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嫉妬について ②

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嫉妬についての男女の違いの研究報告があった。それによると、男性の多くは精神的な浮気より肉体的な浮気に対して強いジェラシーを感じるが、女性の多くはその逆である。これは、オスは肉体的浮気を許容すると子が自分の子であると確信できないのに対し、メスは家族を守り子育てに協力するパートナーを確保する必要があるという「本能」いよるものと推論的に説明されてきた。

しかし、最新の心理学的アプローチによれば、男女のジェラシーの感じ方の違いに「本能」とは別の新たな解釈が加えられた。ペンシルベニア州立大学心理学科のKenneth Levy准教授とKristen Kelly博士は、男性の中にも女性のようにパートナーの肉体的浮気より精神的浮気を苦痛に感じるグループが存在することから、ジェラシーの性差についての「進化論的本能説」に疑問が提起された。

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博士たちはジェラシーが、「信頼」や「愛着」などの感情と関係しているのではと考えた。パートナーに強い愛着を持つことで安心感を得るタイプの男女はいるが、愛着という関係に否定的な人々もいる。心理学者たちは、後者のタイプにみる強迫観念的なまでに「自立」にこだわる人々は、心に深く根ざした「傷付きやすさ」に対して防御策をとっていると考える。

博士はこれらの人々は、「恋愛関係の中で感情的な親密さより、性的な要素を重視するのではないか」との仮説を立てた。そこで、男女のジェラシーの違いに着目した研究をさらに推し進め、男女の被験者に対し、「肉体的な浮気」と、「精神的な浮気」のどちらがより苦痛に感じるかの回答を求め、恋愛関係の中での愛着に関する標準的で有効な測定法を含む各種設問に答えてもらったところ…。

ジェラシーの感じ方による男女差は明白となり、女性には恋愛関係で、「愛着」重視の人が多く、男性は、「愛着」を軽視する人が多かった。これがジェラシーの性差として現れていると考えられるとした。この研究結果は「Psychological Science」誌に発表され、心理的・文化環境的なメカニズムが男女のジェラシーの違いに、これまで考えられた以上に強い役割を果たしているのではと示唆された。

また、ジェラシーという感情を愛着理論の視点から見ると、愛着と安心に基づく関係を奨励することで、ドメスティックバイオレンスのきっかけともなる、性的なジェラシーを減らすことができるのではないかと示唆されている。かつてスピノザは、ジェラシーの本質を、「愛憎」としてとらえていた。二つの渦巻の中心にあるのは、愛と憎しみである。そして、その愛憎には、「妬み」が結びついているとした。

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「もしも、愛されるものが、自分がかつて独占したと同じか、むしろそれ以上に緊密な友愛の絆によって、他人と結びつくのを人が想像するならば、愛するもの自身に対しては憎しみを感じ、他人に対してはねたむだろう」(スピノザ:『エチカ』)

「ねたみと結びついた、愛するものに対するこの憎しみはジェラシーと呼ばれる。それは、したがって、ねたまれる他人の観念をともなって、愛と憎しみから同時に生じる心の動揺に他ならないのである」(スピノザ:『エチカ』)

これに対し、デカルトはかなり手厳しい。「その妻に関して嫉妬する男は軽蔑される。それは、彼が彼女を正しいし型で愛していない証拠だからであり、彼自身と彼女について悪く思っている証拠だからである。彼が彼女を正しいしか型で愛していない、と私が言うのは、もし彼が彼女に対する真の愛(une vraie amour)を持っていたならば、彼女に不信を抱くという気持ちになどならなかったはずだからである。

彼が愛しているのは、本当は彼女ではなく、彼女を独占することの内にある(と彼が想像している)幸福を愛しているのにすぎないのである」(デカルト:『情念論』)。 通常、嫉妬は愛の証拠と言われるが、デカルトは、「嫉妬は真の愛の証拠ではない」と言う。嫉妬が愛の証拠でないとするデカルトが正しいなら、嫉妬感情が結婚後に薄らいでいくのと、妻への愛が薄らぐのは無関係ということ。

嫉妬の文学で浮かぶはシェークスピアの『オセロ』と、漱石の『こころ』。『オセロ』は他殺と自殺で終わるが、『こころ』は「K」の自殺、「先生」の自殺で終る。嫉妬が引き起こす他殺も自殺も、決して悲劇でも何でもなく、誤解と推論の間違いがもたらす無用な蛮行に過ぎない。オセロ将軍は、部下のイアーゴーの謀略により妻のデスデモーナを殺し、後に真相を知り自責の念に駆られて自殺する。

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謀略とはいえ、オセロ将軍は妻の貞操を疑い、無実の妻は殺された。妻の無実をオセロは後で知るが、時すでに遅し…。これが悲劇でなく何であろうか。漱石の『こころ』におけりなぜ「K」は自殺し、「先生」もなぜ自殺したのかの疑問。一人目の死は、「失恋ゆえの死」、二人目の死は、「失恋ゆえの死を親友にもたらしたゆえの死」、という解釈は表面的であるし、さまざまな解釈がなされている。

おそらく種々の動物で、嫉妬が原因で相手を殺したり、自らを殺めたりする生き物は人間だけであろう。それだけ人間の思考は複雑多岐に及んでいるということだが、動物のような「生」に対する純粋性は、人間には望めないのであろう。「人間なんて呼吸をしているだけで奇蹟。それ以外はオマケみたいなもの」という言葉を深く噛みしめてしまうのだが、オマケの人生ならいっそ開き直るのも方策だ。

人は人を騙すし、だから人に騙される。「騙す」と「嘘をつく」は同じではない。単純に考えれば「嘘をつく」は本当のことを言わないだが、「騙す」は単純に本当のことを言わない以上に、「利害」に関わることであろう。嘘は人を傷つけるのを目的としない場合が多い。自分がある状況に追い込まれて逃れるため、あるいは自分の罪を逃れるため、軽減させるために用いる。もちろん、それで傷つく人もいるが…

いたとしても、相手を傷つけることは目的ではない。「騙す」というのは、まったくつく必要のない嘘を用いて相手の金品や精神的な何かを得る目的がある。男女の恋愛に「嘘」はあってもいいが、「騙す」はダメだ。いうまでもない、「騙す」は相手を傷つける。「嘘」は解釈によっては自分が傷つくのを逃れるために言う。まあ、「嘘」は多面的だから例外もあるが、「騙す」に例外もクソもないだろう。

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記憶には女性を「騙した」ことはないが、それも相手の見方によるから何ともいえない。「騙された」ことは多い。それも相手にすれば「騙す」ではなく、「気持ちを推し量るため」などと口実をつけるから、騙す側にも一分の理があるのだろう。「泥棒にも三分の理」という諺がある。これは実際にあるというのではなく、どんなことにも理屈はつけられるという意味であり、マジメに三分の理を探してもないよ。

鼠小僧は金持ちの蔵から小判を盗み、貧しい人に分け与えたが、これは罪か?当然、罪(窃盗)である。罪は行為であるから行為だけが問題で、義憤とか同情とかに関係なく罪は罪である。もし、罪に正当な理由と言うのを認めたら世の中は大混乱に陥る。少女に「殺してくれ」と頼まれて、高校生が殺したという事件が発生したが、突きつめると嫉妬かも知れん。

いつぞや大学教授が教え子の大学院生を「殺してと頼まれたので殺した」と主張したが、後者は東大卒のインテリの戯言であろう。自分は信じていない。嘱託殺人を装っての罪の軽減を狙ったしたたか者であろう。そもそも嘱託殺人には、「愛するが故に殺した」という美学が存在する。ある嘱託殺人の判決において、地裁の裁判官が被告に以下の言葉を投げかけた。

「苦しむ妻への愛情故の犯行だったことを疑う余地はない」

2014年11月、体の痛みを訴えていた妻=当時(83)=に頼まれて自宅でネクタイで首を絞め、その後死亡させたとして、嘱託殺人の罪に問われた夫(93)に対し、千葉地裁は8日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)を言い渡した。閉廷前、佐藤傑裁判官は夫に「どこかで妻が見たときに悲しまないよう、穏やかな日々が送れることを願っています」と言葉をかけた。

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いずれの言葉も、なんとも心ある裁判官であろうか。判決を受けたのは千葉県茂原市に在住の夫。被告の妻は次第に足腰が衰弱し、転倒したことから強い痛みをしきりに訴えるようになった。自力歩行が困難で、痛みで夜も眠れぬ妻に被告は自らも軽度の認知症を患いながらも、自宅に手すりを設置したり、マッサージをするなど寝る間を惜しんで献身的介護を続けた。

妻がヘルパーの利用や高度な治療を受けることに消極的だったため、2人きりで過ごす時間が多かった。絶えず痛みに苛まれる妻は安楽死を望む発言もあった。被告は廊下で転倒した妻から「殺してほしい」と懇願され苦渋の思いで了承。添い寝をして思い出話をした後、あらためて妻の覚悟を確かめると首をネクタイで絞め妻を殺害した。公判で「妻を愛している」と発言した被告。

佐藤裁判官は量刑理由で「妻が天寿を全うできるように尽力することが被告には求められており。短絡的な犯行」と指弾する一方、「介護に追われ、被告は心身ともに疲弊していた。妻を苦しみから解放することを最優先に犯行に及んだことは強く非難できない。60年以上連れ添った妻を自らの手にかけることを決断せざるを得なかった苦悩は同情を禁じ得ない」と述べた。

イメージ 6佐藤裁判官は大きな声でゆっくりと判決文を朗読。「被告に対しては、社会内で妻の冥福を祈りつつ、平穏に余生を送る機会を与えることが相当」と締めくくった。嘱託殺人は難しい。愛情か、負担かを問わなければならない。裁判官の情状に委ねるしかないからだ。介護の心労を思えばあまりあるが、それでも愛情と言う一重の拠り所から介護を負担と自らに言い聞かせぬ者もいる。

人から殺人を頼まれ、同情してそれを叶えてやる行為を司法は認めない。感情に左右されないからこそ法を司れるわけだ。「殺してくれ」と頼まれたから殺したのが罪に問われないなら、「あの洋服が欲しい」と彼女に懇願され、服を盗むのと同じことだ。こういう場合も司法と一般社会の判断はズレがある。自分が騙された経験のあるうちの一件を以下記す。

恋人が、「今日は絶対に安全日だから中に出して…」と、露骨な言い方だがこのように言ったりするものだ。それで嘘だの騙されただの、信じる方に油断がある、罪もある。と今なら思うが、それこそ20代前半の青春の無知でおバカな自分である。それで妊娠してしまった。妊娠の事実を知ったときはメチャクチャ腹が立ったし、相手を責めた。男として当然である。

おそらく策略であったろうが、策略でアレ、愛情でアレ、その段階で結婚する意思がないなら、女に許諾を得たとしても避けるのが賢明であろう。理性的とも言う。避妊などというのは100%安全はないという周到さは持つ方がいい。それらも含めて青春期はバカだった。無謀であったというしかない。できた以上は相手は絶対に産むという。それが女と言うものか。

彼女は「嘘ついてなんかいない。安全日って思ってた」という。「安全日」、「思ってた」と、この二つのキーワードからしても、不確実なものであるし、今に思うと相手よりも自分がバカである。人の言葉を信じることで罪を作るくらいなら、信じないで罪を責められる方がいい場合が女には多い。「わたしを信じないのね」という言葉は、実は女の殺し文句である。

「ああ、信じないよ。信じるもんか、お前のいう事なんか!」と好きな恋人にいえるだろうか?ここが恋愛の難しいところである。恋愛は、放って置いても感情の産物だから、故に理性を必要とする場面はそこら中に転がっている。「バカいうなよ。キチンと筋道立てて出来た子どもではないし、それを産むというのは出来たことを逆手に取った自分勝手もいいことだ」

自分は、頑強な彼女に結婚する意思は今のところない、というのを必死で説いた。女は妊娠をダシに結婚を迫るところがある。責任は男にもあるが、女にもある。それより、目的意識の明確でない結婚等、墓場にまっしぐらであろう。が、女は感情だけで思考する。未来よりも将来、将来よりも明日、明日よりも今のことを重視する。そこが男とまるで違うところ。

自分の意思の強さを悟ったのだろう、彼女は諦めた。それまでは、何とかなるだろうの意思もあったろうが、出来たから結婚と言うこんにちの安易(?)な時代とは、まったく違っていたし、妊娠して結婚というのは男の羞恥丸出しの時代でもあった。それ以上に、結婚には結婚と言う心構えや準備も大事にすべきである。が、出来たから結婚と言うのは女の武器であろう。

自分的には、「『嘘をつかれた』、『騙された』気分でしかなく、そんな状況で産まれるこどもなど望んでないよ」などといったが、この言葉は女を傷つけたかも知れない。しかし、自分としては実際その思いであったし、正当な理由であった。彼女は策略であったから、この言葉に身を引いたのだろう。心が傷ついたとしても、自分の考え(策略)の甘さを責める要素である。

「出来たら結婚してくれるだろう」と言うのが成功する男もいるだろうが、「それは甘いぜ」と詰る男もいるという事だ。とにかく自分は腹が立っていたし、腹が立った女と一緒にいれる筈がない。「そうじゃないというけど、騙された気分は変わらない」と正直に言った。二人はそれで終った。腹を立てた自分も、立てさせた彼女も罪である。自分は態度を素直に出す。

口も利きたくない女となったのを、彼女が感じたようだ。さて、こういう場合の法律問題はどうなるか?結論をいえば、男の意思に反して強引に子どもを産み、その子どもの認知を求められたら、男は認知をしなければならない。「安全日だから…」とか、「ピル飲んでるから大丈夫!」といわれた。「詐欺ではないか?」と、申し立てをしても認知が免れることはない。

「騙されたから認知はしない」は通用しない。なぜなら、避妊していたとしても、100%成功するとは限らないし、妊娠はそういうもの。認知は、『子の父親である』という事実認定である。性交渉に至る動機や経緯などは、全く関係なく影響を及ぼさない。あくまで父が誰かが問題であり、女性が出産した後、女性または子が希望すれば、認知の手続きをすることができる。


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