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Channel: 死ぬまで生きよう!
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幸福者には不幸も必要

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ビル・ゲイツは2013年から毎年、レディット(英語圏のwebサイト)のAMA(Ask Me Anything:何でも聞いて)に登場し、世界中の誰からの質問に応えている。最近彼は、「ビリオネアでいることはミドルクラスの人より自分を幸せにする」と応えた理由を、「医療費や大学の費用について考えずに済むからね。お金に関する心配をせずに済むことは、本当にありがたいことだ」という。

ビリオネア (billionaire) とは、1,000,000,000 =one billionで10億長者となるが、そんな日本語はな「億万長者」。billionaireという単語はなく millionaire (百万長者)であったが、それでは足りない金持ちが存在し始めたということから、billionaire という造語が生まれた。我々が子どもだったころは確かに「百万長者」といった。西日本宝くじの一等賞金が100万円だった時代である。

今では「百万長者」はそこら中にいる。誰が問うたのか、ゲイツに「お金持ちで幸せか?」と聞いて「不幸だ」とは答えないが、彼は上記の理由を述べたが、「もちろん、そのために10億ドルを手に入れる必要はない」とも答え、さらには、「(このサイトに)誰もがアクセスできるよう、わたしたちは医療や教育にかかる費用がこれ以上、上がらないようにする必要がある」とも答えている。

お金があればある面幸せであるが、巷いわれるように、お金があれば絶対幸せということはない。生活できるだけのお金があればとりあえず幸せな人はいるし、生き甲斐とか人生の楽しさにウェイトをおく人も少なくない。噛み砕いていうなら、「(お金は)ないならないなりに暮らせる」というのは実感すること。かつてこんな風にいわれていた。「一人口は食えなくとも二人口なら食える」。

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なかなか良い言葉である。「お金もない預金もない給与も少ないが、独りでいるより二人が経済的にも得」との意味だが、「二人は何かと幸せ」という意味も隠されている。この言葉に推されて結婚に踏み切った者も少なくなかろう。ところが、今時の独身男は、「お金がないから結婚は無理」などと腰砕けで、いろいろ聞くと今の時代はお金がかかるらしい。さらには…

「こんな安月給の男と結婚したいという女はいないですよ」などとしょげた夢もロマンもない若者。「同情するなら金をくれ」といわれそうだが、なぜに時代は若者から夢やロマンを奪ってしまったのか?「糟糠の妻」という言葉も耳にしない昨今だ。「貧しいときから連れ添って苦労をともにしてきた妻」をいうが、「お金なんかなくとも愛情があれば幸せ!」を信じて疑わない女である。

昔はこういう女が溢れていたが、昨今は少なくなった。だからか、贅沢志向や物欲の強い女、見栄っぱり女は結婚相手に考えなかった自分だ。もともと地味タイプが好みだったが、結婚を考えていた女のある言葉で気持ちが醒めたのを覚えている。「2~3週間に一度は美容院に行きたい」といったからである。彼女は美容師だったこともあるが、それにしても贅沢である。

彼女が勤務する美容室は、麻布にあって芸能人が来店していた。それもあってか、フェイシャルや爪の手入れなどが女の楽しみという。想いが醒めた理由はいわないままに少しづつ距離をおく自分に彼女も気づいていたかも知れない。自分が結婚した1年後に、病院経営を父に持つサラリーマンとお見合い結婚をしたが、恋人は終えたが友人として続いていたので、そういう情報は知ることになる。

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結婚前には相手との種々の相談事にのったが、「子どもをお父さんに取り出してもらわなきゃいけないのかな?それはイヤだ」などの心配がユニークだった。結婚後は交流を止めたのでどうなったか知らない。何処にいるか分かっているが、会えばやはり40数年ぶりである。会いたい気持ちがない事もないが、懐かしさだけを満喫の出会いに意味はなく、会わぬがよいとの判断。

45年ぶりに逢った恋人の悔いもある。変な終わり方をしていないので逢えない状況ではないが、「あの日のことはあの日のこと」を確信する昨今だ。レディットの別のユーザーはゲイツに、「自分を幸せにしてくれるものは何か」と尋ねた。ゲイツは、「自分の子どもが元気なら、それはとても特別なことだと誰かが言っていた。1人の親として、わたしも全く同感だ」と回答している。

確かに、人間の目的の一つに子孫を残すことがある。が、それはあくまで婚姻経験者で、婚姻経験のない人や子どもに恵まれない人には別の思いがあろう。価値観を限定すべきでなく、ゲイツは自分の思いを述べたに過ぎない。イギリスの学術誌『Nature Human Behaviour』で、2018年に発表されたある最新の研究によると、人生の満足度は9万5000ドル(約1050万円)前後と試算された。

精神的な健康は6万~7万5000ドル(約660万~830万円)でピークに達することが分かった(これらの金額は世帯年収ではなく個人の年収である)。これを超えると人生の満足度も精神的な健康も逆に低下する傾向にあるという。これから、お金が必要以上にあっても何かと問題もあるのだろうか。具体的な人生の満足度が何に合致するのか分からぬが、超えると低下する何がしか理由があるのだろう。

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ゲイツはこんなこともいう。「もっと運動をするといった自分との約束を守ることも幸福度を上げてくれる」と、運動が常態化しない悩みが伺える。「人間には幸福のほかに、それとまったく同じだけの不幸がつねに必要である」という言葉に頷かされる。幸福ばかりの人はむしろ不幸であり、「苦しみと悩みは、偉大な自覚と深い心情の持ち主にとって常に必然的なもの」にも納得する。

物事を幅広く考えることでいろいろ納得させられるが、「納得できない」、「つまらない」、「楽しくない」、「不幸である」が口癖の人がいる。不満をいうことでむしろ人生を楽しんでいるようだが、他人から見ると愚痴ばかりで歓迎されない。「運命」という口実を捨て、自分の前で起こる一切は自分が作る。すべての責任を自らが負う。これこそ、「生きた」といえる我が人生哉。

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