外務省は9日、日本の児童ポルノなどの状況を視察するため来日した国連特別報告者が東京都内で開いた記者会見で、「(日本の)女子学生の13%が援助交際している」と発言したことに対し、抗議し撤回を求めたと発表した。発言したのは児童売買や児童ポルノなどに関する国連特別報告者で、オランダ出身のマオド・ド・ブーア・ブキッキオ氏。10月26日に日本記者クラブで会見した。
発言を受け、外務省は今月2日に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に「数値の根拠を開示すべきだ」と抗議。OHCHR側は「数値は公開情報から見つけた概算」であり、緊急に対応すべき事象という点を強調するために言及したと釈明した。しかし、外務省は数値の根拠が明らかになっていないことから7日に、「国連の肩書を持つ者が発言することで事実かのような誤解を生む」として発言撤回を求めた。
日本国を代表しての外務省の抗議は分からなくもないが、もっと日本の社会学者から聞いたほうがいいよ。現状認識の無さを棚に上げての抗議ではメンツの問題としか捉えられない。日本社会がエンコーを寛容するかの如き無策をブキッキオ氏は危惧をしているのではないか。少女たちには何ら罰を与えずの野放状態というのは、真摯な取り組みが感じられない。
ブキッキオ氏の発言が少女保護か、何らかの政治的意図によるものかは分らないが、社会学者宮台真司氏などは、この数字に異論はないだろう。援助交際というのは、金をもらって春を売るという行為だけでなく、出会い系掲示板などでセックスに興味を抱いた女子中高生がオヤジと出会い、かの行為をした後に何らかのご利益にあやかるのも広義のエンコーである。
それくらい少女と大人の性関係は日本中で頻繁に行われているのは、自分も承知している。ブキッキオ氏の、「日本の女子学生の13%」というのは、多少言いすぎに思うが、思うのにネットの出会い系サイトとは別のメル友募集掲示板にも、30代、40代の男が20代と年齢を偽って女子中高生とやり取りしている。出会ったときに「明らかに年齢が違った」という声は何人からか聴いた。
ブキッキオ氏は、日本の女子中高生のスマホや携帯所有者の多さに危惧を抱いているに違いない。性に興味を抱く少女といえ、街路や道端で中年のおっさんに声をかけられる怖さに比べ、ネットでは顔も見えない、素性もわからない、自分の学校名も伏せられ、容姿のハンディさえ不問にしてくれるのがネットのやりチンたち。下心しかないが、彼女らにすればナイトである。
これだけの環境が揃っていて、おまけに彼女たちが自主的にメル友募集、彼氏募集と呼びかける状況にあって、どのように進んでいくかは誰でも想像し得る。実社会では得ることのできない、あるいは得るのが難しい異性を、ネットでは簡単に手中にできる。そもそも、「メル友」というのは、ネット内で作る相手のこと。彼女たちは逢ったら最後、蛇に睨まれた蛙のごとき男の要求に身動きできない。
考えてもみればいい、15~16歳の少女は同年齢の男子には強いし、言いたいことはいうけれども、20代~40代の男にどれだけ意思表示ができるであろう。先日40代のある主婦がこんな風に言うのを腹で笑って聞いていた。「バイト先の大学生に無理やりやられたんです。主人のと違って、堅いし大きいし、1回だけだけどその事が忘れられなくて…」。こういう場合の「無理やり」というのは口実であろう。
刃物か何かを見せつけられて威嚇されてという状況なら、抵抗はできないだろう。が、それでも賢明に抵抗する女性もいる。おばさんが大学生に犯されたなど都合のいい言い訳で、抵抗する素振りを楽しんでいるだけだ。20歳以上も違う大学生の突飛な行為を、本気でしかりつけ、跳ね飛ばすことはできるはず。それをしないで、「無理やりやられた」、「大きかった」、「堅かった」の言葉は笑うしかないよ。
自分の意思は無かったといいたいのだろうが、できる拒否をしないのは意思である。「飲みに誘われたけど、断れないからしぶしぶ行った」。これも意思である。このように、人間は自分の都合のいいように物事を考え、人に言うときは「意思のなさ」を強調する。レイプ犯の多くは、「拒否しないから合意であった」という。「No!」の意思表示がなければ、相手はそれを望んでいるとの男の解釈。
「いやよ、いやよも、いいのうち」は、女性が裏腹であることを言ったもの。現実問題、行為の善悪よりも、「気にいったタイプなら痴漢じゃない」というように、女性の価値基準は善悪より自分の都合が大きい。こともあろうに前職大阪府知事が、大阪府知事選期間中に、アルバイト運動員だった女子大生(21)にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われたことがあった。
「えっ!そんなことあった?」というほどに風化した事件だが、前大阪府知事は横山ノックこと山田勇氏。山田被告は府知事選挙期間中の99年4月8日午後5時30分ごろ、大阪府堺市内を走行中だった選挙運動用のワゴン車内で、後部座席に並んで座った女子大生の下半身に触るなど、約30分間にわたりわいせつ行為をした。女子大生が強制わいせつ容疑での横山被告に対する告訴状を大阪地検に提出。
山道におけるレイプ事件における強姦罪成立の要件は、山道より下り斜面の林が現場なら強姦、上り斜面の林の中なら和姦(合意)という判例もあった。客観的な判断とはそうしたもので、裁判官は事実を見通す神ではない。「強制わいせつ罪」という罪は頻繁にあるが、「強姦罪」の成否は難しく、簡単に成立しない。強姦罪とは、「暴行または脅迫において13歳以上の女子を姦淫した」場合である。
もう一つ、双方に合意があったとしても「13歳未満の女子を姦淫」も適用となる(刑法177条)。「なぜ?」と疑問に思うかもしれないが、とりあえず13歳未満の女子はエッチの意味が分かっていず、そういう無知者保護のために適用された。今どきの13歳未満とは雲泥の差だが、改正しなければ今の子も無知者である。淫行条例もあるが、何でもカンでも法律で規制して未成年女子の妊娠が減るものではない。
法律遵守の最大の問題点は、米国や中国のように、官憲の目の届かないところでは、(つまり捕まらないだろうと判断すれば)、平気で法を破るような風潮になってしまうからだ。自分たちが小学6年生の卒業間近のある日、「6年生女子は全員、本日放課後、作法室に集まって下さい」というマイク放送が流れたのを覚えている。男子はというか、好奇心の強い自分は興味を持って後日幼なじみのNに聞いた。
Nは、「メンスのことよ」といった。メンソレなら知ってるが…。「子どもを産むためにアソコから血がでること」。「ふ~ん」と、いうしかない。Nとは保育所時代からの遊び友達だった。が、このとき女子は、望まぬ妊娠のための性教育全般の話をされたようで、小学卒業前の全国的恒例行事である。彼女たちがどう捉えたかは分らないが、この手の話が分らない点においては、男も女も同じであろう。
ようするに、誰もが無知であった時代。さて、強姦罪には上の刑法177条の2つ以外にもう一つの状態がある。刑法178条「人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、猥褻な行為をし、または姦淫した者は前二条(強制猥褻罪の176条と、強姦罪の177条)の例による。「心神喪失」は法律用語で、刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」のこと。
森田芳光には1999年に鈴木京香、堤真一主演で、『39・刑法第三十九条』という映画がある。法律用語の「心神喪失」を一般用語で「精神異常」という。日本の古い言葉では「御乱心」。この法律にしたがって、いたたまれない犯罪の当事者に精神鑑定が行われるが、そんな必要があるのかと思いつつも、法律の定めである。これまでに失恋、破産、受験失敗など、数多の心神喪失者が存在した。
日本の裁判官は、「被告は親孝行な面もあったが、受験に失敗して挫折感を抱いた」、「交際継続を拒否され、失恋のあげく自暴自棄になった」などと、殺人の情状酌量に認定する場合が多い。人のいい日本人というのか、甘いというのか、受験に失敗した人が皆人殺しをするのか?失恋の果てにその相手を殺すのか?なぜに、どうして、殺人と言う結果に対してのみ責任を負わせないのだろう?
これが法治国家の本来の姿である。心神喪失、精神の障害とはいったい、いかなるものなのかよくわからない。そういう奴は飯も食えず、糞や小便さえも垂れ流しという事でもない。何をもって、行為の是非を弁別し、弁別する判断能力がない者といえるのか?現代医学的知見に照らしていえば、植物状態、脳死状態、脳出血のため意識不明の状態者以外に、心神喪失などの言葉は不明瞭である。
現にダウン症の人が、殺人を犯すなど皆無であるなか、健常者の心神喪失など説明がつかない。何もわざわざ心神喪失など持ち出さずとも、「過失」という概念で十分であろう。人間は過ちを犯すものだし、犯罪の度合いが大きい、猟奇的、凄惨性に限って精神鑑定が行われるが、そこでだされた心神喪失が正しいといえるのかも疑問。人は人に騙される以上、心神喪失を演じることも可能である。
必死になって無罪を勝ち取ったのち、被告のウソ芝居を明かされ、放心状態になった弁護士の映画があった。『真実の行方』という邦題だが、原題の『Primal Fear』とは、「何が一番怖い」という意味だが、少年が最後に弁護士に吐く言葉。「バーカ! 俺の性格は最初からこの凶暴な性格一つだよ~ん。 ホンモノの死刑囚助けちゃったねぇ?弁護士さん♪」。背筋の凍るラストである。