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少女売春という甘え ②

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「お父さんはそうしたいなら家を出て彼氏に養ってもらえといったんだね。なぜ反対しなかったと思う?反対しないから賛成したんじゃないよ。あなたは学校には行きたい、学校の友達と遊びたい、お父さんと一緒にいたいしお手伝いもしたいといったよね。でも、彼氏に来いといわれてる。で、あなたはお父さんはわたしががいなくてもいいと思ってるといったね。

それは違う。お父さんに聞いてみたら?『うちがいない方がいいの?』って。お父さんが反対しないのはあなたは家を出ないと信じてるからだよ。でも、本当にそうなのかお父さんは試したんだろうな。彼氏は働いてるけどまだ16才だから本当なら高校生だ。友達もいったろ?学校辞めちゃダメって。当たり前だよ。15歳と16歳が一緒に住むなんか誰だって反対するさ。

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お父さんが好きなら離れちゃだめ。世界一優しいお父さんだと思う。あなたが大人になるまで一緒にいてあげなさい」。彼女は誰かの強い反対を求めているようだった。が、父親が考えていたことは後でわかるけど、無碍に反対するではなく、高校を辞めて家を出て彼氏と生活するとどうなるかを娘に想像させることで、いろいろな不安を呼び起こさせたのかも知れない。

だから彼女も夢を見るではなく現実だけを真剣に考えた。父への多少の誤解はあったが無理もない15歳の子どもだ。娘に現実を突きつけた父の言動は、頭ごなしに押さえつけるよりも効果的な場合がある。反対すべきをあえてしないことで戸惑わせる。しばしば自分も使うが、それにしてもスゴイ父親だ。結局彼女は、"今通りにする"となった。その後にとった父の行動こそが納得である。

彼女から一部始終を聞き、改めて父の凄さを知った。彼氏とはもう会わないとの了解をとるなり、父は娘に男を自宅に呼びつけた。父は男に娘を家出させようとしたこと、その他もろもろのことも含めて、強い口調で叱りとばし、「二度と娘に会ったら許さない」と凄んだという。彼女が初めて目にした強い父と、あまりに対照的な惨めな少年の姿だったのではないか。

怒りには二種類ある。眼を吊り上げ声を荒げ、あるいは涙し、言葉にならぬ言葉を震える声で発する怒りもあれば、感情を内に秘し、怒りの嵐が通り過ぎるのをじっと待つ怒りもある。二つの怒りを駆使しながら父の意図する完全解決とは、二人を絶縁させることであったと理解した。愛する彼氏がいたぶられるのを女は耐えられないものだが、少女には愛も恋もなかった。

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だからわだかまりなくキッパリ縁を切れさせた。他愛のない子どもの火遊びと察した父が、娘を洗脳しながら理解をさせた手法にうならされる。常人には真似のできないただならぬ男は、おそらく大きな修羅場をくぐってきたのだろう。ほんわか天然娘の心を傷つけることもなく、父のとった前後の行動は娘の性格・心情を理解した上での正解手順とみた。

娘をいたぶった少年を呼びつけ、お前が如何にバカであるかをつきつける。あげくに最後通牒を突きつけるあたりは、インテリヤクザの手法に通じるものを感じさせられた。あくまで想像だがその可能性はある。それならヤクザとて立派なものだ。強い口調で少年に言い渡したすべての言葉は、傍にいた娘に申し伝えていることにもなり、おそらく娘の心にも刻まれたろう。

「あいつと会ってはイカン」そんなことを言うのは簡単だ。会うなといっても親の目を盗んでの逢引きするなど簡単だ。父は男をビビらせることで、断固としてそれを許さずの徹底的な段取りを実行した。娘にためにならぬバカ男にはそれくらいして当然である。娘を持つ父親の怒りは男親ならわかることだ。彼女と話して分かるが、親への反抗心が希薄であった。

扱いやすい少女の類である。それでも思春期時期というのは、どういう形で親への反抗が現れるか予断を許さない。友人や彼氏からいろんなことを吹き込まれる場合もあるが、親はそこまでは理解し得ない。誤った対処をすることで、子どもはどう転ぶか分からない。高校中退の16歳の修理工がどんな男で、どんなことをしでかすか、そうした危惧と用心は父にあったろう。

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