鳩山由紀夫元首相が日本政府の自粛要請を無視し、ウクライナ南部クリミアに出かけたことに多くの人が痛烈に非難したが、政府の自粛要請はどの程度のものだったかだが、3月5日、鳩山氏のクリミア訪問の情報をキャッチし、ただちに鳩山氏の事務所へ外務省幹部の面会を申し入れたが、「鳩山氏本人はスケジュールの都合で応じられない」と回答したという。
このため、宇山秀樹ロシア課長が鳩山氏の秘書に訪問の中止を要請し、9日にも宇山氏が秘書に重ねて働きかけを行ったとしている。これは民主党の鈴木貴子衆院議員の質問主意書に答えたものである。政府は20日の閣議で、鳩山由紀夫元首相が今月10~12日に、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島を訪問したことに関する答弁書を決定した。
これによると、「鳩山元首相のクリミア半島訪問は、私的な訪問といえども政府の立場に著しく反するもので遺憾であるが、今後の日露・日米外交に特段の影響を及ぼすとは考えていない」とするもの。また答弁書では、鳩山氏が渡航の際に利用した旅券の種類について「お答えする立場にない」としたが、外交旅券や公用旅券は「失効している」と言及している。
「元首相が国の用務で外国に渡航する場合は外交旅券を発給している」とも述べ、鳩山氏が一般旅券でクリミアに渡航したことを示唆した。私的であろうと、元総理である。が、元民主党代表と言うこともあり、自民党としては私的としかいいようがない。日本では私的で通用するお国でもある。外国で元首相と言えば、国の代表と同じくらいの意味を持つ特使に近い。
鳩山氏は首相在任中、普天間基地移設問題で米国の信用を大きく損うことにもなった。野田政権下では政府の中止要請を無視してイランに行き、国際原子力機関(IAEA)を批判した。政界引退後には香港のテレビ局のインタビューでこう述べた。「尖閣諸島は、日本が盗んだと思われても仕方がない」。鳩山という人を一言でいうと、軽佻浮薄な人間の典型であろう。
クリミア訪問を受け菅義偉官房長官は、「首相を経験した政治家としてあまりに軽率で遺憾であり、厳しく非難したい」と述べた。政治家は職業柄自己顕示欲の強いといえるが、民主党から自民党への政権が移譲され、安倍政権は国民から多数の支持を得ているのであれば、現在の自民党政権が決める事柄を守って行くのは、元総理大臣として当然である。
鳩山氏は12日、「パスポートを返納させるべきだとの意見が日本で出ていることに関連し、没収されればクリミアに移住する可能性もあると語った」と報じられた。こんなことまで口にするとは最早常軌を逸しているとしか言いようがないが、バカ首相を上げろといわれるなら、もんくなく鳩山由紀夫と菅直人という民主党経験者の名が躊躇うことなく浮かぶ。
坂口安吾は『インテリの感傷』と題するエッセイでこのように述べている。「今度の選挙で共産党が三十五人(第二十四回衆議院議員総選挙)になったのは、民自党の二百六十何名同様予想を絶した現象であったが、這般の理由は、だいたい新聞の報ずるようなものであったろう。私としては、むしろ、急速に共産党を第一党に膨れ上がらせ、政権をとらせてみたい。
そうすれば、共産党のバカラシサ、非現実性は、すぐに暴露する。政治が、民衆のものとなり、現実のものとなるのは、それからだろうと私は思う。日本を安定させるのは、共産政府をつくらせ、その非現実性をハッキリさせることが先決条件だと私は思う。」これは1949年1月23日投票の、第24回衆議院議員総選挙の結果における安吾の論評である。
共産党が解散前は四議席であったのが、一躍三十五議席に躍進したことを述べたものだ。革新政党に投票した有権者の社会党離れが顕著で、約30%が共産党に投票したことで共産党の議席増となる。それから60年後の2009年9月16日、鳩山民主党政権が樹立した。8月30日の投票の第45回衆議院議員総選挙において、民主党は総議席の3分の2に迫る308議席で圧勝した。
国民待望の民主党政権である。鳩山内閣成立時は70%を超える支持率であったが、鳩山自身や小沢一郎の金銭問題や普天間基地移設問題を巡る迷走もあって支持率は急降下した。特に普天間基地移設問題では自民党政権時代の日米合意をくつがえし、基地の県外移設を模索したが実現できず、ほぼ原案通りで決着させようとしたが、この対応が社民党の連立離脱を招く。
党内では鳩山への退陣要求が起こり、鳩山内閣は2010年6月4日に総辞職する。後任には民主党の新代表となった菅直人が指名された。菅政権は2010年6月8日~2011年9月2日で終るが、在任中の2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生する。菅は震災の発生を機に国会のねじれを解消し、復興対策を円滑に進めるため、自民党に大連立を打診したが不発に終わる。
震災の復興で無能をさらけ出した菅は、自らの退陣を前代表で首相であった鳩山からペテン師と非難される。党内外の強い退陣要求を受けてなお居座る往生際の悪さで、民主党そのものの人気を落す。菅内閣は2011年9月2日の野田内閣発足に伴い、同日総理大臣を辞職する。民主党政権最後の総理となる野田佳彦は、民主党政権の落日を予想できるほどに無能内閣であった。
鳩山は憲政史上最低の総理と言われだが、菅に代わると菅こそ最低首相の汚名を鞍替え、はたまた野田が総理になると野田こそ史上最低とビリ争いを演じた三総理である。坂口安吾のいうとおり、政権を担当させてみるのがいい。それでこそ民主党のバカラシサ、非現実性がよく分るというように、彼のエッセイの文字がそっくりそのまま至言に聞こえるようだ。
「民主党なんかイランわ」、国民総意の不要論を突きつけられた民主党は、派手なデビューから3年で党そのものの存在意義すら失ってしまった。「失われた3年」という国民から屈辱土産を突きつけられている民主党。自民党内閣が高校の生徒会なら、民主党は中学どころか、小学校の児童会がいいところ。第46回衆議院議員総選挙で173議席を失う歴史的大敗を喫す。
とまあ、忘れていた民主党のことを思い出して書いてみたが、その民主党をカネの力で作った鳩山兄弟であり、弟はとっくにサジを投げ、兄も今は政界引退しているのに、まだまだ目立ちたいのか、お金に余禄のある人は困ったものよ。おまけに昔取った杵(総理)も使いたいんだろう。なにも晩節を汚さなくとも、家でおとなしくテレビでも見てればいいのに…。
鳩山には今から60年程前、日ソ国交回復を成し遂げた祖父・鳩山一郎元首相の幻影があるんだろう、きっと。田中真紀子が中国に「ヨイショ」されてると同じように、鳩山もロシアで「ヨイショ」されたいんだろう、きっと。今現在、自分の存在感のない人間は、何とか存在感をもてることを望む。それが真紀子の中国、鳩山のロシアなんだろうよ。
二人とも、おぼっちゃま、お嬢ちゃんで、チヤホヤされて育ったから、いくつになってもチヤホヤされたいんだよ。ところが、今はもう誰もチヤホヤしてくれないばかりか、自分のことを嫌ってる。それなら、どこかに必ずチヤホヤしてくれるところはあるはずであると、チヤホヤ先を一生懸命に探す。チヤホヤの相手は自分の味方。真紀子&由紀夫はその程度の政治家だ。
「パスポートを没収されればクリミアに住む」という言葉をどういう心境で述べているかを分析すればわかる。みんな自分からそっぽを向いて相手にされない日本より、いっそロシアに住む方がまだマシと言いたいのだろ。できもしない移住などの言葉を吐くくらいに、日本では誰も相手にされない淋しさもあろうが、いつまでたってもチヤホヤされたいぼっちゃまだ。
ロシアによるクリミア併合を認めない立場の日本政府にとって、併合を是認するかのような首相経験者の言動は国際社会から誤解を招きかねない。そんなことは分かっているはずの鳩山元首相は、「日本に帰ることを怖がっているくらいだったら、こちらには来ません。政府に批判されることには慣れています」と述べた。それくらいの事が言えるから、行くのだろう。
元首相がクリミア住人に呼び掛けた、「沖縄にこれ以上米軍基地を造らせないよう協力してほしい」言葉にもあきれたか、とっくに兄にサジを投げている実弟の鳩山邦夫氏は、「宇宙人らしい人間が本物の宇宙人になった。少なくとも日本人ではなくなった」とさらなる見限ったコメントをした。日本人多くが、「鳩山はバカ」、「アホ」、「マヌケ」と言うのは簡単。
彼自身jがどのように批判され、中傷されようと屁とも思ってない。が、日本政はロシアのクリミア併合を是認するのかと国際社会から誤解を招くも、そういう意識が鳩山氏にない。「お前がバカだけでは済まないのだ!」と声高に国民も政府も叫んでいるのに、「わたしは何をいわれようと慣れている」というところが救いようがない。自身を客観視できない小保方氏と同類である。
クリミアで、「多くの(日本の)国民は間違った情報をもとに洗脳されてしまっています。その洗脳された意見を変えることは簡単ではありません」と語るなど、批判の「ひ」の字すら聞こえない耳の所有者は、16日夜に生出演したインターネット番組で、「世界平和を作っていく中でどうしても行ってみたいと考えました。行ってよかったと思いますよ」と述べた。
人の多くは、自分の行為を正しいと思うから行動するわけだが、一概にそうとも言えない場合がある。例えば暴走行為、万引き・かっぱらいをする不良たちは、実は彼らの内に「善」を持っている。ところが、社会の底辺を自認しながらも目立ちたい欲求から、他人の関心を引きたい。嫌われても目立つことを優先したい彼らは、自らの内なる「良心」に逆らっているのだ。
だから周囲が何をいっても聞こうとしない。聞くくらいなら、そんなことは最初からしないだろう。鳩山元首相をバカだのアホだのと言いながらも、彼にだって物事の道理くらい思考できる「脳」はある。ひょっとすると暴走行為で周囲に迷惑をかけている「族」や「不良」と同じ図式ではないのか?そんな気がしないでもない。つまり鳩山氏が聞く耳を持たない点で。
彼が周囲から嫌われるのは、他人の関心を引きたいという虚栄心であるなら、嫌われても満たされる拠り所を糧にしている「族」と同じであろう。「族」どもの暴走行為を「カッコイイ」と憧れる同類はいるし、彼らはそういうヤツラに崇められているとの自負心をもつ。鳩山元首相の行為は、心理的要因において不良の暴走族と同じで、以下の発言がそれを裏付ける。
「ウクライナ人もロシア人もクリミアタタール人もロシアへの編入を喜んでいます。まさに友愛の世の中を1年間でかなりの部分つくってきている。私の日露関係を少しでも動かしたいという思いが先方には伝わったが、日本側には伝わっておらず、このもどかしさがありますね」。美辞麗句を吐くこともせず悪に徹する暴走族の方が、鳩山氏より肝いりの思える。
番組では、ロシアの外務次官から「評価されることをしているのに、なぜ批判されているのか」と言われたとも発言していた。が、それにはどのように答えたのだろう。「バカな国民ですからね、わたしの真意などわからないんですよ」とは言わないだろうが、腹で思っていれば口に出さなくても同じである。自分に逆らってまで他人の関心を引こうとするのは疲れる。
本来の自分に逆らうのは消耗度が激しい。元通産官僚の古賀茂明氏が3月27日のニュースステーションの最後の出演で、古館アナとちょっとしたバトルの後、マハトマ・ガンジーの言葉を引用した。古賀氏が言いたかったことは、権力と言う大きな力によって抑圧されている下衆なマスコミに対する、痛烈な一撃であろう。彼は「あなたにも言っておきたい」と古館アナにいった。
古賀氏は悪者になりきれない偽善的態度の古館アナをせせら笑うように、彼の帳尻言葉を聞いていたが、あまりに腹黒の古館に怒ったのかオフレコ発言で口を塞ごうとした。それは古賀氏が番組を降板になると決まったときに、古館が楽屋で古賀氏に言ったとされる、「今回の決定は私の力ではどうにもならないことで、意向に沿えず申し訳ない」と詫びたという。
古賀氏は冒頭、「TV朝日の会長とか古舘プロダクションの会長のご意向で私は今日で最後」とぶちまけた。虚を突かれた形の古館アナは、「今の話は承服できない」と発言。古賀氏には今後も出てもらいたいと思っているとしたうえで、「テレビ側から降ろされるということは違う」とコメントしたが、「あなたは楽屋で上記のことを言ったろ?録音してるよ」と引かない。
古賀氏の真実暴露には、「生放送向きの人ではない」など批判的な意見も散見できたが、大体が最後の最後で言いたいことを吐き出した古賀氏寄りの意見が多かった。是非論は言うまい。古館は番組進行の役を担うアナウンサーであり、局批判、権力批判のコメントは生きる糧を失う。古賀氏はジャーナリストとしての本分である権力の監視役である。
水と油の関係の双方が、生番組の趣旨を損なわない程度に本音を披露し、それに対する適切なコメントを返すためには、番組前の周到なる打ち合わせや根回しが必要である。それがなされていないと言う事の露呈もあるが、ニュースステーションは久米時代の方が辛辣であったし、断然面白かった。古館というアナウンサーは、プロレス中継が天職であろう。
つまらないものを大げさな語りでつまらなくなくするのは向いているが、報道に脚色は無用の長物。主観ばかりが目立ち、客観的な視点の報道ができないから聞き苦しく、知ったかぶりのあの顔を見るのもイヤになる。何で辞めさせられないのか理解不能。テレビ局なんて台所は火の車であろうし、局アナで充分ではないか?いや、その方がよかったりするかも…。