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花オンチの花便り

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♪さいた さいた チューリップの花が ならんだ ならんだ あか あお き色…

確かにどの花みてもきれいだ。おそらく、花の名前を初めて知ったのがチューリップだったのではないか。薄い記憶だが、チューリップの花をクレヨンで画用紙に画いた記憶が残っている。確かに子どもにとって、チューリップは画きやすい。バラやサクラを画けといっても画けるものではない。チューリップにサクラ、レンゲやタンポポという野草、それに大嫌いな菊。

子どもの頃に知ってる花の名はこれくらいだったかも知れない。菊が嫌いな理由は、たびたび親に連れて行かれた菊人形展がその理由。遊園地なら楽しいが、そんな所よりも何故か菊人形。5~6歳の子どもに菊人形のどこが面白いものかと。子ども心に、「なぜ人形が菊の服を着ているのか、理解できなかった。あんな服はないだろうと…」。そんな自分を「花オンチ」と自認する。

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男の子で花に魅かれ、花に興味を抱くなんてことはないし、レンゲの首飾りを作って王女さま気分に浸っていたのは女の子だった。枯れたタンポポに「ふ~」と息をかけて胞子を飛ばすのがオモシロかったのは覚えている。植物ってのは、自ら動けないから、ハチや蝶によって受粉を行うしかないが、タンポポは風を利用して自ら動こうとする優れもの、頭のいい植物である。

こどもの頃は意味も分からず吹いていたが、理由を知ると新たな感動と、それはそれで十分に知識というものだ。ウォーキングをするようになって、野山や住居の庭の草花が目に付くようになった。普通に歩いて目に入るのは、べっぴんさんの顔とケツと、草花とコンビニの看板くらいか?それ以外に何があろうか?ランドセル姿の子どもの後ろ姿を観察するのは好きだ。

だいたい2~3人で道行く子どもというのは、大概ランドセル姿の学校帰りが多く、休日などで子どもの集団は公園や空き地の広場と決まっている。学校帰り以外で道行く子どもを見るのは確かに少ない。最近の子どもは、一人で出歩かないよう学校で指導されているのか?ランドセル姿の子どもを見るのは楽しく、飽きない。彼らはなぜあんなに天心に成り得るのか?

特徴を言えば、女の子同士は距離感せまく、寄り添って会話に夢中であり、男の子は双方の距離感などというものがなく、互いがそれぞれに勝手気ままに、好きなことをやっている。歩道があるのに、わざわざ水のない側溝の中を歩いてみたり、棒キレを手に持って草を叩いたり、とにかく悪さのしっぱなしだ。どうして女の子と男の子はこうも違うのか、考えさせられる。

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会話に夢中になる女の子が言語(ボキャ)が発達するのも理解できるし、男の子が大人になってもやんちゃである理由も、勝手に一人行動するようになるのも、大いに理解に及ぶ。まさに「三つ子の魂」は、百までに通じるものかと。そういえば北海道で不明になっていた大和くんが、子どもの足で10キロ近く歩いていたのが、不思議とされた。「よく歩いた」、「すごい脚力」などと。

学者、専門家などの意見を吹き回しにするが、そんな大人の論理でなく、どうしてもっと子どもの気持ちになって単純に考えないのだろう。コイツら暗い夜道を歩いたことがないのでは?と訝しくなる。今でこそ道には街灯、防犯灯なるものが整備されているし、民家の数も多くて昔にくらべて町全体が明るいが、昔の夜道は怖かった。祖父母宅から生家までの数キロが怖かった。

夜の明けぬ前の新聞配達の経験もある。子どもにとって暗闇はなんと怖いことか。それを思うと、大和くんはあの暗闇を、無我夢中駆けたのではないか?普通に、まともに歩いたという状況でなく、怖いの強迫観念に支配され、何ひとつ思考できる様子でなかったのでは?宮沢賢治の原作をアニメにした、『銀河鉄道の夜』という映画を子どもに観せたことがある。

その時の感想は「なんか怖い」であった。「何が怖い?」と聞くと、「絵が暗い」、「夜が多くてなんか怖い」というのを「なるほど」と思った。確かに一般的なアニメ映画の明るさはない。あの映画は、深い漆黒の暗闇に主人公の濃紺色が溶け込んでいる。街灯の夜道を駆けて使いにいくジョバンニに闇が襲い掛かるのを、子どもは同化するのだろう。そこは頷くしかない。

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母親に頼まれた薬を買いに、わざわざ夜道を行かなくても次の日にすればいいものを、薬だからか、今必要なのだろう。大和くんが闇の怖さを跳ね返すために、疲れを忘れてあの道を走ったのを想像する。怖いから駆け、駆けると怖さから逃れることになる。なぜ、怖いと人は駆けるのか?人だけではない、ワンちゃんでもネコちゃんでも怖いと駆ける。駆けて一目散に逃げる。

怖いと駆け出す理由は、逃避であろう。その場から逃げ出すことだが、夜道はどこまで駆けても怖い場の逃避にならず、だからずっと駆ける。そんな子ども時代の記憶はある。今でも何か殺気に感じれば、夜道を女性は駆けるだろう。男が殺気を感じて駆け出すものかどうかは定かでないが、女性が駆け出すのは分からなくもない。男から見て女性である事は大変のようだ。 

闇の怖さの克服は、人間の文化の歴史である。   闇という情報の希薄さ、情報の無さにあっては、そこで何があっても、あった時の対処を事前に立てられない不安、それが闇の怖さだ。人は情報のほとんどを視覚に頼って生きている。が、子どもに及ぶ怖さというのは、単純にお化けが出そうな怖さでもある。そういう記憶がある。そこで逃避であり、逃げるが怖さを忘れさせる。

動物も何かあったら逃げるといった。動物より知能の高い人間は、何かあったら逃げるでなく、何かが起こる前、つまり危険を予測し、回避・逃避できる能力がある。人間以外の動物は、危険の回避はできても、未然の恐怖に怯えることはない。人によってマチマチの、「危機管理意識」というのは、崇高にして重要な能力であろう。予測ナシに人は生きるのが難しい。

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『銀河鉄道の夜』から、子どもの感受性を知ることになった。大人は多くのことを忘れ、それで子どもに対処するが、子どもにとってはさぞ迷惑なことだろう。子どもは「保護」されるべくものだが、あまりの心配性の親の「過保護」も問題だ。何事も「中庸」が難しいのは子育てに限らずである。ヒトの幼児が無力であり、幼児を世話し、食物を与えるのはもっぱら親である。 

「女性の乳首が敏感なのは授乳を促進するため」というのを読んで、目からうろこが落ちたものだ。そうはいっても、女性はそれを乳児以外の相手にも求める。が、相手が恋人であれ、夫であれ、そこいらのおっさんであれ、その行為は相互依存に変わりない。アドラー心理学で名を馳せたアルフレッド・オーストリアの心理学者アドラー博士はこんなふうに言っている。

「新生児の最初の行為である"母の乳房からお乳を飲む"行為は、協同作業である。それは母親にとっても、子どもと同様、快いものである」。子どもにとって、他者が喜びを与えてくれるという「ふれあい」感覚が芽生える第一段階である。幼児の世話というのは、 子どもの要求を満たすことである。それがどうしてだか、どういうわけだか、母親の子どもへの要求に変わっていく。

宿題をしなかったから、車でわざわざ子どもを置いてきぼりに連れ出すという母に何が間違っているのか?そこを親がしっかり考えないと、宿題をしない程度で、子育てを歪めてしまう。人や車に石を投げたので放置したという親もいたが、その行為が本当かどうかは分らない。放置の正当化要因とも取れるが、石を投げた子どもの手を叩いて、しかと諭すことはできよう。

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それができないで、恐怖体験だけで悟らせようなどは、親の怠慢である。押入れに入れられたり、お灸を据えられたことで、それでいい子になったとの自覚はなく、いい子になろうと思ったこともない。やはり大事なのは、目と目でする心の通ったコミュニケーションであろう。子どもには「ギャングエイジ」という年代があるが、その時代はむしろ、親が試されることでもある。

花について書くつもりだった。まあ、何につけ記事は記事。川土手を利用して花造りに勤しむおっさんがいる。年代は70歳前後であろう。余りに美しく咲いてる花につい名を知りたくなった。映画『君の名は』ではないが、せめて名を知りたくなるのは人情だ。「これは何と言う花ですか?」と尋ねた。「これはスイートピーだよ」とおっさん。「きれいですね」と返したものの…

心の中では「これがスイートピーなのか」と知った感動に浸る。♪春色の汽車にのって海に行きたいと。そして、心の岸辺に咲いた花、線路の脇のつぼみ、そして心に春が来た日、との松田聖子を想い浮かべながら、「これがスートピーなのか」と嬉しくなる。イッパイ咲いていたのは春だったが、今はすべての花が切り取られ、茎も葉もベージュに変色してしまっている。

数日後、そんなスイートピーを知り目に、これまた背の高い茎に、ゴージャスで、派手な花が群を連ねているではないか。 「先日はスイートピーを教えていただきました。ところで、この派手な花は何でしょうか?」。「これはタチアオイってんだ」。「すごい背丈がありますね」。「こんなもんじゃない、もっともっと高くなるよ」と、おっさんと花談義に花が咲く。 

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知ればそれが知識だ。知識も増せば、名も知れぬ花も満足であろう。「わたしはタチアオイよ。名前くらい知っててね」と知る前はそんな気分だったが、知った後には満足そうに大輪がこちらに向かって微笑んでいる。いや、美しい。実に、美しい花だ。昨日も雨、まさに梅雨に彩るタチアオイ。あのピンクは女性のパ○○○を髣髴させられた。それをスケベと言うかい?        
      

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