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パナソニックとリンナイ ③

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昨今の消費者保護の姿勢は、善良な消費者にとっては有難くこの上ないが、悪辣な消費者が付け込む要素も多分にある。こうしたクレーマーといわれる悪意な消費者対策も企業の悩みの種である。情報化社会は、消費者同士の横のつながりを必然的に生み、そういった情報を元に企業を揺さぶるが、クレームとクレーマーの種別を企業も判別できるノウハウを持つ昨今である。

論理的で筋立てた物言いの消費者もいれば、怒り任せに感情むき出しの消費者もいる。機械は壊れるという前提であれ、壊れた時の消費者の心情をメーカーがどの程度把握するかが企業の製造責任といったが、製造責任とは善意だと思っている。リンナイ社に対して自分は声を荒げず冷静に意見を述べた。毎日使用するガスコンロだが、近年は大型テレビやドラム洗濯機よりも高額だ。

コンロが5000円~10000円は過去の話。キッチンそのものが高級化し、ならばキッチン機器もそれに合わせた見栄えのいいものになる。さらには煮こぼれ防止、空焚き防止装置が法制化され、セーフティ機能が機器を複雑にし、その分価格も高騰した。たかだかガスコンロとはいえない商品価格である。価格が高いとなると、修理代金も高く設定されても見合うという事か。

高い安いは主観的なもので、ネットで、「リンナイガスコンロ修理」で検索してみたところ、「(リンナイ)ガスコンロが故障、その修理内容と料金にビックリ」という書き込みがあった。高い修理代金とは9135円であった。これが高い?自分ならこの程度なら安いと判断するが、まあ主婦感覚だろう。別の以下の書き込みは、無償修理で感謝と思いきや、次回はパロマにするという。

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メーカーは誠意を見せているが、消費者の気持ちというのはなかなか辛辣である。これも自分なら誠実に感じられるから違和感はない。消費者の気持ちというか、他人の腹の中は分からないものである。当事者としてのメーカーは、様々な消費者とに相対していることだろう。メーカーにとって機器の修理や不具合は悩みの種だが、そっくりそのまま消費者に当て嵌まる。

いや、その言葉は消費者のみに向けられていい。メーカーはあくまで製造責任を負わねばならない立場である。パナソニックは今でこそ機敏な修理体制をとっているが、かつてナショナル時代は違っていた。直轄のサービスセンターを置かず、近くの販売店(ナショナルショップ)を儲けさせるためなのか、修理マニュアルを販売店に置いたり、研修したりの対応だった。

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そんなことでは後れを取る時代になっている。機器の構造や電子回路が複雑で、専門技術者の養成が必須である。クルマなどは特に顕著で、昔はキャブ車(キャブレター(燃料噴射装置)搭載車)が主流だったが、現在は電子制御燃料噴射装置(インジェクション車)が主流である。単純な機械的構造を持つキャブ車はメンテナンスも簡単にできたが、今は自分でいじれない。

コンピュータ制御のインジェクション車は、メカ好きな若者からクルマをいじる楽しみを奪ったのかも知れない。それが若者のクルマ離れの原因とは言い切れないが、メカオンチ男が多くなった、冴えない時代である。子どもの頃の自分は、ゼンマイ仕掛けや電池仕掛けで動く玩具の内部構造にしか興味がなかったこともあり、一通り楽しんだらすぐに飽きて壊して分解する。

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自分は今回のガスコンロ故障に際し、リンナイ側の企業姿勢を問うた。機械だから壊れてもいいが、修理代金にふてくされるユーザーは結構多く、仕方なしにしぶしぶ払う心理と、パナソニック製品のように、まあ壊れてもいいや(修理部品が安いから…)という気持ちで使用できるのと、壊れて怒りが沸き上がるのとでは、消費者心理には格段の差があるといえる。

「修理を利益に目論んではいないか?」自分はパナソニックを引き合いに出し、「こんにち大会社たるリンナイに自負があるなら、消費者への社会還元の企業姿勢を見せてもいいのでは?リンナイはそうした社会的使命を負う企業に成熟すべきでは?」などと具申した。これに対しリンナイ側は意見に対する謝意と、「今回は無償修理にさせていただく」という対応を講じた。

修理代が無料になったことは望外だったが、後日修理に訪れたサービスマンに部品代を尋ねると、21000円+税という。部品入の箱にはわざとらしく、21000円と書いてあるのを見せたが、単体部品としては高い。モーターが何のために必要であるかを聞いたところ、コンロのつまみに丸型とスライド型があり、丸形のみモーターで火力調節をする。スライド式の場合はモーターはない。

となると、「モーター式の方が壊れやすいのか?」と尋ねたところ、「そうなります」という返事だった。スライド式は自然な火力調節で、これは従来型で昔からの方法だが、最上位機種のステレオアンプのようなつまみ式は見栄えのためであろう。だからといって、壊れやすいでは商品的に問題がある。あげく、修理部品が4~5000円ならまだしも、税込み22680円は高額だ。

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製造原価はざっと2、3000円程度に思うが、パナソニックのように部品代を安く抑えるのが、本来的なサービスの姿勢である。パナソニックはナショナル時代に直轄サービスセンターを置いてなかった時代を糧としたのかも知れない。サービス事業の強化は自動車メーカーを見ても、近代的経営の一環であろう。ネットで調べてみると、ハーマンがサービスが悪いとあった。

ハーマンはかつては大阪ガスの子会社だったが、現在はノーリツの傘下にある。ビルトインコンロではリンナイやパロマに比べて経験が長く、両面焼きグリルを開発したのもハーマンである。現在のシェアでは、リンナイ>ハーマン>パロマという情勢だが、ガス調理器メーカーはいずれもオール電化(IH)に怯えている。どちらがいいかの比較要素はいろいろある。

購入の際にはそうした調査も必要だろうが、自分はIHが好きではないので、今後も使う予定はない。ガスコンロは火を使うので危険、ガス漏れの不安もあるというのがIHのセールスポイントになっているが、ガス機器は2008年10月以降、「調理加熱防止装置」、「立ち消え安全装置」の搭載が義務付けられており、以前の製品に比べて安全性はかなり向上している。

したがってIHとガスコンロにおける機能面での差はほとんどないと思うが、新築やリフォームの際に結構悩むらしい。さて、どちらの方が耐用年数が長く、故障がすくないのか?気になる点だが、こればかりは機械でもあり、使用頻度や使い方によってもまちまちでどちらに軍配が上がるとは言えない。15年使う人も3年で壊れた人もいるように、機械はきまぐれである。

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