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「混血児」 改め 「ハーフ」考 ④

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ドイツ人は生まれながらにしてドイツ人だが、ドイツ人という国民性は家庭環境や学校や友人周辺から育っていくのではないか?「ドイツ人らしさ」という気質、性格はDNAが支配・決定されるものではないのではないか?生まれ持った性格はあれど、生まれ持った民族性というのはないのではないか?国の歴史や風土から作られるその国特有の傾向や気質を国民性という。

ドイツ人はドイツ人が育てるからドイツ人らしく、フランス人も日本人も誰が育てるかで国民性も育まれるのではないだろうか。そのいい例をマーガレットさんに見る。「小学生の頃、友だちがみんな持ってるカバンが欲しくて、『みんな持ってるから買って!』と父に言ったところ、『そんなのは欲しい理由にはならない!』と買ってくれませんでした。」と彼女は言う。

「人が持っているから」との理由を、親が認めていないのがハッキリ現れている。このように躾られると、人は人、自分は自分、というのが身につくだろう。「人が○○ならお前も○○でありなさい」というのが顕著な日本人の親は、いかにも集団主義に埋没した考えである。どちらがいいか悪いかは選択だろうが、人は人であり、自分は自分と言うのはそのとおり。

ならば、「人は人、お前はお前」という考えを打ち出すのが理に敵っているともいえるが、それでは日本人社会にあっては生きて行きにくいのだろう。みんなと同じでありたい、その方が目だたない、浮いた存在にならないという、いかにも気弱な考えとも言える。人と同じでありたいを裏返せば、一人ではできないが大勢ならできてしまうという考えになる。

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これが、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という日本人をあざけた標語である。この「怖くない」の意味は、車の往来が危険であから、「怖いぞ!」の意味よりも、みんなが赤信号だから横断をしないでいるのに、車の往来がないからと堂々と渡ることができない気の弱さ、生真面目さ、いい人ぶりっこの日本人を揶揄しているように思えてならない。

車の往来のない赤信号なら、自分は何のためらいもなく渡るし、止まって待っている人が何を思うなど知ったことではない。ただし、絶対に渡らない場合があって、それは小学生の少女が信号待ちをしている場合である。なぜか、少年ならそれがない。おそらく、男の子に対しては、「コレくらいの決まりは男なら守らんで良し」と言いたいのだろうか?

それくらいのやんちゃでいいよ男の子は…という事かもしれない。自分の行いであるけれども、自分でもよく判らないし、深く考えたことはないが、今考えるとそういうことかも知れない。男の子の批判はなんともないが、女の子には真似させたくないという気にはなる。節度を守る方が女らしいという潜在意識かも知れぬ。「たかが信号待ち、されど信号待ち」だ。

親になって分かったことだが、同じ我が子であっても男の子に求めるものと女の子に求めるものはまるで違った。学校の教師などに、同じように扱われていては不満であるし、だから学校に何かを依頼し、期待することは無かった。今さらながら思うに、親は学校に頼らず生きるべきであり、お金や愛や人生の真実を子どもに教えられる教師がいるとは思えない

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文科省の調査をみても、70%の親が躾など家庭の教育機能が低下しているというアンケート結果には驚くしかない。家庭が大事と呪文のように唱えてこそ信念は揺らがないが、こういう数字は異常である。家庭の教育機能が低下しているなら、どこにそれを求めるのか?学校なのか?それとも放置なのか?といいつつ、厳しい躾を子どもに課して悔いた母親がいた。

新聞の切り抜き記事だが、そういう例はネットでも耳にした。母親は中学教師で、その子は中学生になったとたん、登校拒否となる。私立の有名校に入れるために勉強浸けにさせたことで、子どもの人格形成の瑕疵に気づいたという。切り抜き記事の母親も子どもには朝から晩まで「躾」を押し付けていたし、子どもの学力低下は非行に繋がると塾浸けにした。

「当時の我が家の雰囲気は、とても緊張していて、親子夫婦のいさかいも多く、心の休まる家庭ではありませんでした。夫や子どもに対する高い自己イメージもあり、要求も強かったんだと思います。仕事から疲れて帰って来た夫に対し、家の中でダラダラされると腹が立ち、『子どもの教育上よくないからチャンとしてよね!』などと尖った言い方をしていました。

他にもさまざまな要因もからまって、子どもは拒食症になり、登校拒否になりました。夫は自室にこもりがちになり、私と目を合わさなくなったようです。が、その時はどうしてそんなになったのか、全く見当もつかなかったんです。約3年くらいそういう日々が続き、何とか打開すべきとカウンセラーに相談し、自分の生活課題に問題があるのが分かったのです。」

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子どもの不登校、留年、自主退学という道を辿った末、通信高校で学ぶようになった。夫は仕事がはかどらなかったのか転職した。皮肉にもこういう事を経たことで、正常な家庭に戻れたと記している。この母親は、どれだけ夫や子どもに無理を強いていたか、無理を止めることで正常に落ち着いたのは自然なこと。が、なによりそれに気づいたことが聡明である。

気づいただけでなく実行した母親であったことも素晴らしい。子どもが勉強しないから尻を叩くって、子どもは馬ではないんだし、夫が家でくつろぐのをだらしが無いといえば、愛人のところでくつろぎたくもなろう。そこが分らない母親、そして妻、問題は子どもや夫にあるのではなく、すべては彼女にあったことに気づかせたのがカウンセラーという第三者であった。

子どもの不登校は学校にも原因があった。しかし、他人の集団で成り立っている学校では様々な問題や軋轢があって当然である。大人の会社の人間関係の縮図と思えばよい。そういった軋轢を跳ね返す子どもであるかないか、その差は間違いなくある。この母親のように、ガミガミうるさい子育てなら、子どもは萎縮してしまい、自分に降りかかる火の粉を払えない。

いやなことを拭えない、振り払えない子どもが不登校になるなら、その要因は親が作ったと解すべきだ。自分のように全ては親の責任と思うから、可愛がるだけの子育てなどあり得ないと感じていた。母親は感情でいいが、父親は思考で子育てを行う。母親は理性より感情が優先するから、そこは資質として責められない。だから、父親の理性が必要なのだ。

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そんな事は社会が、国が声を出して言わないまでも当たり前のことである。誰に聞かなくても考えれば分かる事である。それをいまだに考えないで母親が優先的に物事を決める子育ては、自分にいわせれば大いに問題あり。まるで、自分が産んだ子は自分だけのものというような母親もいる。こういう間違った、思い上がった考えを是正する力が夫に無いのも問題だ。

夫婦の基本は力関係で成り立っている。どちらが強いか、弱いかは、表面的には問題になるが、実は大事なことはどちらが言ってることが道理であるかであろう。正しい、正しくないは、こと教育に関しては数十年先に現れるものだから、誰も分らない。分らないことをいいことに、「知識を多く詰め込んだ方が勝ち」というような知育偏重教育が持て囃される。

そういえば、「灘高⇒理Ⅲ」三兄弟の母親と、教育評論家の尾木ママが激論を交わしていた。自分は尾木ママみたいなオカマは好きではないし、言ってる事も男の視点と言う気がしない。よって二人の激論は得るものが無い。そもそも教育評論家という看板がウソっぽい。ところが、今度は三兄弟の母親と芸能人のカンニング竹山が激論を交わしたようだ。

竹山は現在偏差値45の数年来定員割れの高校卒だが、コンニャク尾木ママに比べてずっと骨のある九州男児。そんな彼の骨太発言に、三兄弟の母親は言葉を失ってしまう。言葉を失うというのは、正論や道理を言われたときに現れ、コレに反抗するのは屁理屈しかない。よって、こういう場合に言葉を失うのは頭がよいからであって、その意味において母親はバカでない。

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竹山は、「あなたの子育ては受験で完結しているのだろうが、子どもは何も完結していないじゃないか。これからどういう大人、どういう医者になるかも判らない!」と、この意見はもっともで、長き人生における道の途中における、ひと区切りとしての成果を、さも子育ての完結であるかの如く、子育ての成功者の如き自賛は、母親の人間としての底の浅さを映している

いいと思ってやったことが悪く、よくないと思ったことがよい結果となる。これが教育だ。親の思ったようにはならないことが多く、なったからとて親の自己満足に過ぎない。この母親の言うように、自分も3人の我が子の反抗期は経験していない。意識はないが、おそらく出させないようにしていたのだろう。が、自分が不在で育った三女はすごい反抗期だったと妻は言う。

それを聞いて思ったのは、反抗期は人間が人間になるために不可欠で、反抗期をみない教育は良くなかったと自戒した。反抗期とはまさに自我の芽生え、その自我を殺してまで親になびく子を良い子とするのは間違っている。たしかに、何かを教え込む場合に反抗はない方がいいが、それは単に大人の都合、教える側の身勝手であり、別に誉められたものではない。


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