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「JA」 は 「邪」と読む

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「神戸プレジール本店」における神戸牛偽装問題は内部告発というが、誰がどこに内部告発を行ったのかなどが明らかにされていないし、JA全農兵庫の発表だけでは信用できない点が多い。JA全農兵庫は、「神戸プレジール本店」と、「神戸プレジール銀座」の2店舗を直営しているが、どちらの店舗も食肉業者から一括仕入れをしているはずで、その方がコストダウンとなる。

JA全農兵庫は、偽装は神戸本店のみで銀座店では行われていないとしたが疑問点はいくつかある。①神戸牛の不足はなぜ神戸本店だけで、銀座店は足りているのか?②偽装した総顧客数は3200食というが、提供したのがすべて但馬牛というなら、神戸牛は仕入れていなかったことになる。仕入れ担当者が1年半も神戸牛を仕入れしていないなど、経営的にあり得ない。

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神戸牛を提供していないということは、神戸牛を仕入れていないことではないか。一年半もの長期にわたり、料理長が独断でやっていたなどあり得ない。③内部告発というが、内部情報をどこのメディアに告発したのか?それとも警察なのか?もし、後者であれば警察は内偵捜査というより、JA兵庫に連絡をして自主調査をさせるだろう。これを別の言い方で癒着という。

こうした刑事犯罪を立件するにはややこしい案件に対して警察は、すぐに事情聴取をするなどはせず、なるべく事件にならぬように自主規制、自主解決をさせたい。今回のような偽装詐欺というのは、被害者が警察に被害届を出したわけではないし、刑事事件として立件し、慶事告訴にする犯罪は、詐欺と決定づける証拠が必要となるが、被害届のない犯罪を警察は渋る。

刑事告訴の場合、加害者を訴えるのは被害者ではなく検察官で、その流れは、「警察が捜査を行い、その結果を書類送検し、担当の検察官(検事)が起訴するか不起訴とするかを決める。不起訴の場合はお咎めなし、起訴の場合は裁判で求刑し、その裁判によって刑が確定したり、無罪となる」。食品偽装表示における刑事処分の運用例は過去にあったが、本件は偽装表示と異なる。

食品表示は一般消費者が食品の品質を正しく理解した上で選択し、飲食するために重要な情報を提供するものであり、その表示を偽ることは一般 消費者の食品の選択の自由を侵害するだけでなく、特定原材料等の健康に関わる情報を偽った場合は、一般消費者の身体・生命への侵害を引き起こすこととなるが、但馬牛を食べたからといっても病気になるわけではない。

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食品偽装表示に対しては、様々な法令により罰則規定が設けられており、産地偽装などは刑罰・微罰ということで、やったもん勝ちというところがある。今回のJA兵庫はレシートを条件に返金するというが、誰が1年前のレシートなどを持っていようか。余程の悪質な食品偽装表示事件に対しては刑事罰が科されてきたが、古くは昭和35年の、「ニセ牛缶事件」というのがあった。

近時では平成13年、雪印食品牛肉偽装事件⇒(詐欺罪)、平成14年もは全農チキンフーズ鶏肉偽装事件⇒(不正競争防止法違反)、平成16年にハンナン牛肉偽装事件(詐欺罪・補助金適正化法違反)などの検挙例があった。これら偽装事件がきっかけとなり、食品偽装表示の実態が次々と明るみとなるが、微罰の偽装事件は後を絶たない。今回の事件も警察沙汰にはならないだろう。

あくまで想像だが、本件は内部告発というより、食肉納入業者からのタレこみかと自分は考える。それだとJA兵庫のいう、「神戸プレジール銀座」店は偽装がされていないといいながら、調査を兼ねて休業するというのは腑に落ちないが、仕入れが同じなら神戸に不足なら東京も不足であろう。仕入伝票などは誰も見る立場になく、JA兵庫の見解を信じるしかない。

文春や新潮も、不倫の待ちぶせばかりしていないで、取材に行くべきだろう。部数がでるからと私的なことばかりでなく、公的ごとにシフトせよ。取材力に期待したい。食肉業者は横のつながりがあり、神戸牛や但馬牛そのたブランド牛のキロ当たりの仕入れ値などは、扱い業者によってそれほど格差はないと思うが、その辺は知識も素養もないので、よく分からない。

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ただし、本場の神戸をはじめとする全国の神戸牛を扱うレストランで提供する価格設定と、JA直営店のそれとがあまりに開きがある場合、他店の神戸牛専門業者は、JAに敵対心を抱くはずだ。今回のように、偽装が公になり、信用失墜となれば、「ザマ~みろ」である。したがって、神戸牛を扱う業者にとって、JAに仕入れがないというのは、大きな疑念であろう。

そういう事は業者間のつながりや情報から明らかになると推察する。いずれにしても注文を頂ける間はお得意様であるから、目をつむることもあろうが、神戸牛の仕入れもなされずに営業するということで、告発がなされた可能性もある。1年半も偽装しながらすっとぼけるJAには呆れるというより、強制捜査がない以上、誤魔化す方が得策だ。文春砲の炸裂を期待する。

農協の米以外の農産物の販売事業はすべて赤字であり、利益は別のところであげている。先ずもって農協が世界一の飼料メーカーであることを知る者は少ない。ばかりか、農協は日本一の肥料メーカーであり、不動産事業や金融に積極的に取り組むなど多角的経営を柱とする。扱っていない事業は風俗とパチンコくらいと言われるが、所詮農協は農家にとっては拠り所である。

ジャーナリスト立花隆は多くの農家を取材したが、その過程の中である農家の声が、農業の現状を言い表している。「建前ではみんな、まだ行政の保護が不十分だといってるけど、ほんとは保護が手厚すぎて、現状維持が制度的に温存されたのが失敗だの。農協の指導も、だれでも600キロの反収をあげられるようにしたのは、一面では成功かもしらんが、一面では失敗だの。

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だれでもできるから、職業としての競争原理が働かなくなっちまった。そして農民を他力本願にしちまった」。実際、農業従事者は、農家の自立能力について言及するが、「自立能力がない農民に早く離農してもらわないことには、ほんとうは自立能力がある農民まで、いつまでたっても政府の保護を離れられないという状況がつづく」。跡継ぎの問題も含め、魅力ある農業はやる気である。

確かに日本政府の保護農政は失敗であったろう。上限と下限とかなり幅がある価格支持政策に切り替えて競争原理を導入すべきであったが、あの時点においては、農家と政府とで利害の一致があった。識者の見解は、農家が農協に依存するのは危険としたが、農協依存体質から抜け出す試みをしていくためには、自らが販路を切り開き、拡大して行く以外になかった。

親から先祖代々受け継いできた田畑を、しかたなく耕し、種を植えるというネガティブな農業従事者に、販路拡大などできるハズもない。そこには農協と農家の利害が一致したのである。積極的な気持ちが前に出てさえいれば、農協ではなくとも、身内や近所の人相手に商売はできたはずだ。こんにちは、インターネットという販路拡大ツールがあるが、30年前にはなかった。

作る人は売ることが苦手なのは、どこの企業でも同じ事。製造部から営業部への配転は難しい。思い出すのはマツダの危機と再建である。、第1次オイルショックの後、アメリカ市場を中心にロータリーエンジン車の販売が急激に落ち込み経営危機に陥った東洋工業(現:マツダ)が、主力銀行である住友銀行(現:三井住友銀行)の主導によって再建に取り組んだ。

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あの時は、工場の工員たちが作業服をスーツに換えて全国の販売店に配属されて行った。自動車業界の販売競争は熾烈で、メーカーはディーラーに対し、新車拡販に強い圧力をかけていた。ある県を担当する東洋工業ロードマンは、ディーラー社内に深く入り込み、新車拡販の旗を振り、檄をとばしたという。その甲斐あってディーラーは連月販売新記録を更新していた。

話を農協に戻すが、農協は本来的には農家の自発的な相互扶助的な運動体として始まったが、いつしか巨大組織となり、農家の上にあぐらをかいて農家の人たちを口車で丸め込んでカネ儲けに走っているとか、農業補助金を食い物にして既得権益化しているなどの批判は根強くあり、政府の規制改革会議は、2014年にすでに農協法に基づくJA中央会制度を廃止案を打ち出した。

地域の農協活動を自由化し、農産物販売などを担っている全農を株式会社化するなど、JAグループ解体に等しい改革案を提起するなど、政府による農協改革は岩盤規制改革の象徴の一つとされていたが、全中の反対が強く進展しなかった。2015年2月、全国農業協同組合中央会(JA全中)は、監査・指導権をなくし、2019年3月末までに一般社団法人に転換すること決定した。

1954年の発足以来60年ぶりの大改革で、農村票を武器に発言力を持つ全中の権限が縮小されることとなる。戦後の農政は食糧難に対応するため、コメの増産を最優先にしてきた。コメの集荷を一手に引き受けたのが地域農協で、その頂点に立って指導・監督・統制してきたJA全中が指導権廃止を受諾したことで、地域農協などから集めている年約80億円の負担金もなくなる。

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以後全中は運営費を任意の会費で賄うことになる。農産物の集荷・販売を担う全国農業協同組合連合会(JA全農)は、株式会社に転換できるようにする。一方、下部組織の都道府県中央会は、指導の権限がない、「連合会」とするが、農協法上の位置づけは残すことにする。これは統一地方選や参院選のこともあり、農業票離れを懸念する与党内の慎重論に配慮した。


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