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Channel: 死ぬまで生きよう!
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SMAPのいざこざ

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報道で知るSMAPの分裂・解散問題の本質は、SMAPの担当マネージャーのジャニーズ事務所取締役女性と、ジャニーズ事務所女帝ことメリー喜多川女史との確執に端を発したようで、それならSMAPのメンバーは、女二人の戦いの代理戦争の部材かも知れない。木村拓哉以外のメンバーはマネージャー側、木村はメリー側という図式で、数の上では4:1となる。

が、力加減は木村・メリー側が圧倒している。あくまで想像だが、中居は当初このマネージャーに加担し、追従の決断をした経緯は、情緒的な部分が強かったのではないか。もちろんその背景にジャニーズ事務所に対する不満の鬱積があったろう。事務所への不満とはメリー氏への不満と考えていい。木村も賛同し、離脱を臭わせる口ぶりだったが、決断しなかった。

こういうケースは実社会においてしばしばある。中居以外のメンバー(稲垣、草なぎ、香取)らに取り立て主体性はなく、中居に同調したと思われるが、木村は中居からみると裏切りであったろう。土壇場になって変節する人間はしばしば現れるが、5人が事務所離脱についての話し合いは、マネージャーを間に挟んでしばしば雑談風に行われていたのではないか。

直近というほどではないが、こういう事例がある。日本将棋連盟所属の女流棋士が、新たな団体創設に動いたとき、大部分が独立に賛同した。もともと慢性的な赤字を抱えていた連盟は、女流棋士を独立させることで経費削減を狙っていた。ところが事態が急変したのは、独立準備委員会が総額1億円の寄付金募集を連盟理事会に報告した以後だった。

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新たな女流棋士団体が発足した時には、連盟に39名が残留、新団体は17名となったが、清水、里見、矢内、鈴木(環)らが連盟に残留したことは新団体にとって誤算だった。なかでも当時女流名人でもあり、女流トップ人気だった矢内は独立準備委員で、新団体の公式ファンクラブの勧誘に精を出し、羽生名人らに女流独立の必要性を説くなど、新団体立ち上げの先鋒だった。

ところが、なぜか彼女は連盟に残留したのだった。これには、当時の連盟米長会長の画策ではと言われた。矢内は残留後、NHK杯戦の司会を務め、連盟では棋士会副会長、タイトル戦の聞き手にも目だって採用され、連盟女流棋士会の宣伝、アピールで常に中心的存在となるなど、うまみのある地位を得た。自分は矢内の変節は、「女流棋士と秋の空」と捉えていた。

解散騒動渦中のSMAPについて明石家さんまは、2カ月前前から事情を把握し、昨年末に共演したテレビ特番では、「やりにくかった」と証言し、「メンバーも悩んでいたんでしょう」と思いやった。メリーの独裁的老害に不満を持つマネージャーは、メリー氏のSMAP批判も含めてメンバーに耳打ちしたであろう。それらを間接的に聞かされれば、メリー憎しは高まる。

マネージャーは自身が育てた子飼いともいうべくSMAPのメンバーに愚痴の限りを述べたと思われる。それなら中居たちも事務所離反に傾き、マネージャーも自分一人が退社するのではなく、SMAPを引き連れての脱退を画策したと思われる。いわゆる浪花節的なマネージャーに対する忠誠心がにわかに出来上がったろうが、木村はそういう性格ではなかった。

イメージ 2SMAPの木村以外の4人と、木村を表面的な視点でみても別雰囲気は感じる。それは木村の性格的な面もあるが、木村だけ妻帯者で2児の父ということもあろう。また、妻の工藤静香はメリー女史にかわいがられ、仲もよいというなら、木村はSMAPが事務所離反の話においそれと乗るわけには行かなかった。事務所から独立話の際には、積極的に意見をいわず、聞く側であったろう。
いずれにしろ、マネージャーとメリー女史との確執、マネージャーから聞くSMAPメンバーへの悪口、また木村以外のメンバー自身の事務所への不満が蓄積していったようだ。メンバーには契約的な不安もあったし、田原俊彦や諸星、大沢など、ジャニーズを辞めて干された人間のことも知っている。事務所一途の近藤真彦はメリーにかわいがられているという。

マッチは一時期スピードレースにのめり込んで芸能活動を手薄にしたが、それでもジャニーズ事務所の近藤という影響力が消えなかったのも、メリー女史の寵愛の賜であろう。歌手のステージのバックバンドに、かつてダン池田とニューブリードというのがあった。バンドマスターのダン池田が1969年に結成したバンドで、「夜のヒットスタジオ」の専属バンドだった。

NHK紅白でも、1972年~1984年まで指揮者を努めた実力者でもあったが、1985年11月『芸能界本日モ反省ノ色ナシ』(第1弾・第2弾)という暴露本とも取れる内容の本人の1年分の日記を出版、バンドマスターを継続できなくなった。彼のターゲットは近藤真彦や田原俊彦などで、こんな下手っぴー歌手のバックバンドなんかやってられないと日記に記されていた。

そりゃ、そうだろう。近藤や田原が歌手である事(言い換えるとド下手)なのは、素人でも分かる。美空ひばりや八代亜紀ならバンドとして支え甲斐もあろうが、音楽家としてダンは自身が情けなかったろう。「マッチがレコード大賞なんか獲ったら、オレはバンマスを辞めるよ」と公言、そのマッチがレコード大賞を獲り、ダンはバンドを辞めた。

暴露本には、マッチのレコード大賞にまつわる裏話が盛り込まれていた。その前に田原俊彦がある歌謡特番の新人賞獲得したとき、「どうせ賞なんかもらえない、もらえるわけがない」と言って、ダンは本当にそう思っていたのだろう。田原俊彦の曲の譜面を捨てたと、いうエピソードもある。業界人の実名告白本のベストセラーで現在、30万円のプレミア本だ。

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「紅白歌合戦はどこに行った?田原俊彦、近藤真彦、菊池桃子、岡田有希子…歌も上手くないジャリたちが、はしゃぎまわってる芸能界、その番組づくりに私腹をこやすテレビ界なんてクソくらえだ!」

「他の世界で果たして生きていけるだろうか?嘔吐が続く。つらい。ノドをしぼり出すようにして吐く。血がまじってる。このままバンドマスターを続けていたら、きっと俺、めちゃめちゃの身体になってしまう。」

日記だからというのもあるが、こんな内容である。「アイドルは鑑賞するもの、歌を歌うものではない」を、率直に、真摯に綴っている商業主義に毒されない、昔堅気で骨のあるダン池田のような人間はいない。毒舌家はいるが、所詮身を置くのは芸能界。彼はその後、カラオケ喫茶で細々生活をしたが、2007年12月25日、急性呼吸不全のため死去。享年72歳。

SMAP独立・解散騒動は、その後にメリー氏の週刊誌への独白などもあって、マネージャー氏もビビッたのか、かなりのトーンダウンが見られる。それによってメンバーの旗振り役でもあった中居も弱気になっているようだ。マネージャー氏は当初、ジャニーズ事務所は辞めてもSMAPは続けられると言ったようだが、メリー氏の対応は木村以外を切るものだった。

中居は、「命を賭けてもSMAPを守る」と言ったとか、情報が錯綜しているのが実際のところで、そういう中で木村がメリー氏に「もう一度メンバーとしてSMAPをやりたいので鉾を収めてくれ」と懇願したとも伝えられている。木村は、独立を表明しながらも翻意して残留したい中居ら4人の意向を直接受けて、力を貸していることも伝わってきた。

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事態打開の可能性を模索すべく、木村はメンバーと直接電話で話したという。木村の態度軟化で事態急変の可能性も出てきたが、解散回避は厳しい状況であることは変わっていない。ふと、これと似たケース、つまり会社を辞める辞めない、夫婦が離婚するしない、恋人が別れる別れないなどはさまざまに関わった。もし、自分が中居に何かを言うのなら…

「行くも地獄なら(ジャニーズ事務所)に戻るはさらに地獄だと…」。これは「覆水盆に戻らず」の論理で、このようなことが露呈した場合への対処としては、戻るはさらなる地獄と理解し、死んだも同然で事務所に依存していくしかない。分かりやすい例は、関が原で東軍について後、冷や飯を食わされ、あるいはあらぬ嫌疑で改易された外様大名のようなもの。

メリー女史は89歳にして気丈とはいえ、死してなお実の娘に実権は移り、それでSMAP騒動が帳消しになるはずもない。中居という男は情緒に動きやすい男だから、簡単に前言を翻すことになるのだが、よい意味で言うなら柔軟性があるが、悪くいうなら骨ナシこんにゃく男。どっちにしろ芸能人は潰しの効かぬ仕事で、芸能界を辞めて食う宛てがはない。

だったら"戻るは地獄"を享受するしかない。ましてや裏切った感のある木村に収拾を頼むなどは、彼は生涯木村に頭が上がらない男に成り下がる。恩義という事にもなろうし、弱みを握られた事になる。中居が男として自由闊達に生きるなら、木村の仲裁で元の鞘に収まるなどは辞めるべき。食うために木村に骨身を預けるなら、永久に提灯持ちの覚悟でやれと。

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提灯持ちという無様な生き方を自分は好まない。が、そこは自分と中居の性格は違う。ヤクザ言葉に、「ケツを掻く」というのがある。「おどりゃ~武田にケツ掻かれてよ~、跡目に欲あるけんそれでもよかろうがよ。こっちはそう単純にはいかんのじゃ」と、これは映画『仁義なき戦い』のセリフだが、中居は木村にケツ掻かれ、今後、木村の住居方角に足向けて寝れなくなる。

ある問題を人にアドバイスするにおいては、どうしても自分の性格を貴重にしてなされるが、性格も土壌も違う他人への正しいアドバイスは難しい。SMAP問題が斯くの事態になったのは、中居のマネージャー氏への共感と、事務所への不満が引き金だろうが、追従した3人に対する中居の責任は大きく、そのあたりを踏まえて彼はどういう決断をするのだろうか?

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