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噴飯ものの徴用工判決 ①

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近年、「日韓併合」という語句がほとんどみない。かつて朝鮮半島は大日本帝国の一部だったという事実は日本の教科書になく、自分たちも教わらなかった。米ソ冷戦下で南北に分断され、朝鮮戦争によって荒廃した。南の大韓民国は、「朝鮮半島唯一の国家」として韓国を日本に承認させ、「戦時賠償」として日本から復興資金を得ることを求めて日韓交渉を続けていた。

交渉開始当時の日本政府(佐藤栄作内閣)は、国家承認には応じたものの、「戦時賠償」を拒否。なぜなら戦時中の韓国は大日本帝国の一部であったし、論理的には日本とは戦っていなかったことになる。しかし北朝鮮の脅威にさらされる韓国を放置するわけにもいかないとし、「戦時賠償」という名目ではなく純然たる、「経済支援」なら応じようと韓国側に答えた。

経済復興を急務とする当時の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(朴槿恵(パク・クネの父)政権は、日本の申し出に応じたことで、1965年の「日韓基本条約」で、日本は韓国を承認して5億ドル(無償3億ドル、有償2億ドル)の経済支援を供与することになる。同時に交わされた、「日韓請求権協定」により韓国は対日賠償請求権を放棄し、対日請求問題は、「最終的・完全に解決」した。

これによって、日韓併合時代に何らかの被害にあった韓国人は、「日本政府ではなく韓国政府に賠償請求してください、そのための資金として韓国政府に5億ドルを支払いました」ということだった。ところが韓国政府は、日本から供与された5億ドルをインフラ整備などの公共投資に使ってしまう。そのことで、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれた経済復興を成し遂げた。

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その一方で、「日韓請求権協定」については国民に説明せず、個人請求権についての責任の所在をうやむやにしてきた。それもあって、1980年代には日本軍の、「慰安婦」だったという女性が名乗り出て、日本政府に謝罪と賠償を求めた。しかし歴代韓国政府も、「日韓請求権協定」を無視するわけにはいかず、日本政府に対して法的にではなく、「道義的責任」を追求し続けた。

2015年、米国オバマ政権の仲介により、安倍政権が朴槿恵(パク・クネ)政権との間で、「慰安婦合意」が結ばれた。この内容は、韓国政府が設立する「元慰安婦支援財団」に日本政府が10億円を拠出するとともに安倍首相が、「慰安婦としてあまたの苦痛を経験され心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に心からおわびと反省の気持ちを表明する」と声明をだした。

これにて日韓両国政府は慰安婦問題が、「最終的かつ不可逆的に解決した」と確認しあった。ところが、「徴用工」問題に火がつく。戦時中、徴兵による労働者不足を補うために日本政府は国民徴用令を定め、学生や主婦などを労働者として動員したが、強制労働ではなく賃金が支払われた。日本領朝鮮に対しては、徴兵制も国民徴用令の適用も敗戦の前年まで遅れていた。

しかし、それ以前から朝鮮の若者たちが自由意思で日本本土に渡航し、工場や鉱山で働いていた。こうした戦時労働者だったおじいさんたちが、「徴用工」と称して未払い賃金の支払いを求めて日本企業を次々に提訴し始めた。日本企業は控訴したが、2018年10月30日に韓国大法院が、「日本企業は賠償金を支払え。応じなければ資産を差し押さえる」という判決を下した。

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この判決は、「1965年締結の日韓基本条約や日韓請求権協定で解決済みだ」との立場をとってきた歴代の両国政府の立場を真っ向から否定するもので、日本政府は承服できないものだった。大法院の13人の判事のうちの2人が、「日本企業でなく韓国政府が強制徴用被害者に正当な補償をすべき」として請求棄却を主張したものの、少数意見ということで採用されなかった。

これは正当な、「司法判断」というではなく、「し放題判決」である。日韓両国の正常な関係を根底から揺さぶるどころか、日本と日本人の韓国という国家に対する信頼を損なうだけでは済まない判決である。係争中の裁判で日本企業の敗訴が続く恐れがあるほか、新たに同種の訴訟を誘発する懸念もある。そもそも国家間の約束である条約は、国内法より上位とされている。

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