちながら最高学府に入っても、建築の勉強より容姿を売ることを選んだのは彼女の自由だから、それはいいけれど、東大の才媛で困るのは彼女であろう。

同じ東大卒でもホリエモンなどは、自負を維持するためにいろいろ勉強していると思われる。でなければ社会、経済、文化・芸能や国際問題などについて持論を言えるはずもない。東大に入学した時は同じでも、入学後から卒業を経て現在までの様々な差は人によって歴然とある。先天的な頭の良さはあってもなくても、継続的に頭脳明晰であるためには日々の勉強が大事。

ある予備校講師がこのように言っている。「結論を言えば、(先天的な)頭の良し悪しは絶対にある。相当数の子どもを見て得た確信だが、努力でそのギャップは埋められる可能性も大きい」。努力でギャップを埋めるという事に注目すれば、努力すれば頭はよくなるし、逆に放置すれば錆びれて頭は悪くなるということだ。つまり、頭の良さは継続である。

「継続は力なり」と言う言葉は、我が出身高の校訓であった。誰の言葉であるかまでは知らなかったし、教わることもなかったが、調べたところ、大正から昭和初期に宗教家として活躍した住岡夜晃(すみおかやこう)という方の言葉であった。夜晃の著書『讃嘆の詩』(樹心社)の一節に、かの言葉があるり、全体を読むと熱く、素晴らしく、心に沁みる詩であった。

  青年よ強くなれ
  牛のごとく、象のごとく、強くなれ
  真に強いとは、一道を生きぬくことである
  性格の弱さ悲しむなかれ
  性格の強さ必ずしも誇るに足らず
  「念願は人格を決定す 継続は力なり」
   真の強さは正しい念願を貫くにある
  怒って腕力をふるうがごときは弱者の至れるものである
    悪友の誘惑によって堕落するがごときは弱者の標本である
    青年よ強くなれ 大きくなれ

「青年よ強くなれ」で始まり、「青年よ強くなれ、大きくなれ」と結んでいる。「強く」とは何であるか?強くできることの一切のもの。「大きく」とは何か?「大きく」できる一切のものであろう。子どもの学力向上にに携わる上記の予備校講師はこう続けている。「さほど成績のよくない子が、一旦"自信"を持つと飛躍的に成績の伸びる子どもに変身する。

天才では?と思える頭脳の子どもを担当したが、その呑み込みの速さと圧倒的な記憶力に嫉妬にも似た羨ましさも感じた」という。別のある講師は、「進学校などの学生で、教科書をさっと見るだけですぐに覚える生徒や、難しい数学の定理を覚えるというより、自分から導き出せる生徒がいる。一見、ノンビリおっとりしているが、驚異的な理解力・記憶力を持っている。

彼らは後天的な頭の使い方を知っていたのではなく、最初からこうだったと言うし、それはもう知ってる知らないの次元ではないのです。とてもじゃないが、一般の生徒は絶対に無理だし、彼らと一緒に勉強をしても絶対に付いていけない。全員が全員一様に能力が同じなんて事は絶対になく、生まれもった個人差はある」。なるほど、ある程度先天的なものはあろう。

ヒトの知能や性格・行動等、その決定要因が環境なのか遺伝なのかと言うことについて、東京大学付属学校の双生児学級で数十年間研究が進められてきた。IQについては定義が曖昧だが、「学力」においては遺伝性のものと、遺伝性でないものがあるようだ。鍛錬が必要な体育・芸術等は環境が決定し、理数分野は遺伝的要素が強く、他の分野は半々との結果である。

この結果から全体的には「お勉強」においては、遺伝的要素が強いと考えられるのではないか。ただし環境的要素もある。子どもは主に母親に育てられるし、知能の高い母親に育てられれば、子どもの生育環境が良いということになり、当然知能も高くなるはず。反面、遺伝的に優れた子であってもバカな母親に育てられれば生育環境が悪となって、知能が良くなるはずがない。

子どもは両親の遺伝的な要素と、環境の要素が共に影響する。次のアメリカの例もある。10歳で大学を首席卒業した天才児がいた。彼には妹がいて、彼女も兄ほどではないが12歳で大学を卒業するなど天才的な頭脳を発揮し、このことからも彼らの知能は遺伝的なものと考えられる。ところが、彼らの両親もその祖先も、ごく一般的な知能しか発揮していない。

これをどう考えるかだが、日本的に言えば「トンビが鷹を生む」、ということになろう。両親の平均知能指数が90程度なのに、子どもの知能指数が150だったり、その逆という事例もある。知能が先天的(遺伝)であるとするなら、親と子どものあきらかな知能の差について、知能を決める遺伝子は複数の遺伝子の組み合わせによって決まると考えられている。

単純に知能の高い親から知能の高い子どもが、知能の低い親から知能の低い子どもが生まれると言いきれるものではなく、さらには幼少期の環境要因の影響も大きいと考えられており、測定を難しくしている。ちなみに環境要因は、3歳未満の幼少期の環境と、それ以降の本人の努力によるものは、脳に与える影響は全く別物だが、しばしばこれらは混同されることが多い。

いずれにしても、人間の頭の良し悪しを勉強の出来・不出来だけでいうのも間違っている。「学力」は知能の一つの分野に過ぎない。錦織がテニスが凄くても、彼はバスケや野球は無理。イチローがサッカーや水泳が凡人と変わらないのは、野球の能力を切磋琢磨したからである。100mを世界一速く走るボルトといえども、マラソンなら間違いなく途中棄権である。

塾で受験学力を高めることはできるが、頭がよくなることはない。受験に特化した勉強に、学ぶ喜びを堪能することはない。好きな勉強をさせてくれないなら、勉強を好きになることもないだろう。学者の地道な研究を見るに、学問はロマンであって、学ぶ喜びを教えられない教育は無意味でしかない。そこに受験が立ちはだかって、必要悪となっている。


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