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人間誰しも腹黒い

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小林よしのりが「ベッキーは鈍感で腹黒い女、それを知ってガッカリ」と言ったという。それについてあるメディアは、"言葉を選ばず素直な思いを明かした"と評したが、腹黒いからそう言ったまでで、言葉を選ぶ必要はない。「腹黒い」は誰でも使うが、心に何か悪だくみをもっている。陰険で意地が悪い。が正しい意味で、人によって意味合いは違う。

自分は「腹黒」を、人の言動の「裏腹」と解す。「腹黒い」、「裏腹」、「腹に一物」などの「腹」は見えない部分「心」であろう。切腹で腹を切るのは、「腹部には人間の霊魂と愛情が宿っているという古代の解剖学的信仰」があった、と新渡戸稲造は指摘する。誰の心にも善と悪があり。普段はそれを隠しているが、何かの拍子に現れると、「あいつは腹黒い」となる。

悪だくみや悪意の種類は人それぞれだが、他人を陥れることで自分の利益を得ようとするのは人にあるまじきことだが、人にあるまじきことをするのも人である。犬にあるまじきとなどと言わない。馬は何をやっても馬である。人の子どもは、純真で無垢できれいな心を持っている。しかし、そのままで社会を生きていくのは難しく、自然と悪を身につける。

ベッキーが腹黒いと小林は感じたようだが、不倫をし、それを隠し、いい人ぶる女も男も世の中にはわんさといるだろう。上に述べたように、普段隠していることが表面化して「腹黒い」と感じるのが間違いとはいわないが、「腹黒い」の言葉に限らず、人は普段から表裏を生きていると思っていればいいのでは?だったら、いちいち何かが露呈して、思わずに済む。

小林よしのり、お前だって「腹黒い」のではないのか?人を、「腹黒い」といえば、自分がそうでないと解される、あるいは気取ってるのではあるまいな。何を言うはは自由だが、「お前も腹黒いだろう」と返されて憤慨せぬことだ。他人をバカというのもいいが、「お前もバカだろ?」と、他人の見方は否定できない。「吐いた唾を飲み込む術を知る」それが人間関係。

本当にバカでない者だけが、本当に腹黒くない者だけが、他人をそのように言える資格があるとは思わない。言うのは自由だから、逆に他人からも「お前はバカ」、「腹黒い」と言われて否定はせぬこと。しばしばいうのは、人間は言葉の動物だから、誰だって言行不一致。それでも、「自分は言行不一致でない」と言いたい、思いたいなら、自己弁護に長けることだ。

「言行一致の美名を得るには、まず自己弁護に長じなければならぬ」と芥川龍之介の皮肉を知る者として…。いつごろだろうか、ずいぶん前から、「言行不一致な犬や猫はいない。人間はすべて言行不一致」と考えていた。考えなくとも当然でことを反発する奴はいた。「オレは言行不一致な奴が大嫌い」という奴に、「お前も同じだろ?」と言って喧嘩になった。

当たり前のことに逆上する相手に呆れた。「絶対に言行不一致でない」という自負を持ちたいなら、芥川の言うよう自己弁護に長けることだ。喧嘩が強いではなく…。と、そこまで言っておいた。他人の批判は自己の批判と同義と思えば波風立たない。あえて、「自分もバカだがお前もバカ」と、言ってもいいが、相手の指摘があるまで自身のことは言わずともいい。

思っていればいいことだから。が、他人から指摘されたときは頷けばいい。偽善者はムキになる。俳優の伊勢谷友介が連日報道されるSMAPの解散報道に対し、「あほくさ。スマップの事なんかより、未来において大事な選択肢が国会で選択されてる」とツイートし、彼のTwitterには批判的な意見も寄せられていた。伊勢谷友介なる俳優を自分は知らない。

顔を見て白洲次郎役を演じた俳優と知った。「SMAP騒動批判」発言は、「制服向上委員会」というアイドルもし、「制服向上委員会」を始めて知った。この子は、「他に国民が知るべきことがたくさんあるのに、このニュースばかりなのはどうしてかと疑問に思う。選挙権を持つまでにもっと政治について勉強したいので、そういう番組をみたい」と述べた。

彼女らは政治や脱原発に興味あるアイドルグループというが、それも事務所が仕掛ける「色」であろう。グループとして興味がある問題というより、個人的な欲求であろうし、そもそも「(SMAP騒動)ニュースばかりか疑問」というところが蒼く、幼い。政治や原発に興味を抱くなら、この程度の簡単な疑問に答えも出せないようでは、思考力がなさ過ぎる。

簡単なことに問題意識を持ち、思考力を磨くこともなされぬままに、原発だの政治だの、飛びすぎだ。いい子ぶりっ子キャラで男性ファンを獲得との事務所の路線だろうが、女性を敵に回すアイドルは先はない。伊勢谷友介も同様、SMAPニュースが嫌なら、お前の望むメディアなり、本なり、自由にチョイスすればいいことだ。そんなこという方が無知すぎる。

バラエティーしかやらない日本のテレビ業界に無縁なら、無縁な俳優として生きて行けばいい。今さら芸能ニュースはくだらん、もっと知ることあるだろうは、芸能人が外に向いていう言葉ではない。そんな批判をするより、「誰もみないようなあほくさい大河ドラマ(彼は『花燃ゆ』で吉田松陰役)なんか、もう止めてしまえ!」という声に応えた方が先決だ。

俳優とて人気商売、自ら吐いたSMAP批判に対し、「SMAPさんの心地の悪そうな会見は同情してしまうものだった」と見るからに変節。「そおっとしておいて欲しくても、多くの人に興味を持たれる。その人々の『興味』の裏で、国会と言う日本の未来を決めていく重要作業が見えなくなる。人は自らが利用される『隠れ蓑』になる事を望んではいない」とした。

一見して、自己弁護に遥か彼方の詭弁。SMAPに対する関心の有無とは別に国会中継や、政治や多くのことに興味持つ人は持つ。持たぬ人は持たぬ。自己を基準に発信するのはいいが、反応で言説を返るくらいならもう少し考えて発言した方がいい。こういう風にコロコロ態度を変えるのを、自分は「腹黒」という。変えてはないが、変えたように見せるという意味。

善意・悪意とは、実は法律用語でもあり、ある事情を知らないことが善意、知っていることが悪意となる。この場合は両者とも倫理的な意味はないし、「善意の募金」の意味とは違う。悪意は善意の対語で、「悪意をもって」などと言われるように、人の行為に悪意がないなら一切が善意となる。そんな事はあり得ず、人は「悪意はなかった」と嘘を言う。

同じ行為も悪意の有無で罪の度合いは異なり、量刑も変わる。「善意の第三者」という言葉は、当事者間に存在する事情を知らない第三者、当事者双方の利害にかかわらない第三者をいう。したがって、事情を知る者や、いずれかに加担する目的で仲裁に加わるのを善意の第三者と言わない。「悪意の第三者」となるが、いかにも善意であるように見せる。

AとBのもめごとの仲裁に、Aの友人や肉親を立てて第三者とどうして言える。Bも同じ。よって司法に委ねるが、「司どる」とは、利害に関係なく役目として処理に当たること。肉親や知人・友人のもめごとに、真に第三者としての仲裁は難しいが、それを依頼されたときは心から利害を排除して裁定すべきであろう。身内に甘いのは人の常だからなおさら…。

三国志の中に「泣いて馬謖を切る」の場面がある。非情なようだが、理性的で真っ当な考え方を持てば非情でもなんでもない。自分はこの場面は好きだし、大人になっても孔明のような「理」を重んじる人間になりたいと思った。身内や友人に厳しいのは、真の「仁愛」と思うようになった。身内や友人に甘いのは自分に甘いのであって、厳しいくらいが丁度いい。

そう思えるようになった。世の中を見て誰もが腹立たしいのは、身内に甘いという事柄であろう。それを強く感じたのは『太郎物語』の著者曽野綾子であった。あの中のテレビを庭に投げるシーンには感動した。ずいぶん厳しい親だなと。でも、テレビを庭に投げるのが子どものためと思い、自身の利害さえも顧みずに行為したのは冷徹に見えて愛情と理解した。

その曽野綾子に裏切られた思いを抱いたのは、ここで何度も取り上げた彼女の自身の息子に対する言葉であった。小説が虚実であるのはそういうものとしても、劇中のあまりにも素敵な親と、現実の親がこうも違うというのは、彼女の思想に騙されたのである。インチキな女性への尊敬はすぐになくなった。金儲けのためだけに綺麗ごとを書く偽善者に感じたからだ。

「母親は息子のためなら、もっとも愚かしく、盲目的になっていい、親は子どもにとって困り者であっていい、あたしは、息子に対して親というものは不法な、理屈の通らぬものなんだから」などと言える彼女は、テレビを庭に捨てられて困った息子とはまるで違っており、こういう感性を持つ母親を自分にはバカに映ったし、バカを尊敬できるはずがない。

理性の介入を何ら許さぬ盲目的情念が母親に許されるというのか?この言葉を機に自分は、「母親」、「女」という生き物をいろいろ考えてみたが、理解はできなかった。人間が人間を理解できない行為は、間違いと言うより愚かだと感じた。正しい、間違いの結論が出せなかったのは、男に正しくとも女に間違い、またその逆もあると感じたからだ。

正否は分らないが愚かであるのは分かる。同時に、善悪を利害に結び付けて考えるのは間違いだと感じた。しかし、成長するにつれて多くの女性は、自分の利害で善悪を考え、判断するのが分かった。それらから、女性は理性より感情に支配される傾向が強いと考えるようになった。「曽野綾子の腹黒女には呆れた」と誰かに言った記憶がある。


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