ティーバッグの名の由来は分かるが、ティーバックは誤記で、正しくはTバックと表記するらしい。和製英語で海外ではソング(thong)、タンガ(tanga)、Gストリング(G-String)等に詳細に分類されるも、日本ではこれらの下着の総称として用いられる事が多い。中でもGストリングは上級者用で、前のデルタ地帯の布は小さく、後方部はすべて紐となっており、ひもパンと呼ばれている。
パンツの役目は保温で、ネル性ズロースがもっとも適するが、ごわごわしてへそまで隠すダサさから女児御用達となっている。Tバックは視覚的にもあれがパンツの役目を果たしているのかは疑問だが、使用者に聞くと「食い込みがいいのよ」と小さな声で教えてくれた。食い込みの良さで売れている?あんパン、ジャムパンは好きだが、ひもパンはどうにも好きになれず、男は女性の下着にはついていけない。
話はティーバッグ。あれはよき発明だ。茶こし不要でそのままポイ。あれのおかげで紅茶が飲みやすくなった。ティーバッグは1908年にコーヒー貿易商であるトーマス・サリヴァンによって偶然に発明されたというのが定説。商品サンプルの紅茶の葉を絹や木綿の袋に詰めて小売業者に送ったところ、そういう商品だと勘違いされて、その袋のままお湯につけて紅茶を煮出してしまったのだという。
それがティーバッグの始まりで、考えて造られたのではなくまさに偶然。日本では緑茶のティーバッグも珍しくなくなったが、1965年あたりから10年の歳月をかけて普及し始めたらしく、最初は麦茶のティーバッグだった。紅茶にティーバッグは当たり前に使ったが、緑茶にティーバッグは便利ではあるが、ホテルや駅弁用には向いても、家で飲むお茶にティーバッグは味もへったくれもないと思っていた。
が…。長崎旅行で2日目に止まった「喜々津ステーションホテル」のルームにあったティーバッグ。これが意外と美味しかった。ティーバッグにコンドームといえば昔からラブホテルの常備品。飲むには飲むが、味も薄く美味しいと思ったことがなかった。ところがこの度、「喜々津ステーションホテル」に置かれていたティーバッグは、これまでのイメージを覆すというのか、なかなか美味でござった。
製造元は山本山。「上から読んでも山本山。下から読んでも山本山」のキャッチコピーで名高い山本山。所詮ティーバッグの茶葉は粗末なものだが、美味しさの要因は茶葉の量と感じた。これまでの不味いティーバックは茶葉の量の少ない。ほとんど白湯に近い感じの味だが、山本山の茶葉の多さはコップ内に残ったふくらみを見ても一目。久々に渋い緑茶を味わった。
かれこれ10年になるが我が家の緑茶は、『三國屋』謹製「式部の香り」という深蒸し煎茶を水だしで2リットル作り置きし、冷たいままで飲むがたまにレンジで温める。この方法でずっとやってきた。紅茶も緑茶も水出しすることで、熱いお湯で飲むよりピュアでマイルドな味を堪能でき、水出しならでは得られるいくつかの効能もある。まずはカフェイン、カテキンが激減すること。
カフェインの過剰摂取を控えるには最適で、特保などに多量に入れられているカテキンがいわゆる渋味の成分である。水出し緑茶はまったく渋味がなく、カテキンの代わりに旨み成分のテアニンが抽出され、旨味が増す。自分は2リットルのミネラルウォーターに40グラムの茶葉を入れ、やや濃い目で作る。推奨は20~30グラムらしいが、多目に入れると濃くて美味しい。
さらには水出しならではの抽出物として、エピガロカテキンが偶然発見された。カテキン同様、体に入り込んだ異物をやっつける使命感に燃える成分だが、エピガロカテキンは一部のがん細胞に働き、がん細胞の増殖を抑える効果が期待できるばかりか、免疫細胞であるマクロファージを元気に働かせる役目が、免疫力アップに貢献してくれる。などなど水出し緑茶の効能は大きい。
効能はともかく、長年水出し緑茶を飲んでいると、久々に渋味満載の緑茶に心を奪われてしまった。妻一筋の男が別の女体を味わった感動に似ている(例えとしては変だが実感として)。「このティーバッグ緑茶はいける」と、帰宅するなり同じものをネットで調べて購入となった。伊藤園など通常のティーバッグ (1.5g~2g)より量が多い (2.3g) からか、かなりの渋めでインパクトがある。