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恋はまぼろし

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『田川寿美が離婚 結婚から4年 生活時間のすれ違い』

演歌歌手の田川寿美(39)が6日、離婚したことを明らかにした。所属事務所が発表した。「私、田川寿美は平成23年10月10日ハワイにて、制作会社役員の方(49歳)と結婚致しましたことを、ご報告致します」と伝えた。「本来なら、関係者の方々に、きちんとした形でご報告を申し上げるつもりでしたが、ご報告が遅れたことを、お詫び申し上げます」。

とし、「これからも、変わりなく歌の世界で精進してゆく所存でございますので、何とぞ温かく見守って頂けますよう、宜しくお願い致します」と締めくくった。田川は、結婚について、「40歳までにはいい出会いをしたいです。歌だけでは寂しすぎますし、大先輩の小林幸子さんも(お嫁に)いかれたように、歌っていうのは(歌い手の)人生観とか内面とかが含まれる。

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私もこれから女性として頑張りたいと思う」と希望を語っていた。「姿形ではなくて、心が豊かな、穏やかな人がいいな。高倉健さんみたいに渋くて哀愁のある方がタイプ」と明かし、思いをささげる相手には、「出会ってないですね」と残念そうな様子を見せていたが、その1カ月後に電撃挙式したことになるが、結婚は女性の「夢」というが、少なからず感じられる発言だ。

男にとって結婚はどうなのか?男といっても各人各様で、「男」で縛ることはできないが、一般的に男は結婚に対し、「社会的地位の確保と子孫繁栄」の意識が強いのではないか?好きな女と一緒に生活したいという個人的な理由もないではないが、対外的(社会的)な理由は、女性より強いかと考える。女性の対外的理由に、"行き遅れないように"はあろう。

田川もらしきことを言っている。「40歳までにはいい出会いをしたいです。歌だけでは寂しすぎますし、大先輩の小林幸子さんも(お嫁に)いかれたように、歌っていうのは(歌い手の)人生観とか内面とかが含まれる。私もこれから女性として頑張りたいと思う」のくだりだが、この発言の1カ月後に結婚だから、希望・願望というより、固まった気持ちの吐露であった。

離婚した理由を正しく報告する義務もないから、「生活時間のすれ違い」というのは無難な理由にあげられる。他にも「性格の不一致」、「価値観の違い」、「金銭問題」などが言われ、離婚は幾重にも理由が積み重なった結果であろう。「離婚の理由は、結婚したからです」と、何故いわないのだろう。取ってつけたようなもっともらしい理由よりは正しい。

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田川寿美の離婚にイチャモンつけたいのではない。田川は身近な人ではないし、芸能人というだけの知らない人である。人は、「生活時間のすれ違い」で離婚するものだろうか?ならば、生活時間がすれ違わないように工夫しないのか?最初はすれ違い生活でも上手く行くが、だんだん上手く行かなくなったなら離婚の際に、「生活時間のすれ違い」とこじつける。

ようするに結婚当初から時間のすれ違いがあったとしても、結婚というものの珍しさもあって、愛情も豊富にあって、だから気にならないし、負担にもならないが、2年、3年と結婚年月を重ねるうちに、生活がつまらなくなってくるのだろうと、その様に考えるのが順当だ。結婚当初から時間のすれ違いが耐えられなかったら、すぐにでもそういう状況を改善するはず。

最初は我慢できても、だんだんそれができなくなるの結婚パターンであろう。結婚に限らず恋愛でも、同棲関係にあっても、出来た我慢がだんだん許せなくなる関係と、最初は気になったことがだんだんと許容できるようになる関係があるようだが、この違いは何であろうか?自分も結婚当初は、絶対に相性がよくないと思っていたし、自分の思いを満たす女ではなかった。

反抗しないのでよく殴ったりもした。今に思うとあの時期は何だったのだろうか?別々のところで生を受け、異なる家庭環境で育った者同士が、何から何まで同じであるはずがないし、「同床異夢」が当たり前だろう。ましてや男女という性差的な価値観の違いもある。それらを時間をかけて、すり合わせていくのが、結婚生活であろうと、そのように考える。

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だから離婚に際して、「価値観がちがった」だの、「生活時間のすれ違いが原因」だの、そんなことを数年で処理できないのは当たり前である。もっとも、短期間でやれるカップルもいようし、5年、10年、いやもっとかかる夫婦もいる。それが結実しないままに離婚するのは、双方が前向きというより後ろ向きだからではないか。実態を言葉で言うのは難しいが…

確かに、人類学者ヘレン・フィッシャー博士の言う学説「愛は4年で終る」説は、どうやら科学的に立証されている、というよりデータが示す部分である。田川夫婦の離婚も4年であったなら、フィッシャー学説の踏襲者といえる。以前にも書いたが、『愛はなぜ終わるのか』の中で、「愛は4年で終わる」と提唱されている。が、問題なく続いてる夫婦も多い。

博士はいろいろな国を調査し、統計的に結婚4年後に離婚する傾向が高いこと発表した。脳科学的データからみれば、快楽物質ともいわれるドーパミン効果は3年で切れてしまう。ドーパミンの量産は、快楽を感じるだけでなく、元気になったり、脳の働きが向上してアイデアをひらめきやすくなる。また、仕事の能率が上がるなどいい事がいろいろある。

そのドーパミンが切れたことによって、感情のままに押し流されてきた恋は終わりを告げる。つまり、やる気が失せていくということだ。だからか、結婚して4年目を迎えた頃に、自分の将来を真剣に考え始めるのだが、「結婚して4年目に離婚する夫婦が多い」というフィッシャー博士の発表データは、そういった脳科学によって裏付けされたことになる。

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興奮状態を起こさせるドーパミンの作用は人体にさまざま影響するが、交感神経が刺激されて瞳孔が大きくなり、いわゆる目力が強くなり、頬もピンクになるため、女性としての色香が出る。ドーパミンは中枢神経系の神経伝達物質であるから、恋をするときにも放出されるし、恋愛初期のあのドキドキ感や、心臓の鼓動の高まりもその作用といわれている。

ドーパミンが多い女性は、必然的に社交性に富み、冒険心があって刺激的といえば、そんな女性、男は気になって目が離せなくなる。大盤振る舞いのドーパミンの分泌をどうすれば増加させることができるか?一番お手っ取り早く簡単な方法は、「笑うこと」である。本心からの笑いでなく、作り笑いでもOKだが、声を出して笑ったほうがより効果的であるという。

笑うとドーパミンと一緒に、幸せ伝達物質セロトニンも同時に放出され、刺激&癒しを感じさせたい女子にはこの上ない。他にも乳製品、アボガド、鰹、タケノコを食べるとか、カラオケで好きな歌を歌う、緑茶を飲む、適度なアルコールを飲むなどがいわれ、見慣れぬ道を歩くのも良いと言う。「見慣れぬ道を歩く」というのは、「新鮮さを感じる」点で大事という。

また、カカオ70%以上のチョコレートを1日に1、2片食べるのもいい。カカオ70%以上チョコレートにはダイエット効果もあり、これはアメリカの男性が、独自のダイエット法で115キロの減量に成功し注目を集めたもので、それがチョコレートだった。チョコレートの主原料カカオに含まれる、カカオポリフェノールにダイエット効果があるとの研究成果が発表されたことによる。

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「愛は4年でおわる」説に戻る。フィッシャー博士はそれに、「恋は3年」説を加えているが、「恋は3年」説は、古来、原始時代からの人間の本能による進化過程で生まれた脳内のシステムであるという。人間は手指を使うために2足歩行を始めるようになった、約400万年前までの進化の過程で、他の哺乳類に比べて極度に骨盤が小さくなってしまった。

骨盤が小さくなることで、子宮・産道の大きさが制限され、他の哺乳類のように生後すぐに立ったり、自力で動いたりできるいわゆる1人前になるまで、お腹の中で育てることができなくなった。つまり、人間は他の哺乳動物の基準でいえば、胎児のままで出産をしていることになる。生まれた赤ちゃんが自力で何もできず、母親の保育なくして生きてはいけない。

母親が子どもにつきっきりで保育が必要なら、父親が妻子を保護し、食事を与えなければ妻子は生きていけない。このように、子孫繁栄のために夫婦が協力し、助け合って子育てをする期間が3年である。さらに人間は、2足歩行をすることで脳が大きくなり、先を予測する能力(想像力)と理性を発達させた。この能力で、女性は出産・子育ての苦痛や苦労を予測する。

逆に男は妻子を守り育てることで感じる重責を予測する。さらには、子供を産み育てることで、男女ともに生活の上での制約をされることも予測する。そういった出産の苦痛や、妻子を養う重責や、家庭という種々の制約は予測し得るけれども、理性的な判断によって、子孫を残したり、子孫繁栄を阻むさまざまな障害を乗り越える決断をしなければならない。

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そこで脳内物質ドーパミンが、出産・子育ての期間3年の間、理性的判断を抑制して本能や感情を優先させます。こうして、子孫繁栄という人間の一番大きな本能的行為を、ドーパミン効果による恋愛システムが守り抜いたのであろう。進化の過程で様々な傾向を示すものはいくらでもある。そういった習慣や傾向などの非本能習性が、長い間に本能化していく。

氷河期時代で飢餓を経験した人類が、基礎代謝や動作以外の余分な栄養物を、すぐに脂肪に変えて体内に保存しておくシステムなどもそうである。それら人間の無意識行動の多くには、進化の過程で本能化した非本能習性と言える。食欲も性欲も睡眠欲も、自然に起こると思っているが、その「自然」って奴が本能なのだ。4年で離婚したのは大きな争いがあったから。

といっても、それは結婚1年目なら許せていたかも知れないし、仲直りできたかも知れない。それが離婚の要因と断定できるなら、「もうコイツとは別れてもいい」というすきま風があったからだろう。修復して何とか続けたいという意識があるならそうするはず。他にも嫌な点とか面とかを経験し、天秤にかけて、無理をしてまで婚姻関係を続けたい意思がなくなった。

それを何かの理由にかこつけていうのが"離婚理由"である。田川も多くの芸能人が発した、「生活時間のすれ違い」といったが、続けたくないが、続けたいを上回ったということだ。だから、離婚理由などどうでもいいが、公人なら何かと聞かれることもあり、聞かれなくとも、らしき理由を言っておこうとする。だから、「離婚理由は結婚したこと」がベスト。

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人が抱く恋愛対象というのは、実際に相手が所有するものよりも、自分で心に描き出した相手の像の方を一層愛するところがある。もし、人が自分の愛する対象を正確に、またあるがままに見るなら、もはや地上に「恋」は無くなるかもしれない。それくらいに恋は対象を偶像化するところがある。「恋はまぼろし」と古の人は言った。それは今でも変わらない。

「姿形ではなくて、心が豊かな、穏やかな人がいいな。高倉健さんみたいに渋くて哀愁のある方がタイプ」。これは田川の言葉である。彼女に限らず、人にはそれぞれにタイプがある。自分もよくタイプを聞かれた。しかし、自分にはコレという偶像化に匹敵するような注文はなかった。反面教師である自分の母と違う心のやさしい女であれば十分であった。

「好きになった女の子がタイプだよ」と答えていたが、人選びの基本は容姿よりも心であったし、心に惹かれるにはそれなりの時間がいる。かわいい子が嫌いというわけではないが、かわいいだけで満たされるものではない。結局人は人を容姿で満たすのではなく、ハート(心)であろう。生活していくうえで、容姿は役にたたない。「色男に金と力はない」と言ったものだ。

金も力もない、それでも「色男」(イケメン)がいいという女。イケの血筋を残したいという女の感性的欲望が、"イケの血筋を残したい"という優性論的本能といわれている。だからか、女のイケ好きは、男の美女好きより圧倒的に多い。人間に限らず多くの動物のオス選びは、美しかったり、強かったり、巣つくりが上手かったり、美声(鳴き声)であったりする。

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それを知るオスも、また必死でアピールするし、もっとも有名にして知られている孔雀のオスは、大きく鮮やかな飾り羽を持ち、それを扇状に開いてメスを誘う。人は、常に幸福を求めるが、常に幸福に気づかない。言い換えるなら、求めるばかりで自分が幸福を得るための障害になっていることに気づかない。あるいは、気づいていても直そうとはしない。

「そんなことをするくらいなら別れたほうがいい」というほどに自己中心的で、傲慢である。離婚を回避しようと努める人は、自己の良くない点を正そうとするし、仮にそれがはかどらないのであるなら、相手の短所(欠点)を黙認しようとする。それが、「お互い様論」である。自分のことは棚に上げ、相手のことばかりあげつらう人間は、一人でいる方が向いている。


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