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カルロス・ゴーン落日

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ゴーンが逮捕された。驚いた。あのゴーンがである。逮捕容疑は、有価証券報告書の虚偽記載だという。なんとも陳腐な守銭奴男だったのか?同容疑は一連のライブドア事件で逮捕された堀江、宮内、岡本、中村の4容疑者は、証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)の罪で起訴されていたが、同4容疑者はその後、有価証券報告書の虚偽記載で再逮捕される。

金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)というのは、分かりやすくいうと、収入を誤魔化したということ。同法律は、上場企業などに事業年度ごとの経理状況など、事業についての重要事項を記した有価証券報告書の提出を義務づけている。報告書内容に虚偽記載があった場合の罰則は、個人は10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金、法人は7億円以下の罰金。

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同法は、投資家が正しい情報に基づいて判断できるよう保護する目的で、影響が大きいと証券取引所が判断すれば、上場廃止になる場合もある。ホリエモンこと堀江貴文は逮捕後に懲役刑となったこともあり、おそらくゴーンも懲役は免れまい。 堀江とは比較にならない経済人ゆえに、あえて、"あれほどの人が"との言葉を使うがなぜこんな陳腐なことを…?

こうした虚偽申告に対して株主は、"発行会社に対する損害賠償請求権"が認められており、そのことから、カルロス・ゴーン会長が容疑の内容で逮捕されると罰則が適用される。罰金どころか株主から訴えられゴーン会長の財産によって賠償請求に対して支払わなくてはならなくなる。日産自動車は19日、ゴーン氏の会長と代表取締役の職を解く提案をすると発表した。

同社はゴーン氏の金融商品取引法違反についても事実と認めている。同社の声明によると、内部通報を受け、数カ月間かけて調査をしてきたことを明らかにした結果、「(ゴーン氏の)報酬額を少なくするため、長年に渡り、実際の報酬額よりも減額した金額を有価証券報告書に記載していたことが判明した」とし、代表取締役を務めるグレッグ・ケリー氏も関与したという。

如何に才あろうと、このようなことをするゴーン氏がおバカであるのは衆目の一致するところで、日産に迎えられて辣腕を振るった過去の栄光すら見る影もない有様である。カルロス・ゴーンは、Carlos Ghosnと表記するが、Memories of gone, Ghosn'sNissanである。2004年3月期、日産自動車は過去最高の業績をあげた。5年前の苦境は完全に過去のものとなった。

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日産の快進撃の立役者こそが、社長のカルロス・ゴーンである。1999年、彼は窮地にあった日産に提携先のルノーからやってきた。その際ゴーンは、「約束したコミットメント(公約)が達成できなければ、自らを含む取締役全員が辞任する」と公言して周囲を驚かせたのが記憶に新しい。結果は言うまでもなく5年後の過去最高収益という数字が物語っている。

ゴーンが日産に来た半年後の99年10月に、「日産リバイバルプラン」を発表した。これは会社を再建するための3か年計画であるが、工場閉鎖や人員削減案を含むことで話題になった。「日産リバイバルプラン」は短期間で作成されたものだが、ゴーンはこれをもとに行動し結果を出す。これによって社内で危機意識が生まれ浸透したことが最大の理由である。

3か年計画を2年で達成したゴーンは、次の3か年計画を「日産180」を打ち上げた。これは、販売台数を100万台増やす。営業利益を8%にする。負債を0にするとの意味が「180」に込められている。当時、ゴーンはこんなことを述べている。「どんな改革にも重点をおくべきは人である。私たちがしようと思うこと、そのすべての背後には必ず人がいるのです。

そして同時に、『モチベーションを与えること』も必要です。改革を推進するスタッフが、モチベーションを持てる環境づくりこそがトップや上司の役目だと思います。もう一つ重要なことは意識改革です。つまり、人々に異なる視点を与え、会社の現実を今までと違う角度からみられるようにする。モチベーションと意識改革こそが、組織改革で重要となります」。

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さらにゴーンは、「私にもモチベーションは必要です。生計を立てる、家族を養う、その他に、よりレベルの高い、哲学的なモチベーションもある」と個人的なことも述べているが、今に思えば、収入を誤魔化す理由は、正しい報酬を記載すると批判が高まるのを怖れたのだろうか?ゴーンの役員賞与は10億9800万で、トヨタ社長の豊田章男は3億8000万円だから3倍である。

さらにはルノー社、三菱自動車の社長も兼任だから20億円近い年収と思われるが、これが虚偽なら実際は…?2018年6月26日、横浜市で開かれた日産自動車の定時株主総会。ある男性株主が最終盤に質問に立ち、日産で昨年発覚した完成車の無資格検査問題に触れ、「あれだけのことを起こして誰がどう責任を取ったのか」と怒りをあらわにする場面があった。

怒りの矛先は、日産の社長兼最高経営責任者(CEO)である西川廣人氏の報酬額に向けられた。西川氏の2017年度の報酬は前年度比26%増の5億円。度重なる不正発覚で株価を毀損したにもかかわらず、経営者が高額報酬を安穏と受け取っていたなら、「誰も責任を取っていない」と株主に批判されても仕方あるまい。この時、日産会長のゴーン氏の回答は明快だった。

「日産CEOの報酬は非常に低い。会社の規模や優秀なリーダーを持つ重要性を考えると、決して不当な水準とは思えない。」

西川氏は不祥事が問題化した後に報酬の一部を自主返上した。不祥事の煽りを受けたゴーン氏の報酬額は、さすがに前年度比33%減の7億3000万円と報告書記載だったが、これに加えて会長を務める三菱自動車から2億2700万円、会長兼CEOを務める仏ルノーから約9億5000万円)の役員報酬を受け取っているが、今回のゴーン氏の過少申告額は50億円にのぼる。

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他の自動車メーカーの報酬額は?スズキ会長鈴木修氏は2億2000万円、ホンダ社長八郷隆弘氏は1億5500万円、三菱自CEO益子修氏は1億4100万円、マツダ社長小飼雅道氏は1億1700万円。どうにも日産が飛び抜けている。ゴーン氏が総会で強調したのは、グローバル競争が激化する自動車業界において、「世界に通用する」経営者を採用、つなぎ留めることの必要性。

そのために競争力のある役員報酬が不可欠というゴーン氏の主張であったが、清貧を美徳とする考えが根強い日本社会に一石を投じると思いきや、自らが救った会社を最後は食い物にした悪辣なる企業人は陳腐な守銭奴だった。これだけ収入がありながら、虚偽の申告をしてまで銭を欲しがる陳腐な守銭奴。「足るを知らぬ」底なし男の哀れな末路といえよう。

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