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「混血児」 改め 「ハーフ」考 ③

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時に我々は子どもに対して「親」であり過ぎることが多い。親といえども子どもに対して人間的であるべきで、それを越えての「人」として許されない逸脱した行為が、果たして親に許されていいはずがない。なのに、子どもに対する親の振る舞いは「躾」と称し、子の将来的な「幸福」と勝手に決め付け、子どもの人権を無視したり、見くびったりの行為に及ぶ。

「親として許されるのか?」と思うが、それに対する答えは、①親としてなら許される。②子どもの幸せを願うのであれば悪くない、③そんなに悪いこと?、④自家の教育に他人が口出すべきでない、④言われるまで気づかなかった。などであろう。自分がされれば嫌なのに、する側になればやるという行為は、まさにイジメや差別や陰口と同じである。

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こういう親はイジメや差別や陰口が好きな親であろう。よくないと知りつつやるのだから、そうに違いない。さらに言うなら、そんな親が子どもにとってよい親であるはずがない。良い親とは、いいときだけ良いのではなく、良くないときも良い親足りうる親であるべきだし、誰だって良い時は良い、円満な時は円満である。夫婦だって友人だってみんなそうだ。

円満でない時でも良い親、良い夫、良い妻、良い友人であるためには、感情的になってたりで正道を逸脱せずに対処できるかどうかであろう。つまり、言い過ぎたり、非道な行為をしないこと。節度を重んじること。人間関係はいつも良い時ばかりではないから、悪いときにこそ試される。ここを上手く凌いだり、処理しないと、人間関係は一変することになる。

親子の殺人や傷害事件も、恋人同士のそれも、つい言葉が出すぎたことでなされる場合が多い。それほどに人間は感情に左右される動物だ。「殺すつもりなかった…」というのは極刑逃れの方便もあろうが、実際問題、多くはそうなのかも。周囲や外野は、「殺しておいて殺すつもりはなかった、はないだろう?」と思うが、感情の高まりからつい行き過ぎた行為をしてしまう。

言葉一つが人を殺す動機になるのだから、言葉の動物としての人間の怖さである。言葉さえなければ世の中の多くの事件は半減どころか、非常に少なくなるのでは…。言葉は暴力以上に暴力となる。肉体を痛めつけられるよりも、言葉で心を、精神を粉々にされる苦痛は相当だ。マーガレットさんも子ども時分に男の子と喧嘩をし、言い合いをしたという。

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「やーい、混血~!」、「ガイジン女」などと子どもは他愛もないことを言ったりする。彼女は絶対に負けないで言い返したという。「フランスに行ったらあんただってガイジンよ」などと…。ところが彼女は、「自分が日本人だと思った事は一度もありません」という。が、こういう葛藤心が覗く。「でも、わたしは日本人的だから、フランスでも外人でしょうね」

こうした彼女の心理を正確にはつかめないが、「日本人ではない、でもフランス人にもなれない」。これが、ハーフの奥底に流れる特別な何かなのだろう。「特別」という言葉を借りる以外に分らない部分である。ということは、なに人、なに人と決めようとすることに問題があるのではないか?つまり「国」というものにこだわりすぎるのではないだろうか。

陸続きのヨーロッパやアジア大陸では異人種、異民族の国際結婚は多い。それでいろんな血が混ざることにマイナスイメージを持つのは日本人くらいではないか。むしろ混ざることはプラスではないのかと。ハーフの人の多くは、「日本人は国にこだわりすぎでは?」と思っているようだ。黒いものは黒、白いものは白と決め付けたがるのが日本人的な嗜好である。

「純血主義」という言葉がなにを意味するか分らないが、日本人はよく口にする言葉のようだ。確かにこの国の学問や評論の流れに、『日本人論』、『日本文化論』といった太い系譜が存在しているようだ。過去、社会心理学や精神医学からも、こうした日本人について書かれた書物は少なくない。これらには、「日本人は血縁、地縁を大事にする民族」とある。

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血縁の説明は無用だが、「地縁」とは、住む土地にもとづく縁故関係のこと。現在居住する地、過去に居住した地などによる縁(人間関係)。地域共同体、町内会、「向う三軒両隣」などの近隣住民同士の縁で、これらは生活上の助け合いの関係、相互扶助を形成している。また、農村部などでは、集落共同体内での「馴れ合い体質」や力関係についても語られる。

日本の「家」社会はまた、「先祖崇拝」とは表裏一体関係にあり、「先祖に対する強い愛着」が、古代よりこんにちまで、日本人の精神構造を規定している。中国や朝鮮もそうであり、これは儒教にいう「骨肉への愛着」を軸とする家族道徳主義である。神代の昔からこんにちまで、日本人は骨の髄まで「骨肉愛着主義者」であったことが見えてくる。

かつて西欧社会は、カトリック教会が聖書を独占していたが、マルティン・ルターがローマ教会の権威を否定したことで、各人が神の言葉(聖書)と直接向き合うようになった。個人が聖書に向き合えば様々な解釈も生まれ、そうしたプロテスタントの原理が西欧の個人主義を生んだ。キリスト教は個人救済の宗教であり、個人の魂を救済するのは神の命令の厳守する。

しかし、個人主義者は原理的に「相対化の苦闘」に直面する。他人と自分の聖書解釈が違うなら、果たして自分の解釈は正しいのか苦闘せざるを得ない。個人主義者はこのような「相対化の苦闘」を経て、自己の行動原理を絶対化するがゆえに、他者と自分と言う分離が確立されていくことから、個人主義の誕生が「分離性」的性格を生んだといえる。

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したがって真の個人主義というのは、集団の同調圧力に屈しないものである。日本人に限らず、中国、韓国などの東洋的家族主義は、儒教の影響が強いといえる。孔子は最高の道徳を「仁」と呼んだ。これは、親兄弟に対する骨肉の愛情を基点とし、それを他人にまで及ぼすことで、その意味での「人を愛す」であり、儒教思想の根本は血縁である。

話が少し難しくなったが、日本人と欧米人の何が違うのか、についての落ち着き場所がここにある。それならフランス人の父、日本人の母を持ったマーガレットはフランス人なのか?それとも日本人なのか?誰より自らを突き止めたいのが本人であろうが、彼女自身でさえよく分らないという。ならば、どちらであるかより、どちらでもないとすべきではないか…。

「オカマ」は女のナリでも男だが、「性同一障害」は、体は女でも心は男という言い方をされる。人の性格は生まれ持ったものという定義を心理学ではしない。環境が人格を作るという考えだが、多少の生まれ持ったものはあるにしろ、後天的な要素が大きいのは子を育てた親なら感覚的に分かる。それでは、障害とまでいえる「性同一障害」はどうなのか?

先天的なのか、後天的にそうなったのか?様々に語られたが、近年では先天的、後天的、中核、周辺などの区別はしないようだ。理由は、そんな事は誰にも分らないし、意味はない。ガンという病気も遺伝的要素はあるが、親、祖父母がガンであっても罹患しない人もいるし、後天的な様々な生活環境から、生活習慣病とする場合がより正解であろう。

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さらにいうなら、精神疾患においても原因は問われないのは、原因が分らないからである。都合のいいときだけ精神科医を語る芸能人の香山リカが、橋下徹大阪市長を診察もせず、「精神疾患」と勝手な診断をしたことで、橋下から「お前はサイババか!」と罵倒されたが、橋下に対するヒステリックな口撃は、顔に角をもったまるで犀婆(さいばば)だ。

香山とは別の精神科医で作家の野田正彰が、「大阪府知事は『病気』である」と題する記事を寄稿した。「挑発的発言、扇情的な振る舞い、不安定な感情――それらから導き出せるのはある精神疾患である」と、橋下の高校時代の教師の言葉を拠り所に、「彼の言葉をまともに受け止め対応していけば、常に彼の内容空虚性に突き当たるのである」と結論づけた。

この記事に対して、橋下氏は発行元の新潮社などに1100万円の損害賠償を求めて提訴し、その判決が、2015年9月29日に大阪地裁であった。判決では、客観的な証拠がなく真実と認められない上、真実と信じた相当の理由もないとして「橋下氏の社会的評価を低下させ、名誉を毀損する内容」だと評価し、新潮社側に110万円の支払いを命じた。

その後、野田氏は取り上げる価値もないのか、橋下のツイートに1回だけ登場する。「頼んでもいないのに俺の精神鑑定を8流雑誌で勝手にしやがった8流大学教授が勉強不足を露呈していた」とし、「この大学教授は光市母子殺害事件の加害者について、母体回帰説なる珍説を唱え、無罪の根拠とし、このことが最高裁で反省の欠如と断罪され死刑となった。

イメージ 6母体回帰説なる珍説を唱えた責任など微塵も感じない、俺の最も嫌いな無責任学者だ。野田正彰氏。もう評論家になったのか」である。バカな学者が学者の看板をいいことに、無根拠をさも根拠ありなどのバカ発言も結構あってか、「俺の最も嫌いな無責任学者」という点は、自分と同じである。橋下の性格からして、これでもやんわり書いているのだろうが…。
精神学者は精神鑑定をするのが仕事であるが、仕事は依頼者よりキチンと依頼を受け、責任を持ってなされるべきである。恨み感情のままに思慮分別無く行うものではあるまいに…。橋下氏がいい、国民の多くが感じるように野田氏の精神鑑定は、精神病か否かを判断する鑑定行為を超えた「低俗な物語」、「身勝手な妄想もしくは偏見」以外なにものでない。

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