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Channel: 死ぬまで生きよう!
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他人に心を支配されない

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象徴的な言い方をすれば、親を殺す子は不良などでない非行もない善良な子が多い。不良と言うのは「積み木くずし」に見る、家庭内暴力で親を傷つけたり、室内の家具を壊したり、反抗心の強い子ども。就寝中の親を狙って殺すような子どもは、親が怖くて反抗できない、いわゆる「よい子」で、ふてくされて家を出て、何日も帰ってこない不良とはわけが違う。

親が怖い大人しい子どもの方が、暴力をふるったり、家出して友だちの家を泊まり歩いたりする子どもより扱いやすいだろうが、そういう子どもはストレス発散できず、思いつめているに過ぎず、悲劇・惨劇はこちらの方に発生する。親殺しのような取り返しのつかない犯罪を起こさぬまでも、親に迎合して生きた子は、どうしても自分を受け入れることができない。

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自分を受け入れられないから他人に迎合するわけで、自分をしっかり持っている人間なら、自分を殺してまで人に合わせない。では、人に合わせる人間と、合わせない人間とどちらがいいのか?というような二者択一を問うたりするのはいかにも愚問で、どちらにも利点があり、マイナス点もある。人に合わせる人間は存在感がなく、指導的立場にはまず無理。

人に合わせない人間は傲慢で自己中に思われがちだが、確かにそういう人間もいる。が、揺れない、ブレない強い信念の持ち主もいる。合わせないだけでなく、相手を説得しよう、納得させようという能力を有す人間なら、"人に合わせない人間"というより、"人を引っ張る人間"というべきである。魅力ある人間というのは、断然こういう部類であろう。

他人に迎合する人間は、そうする事が他人に受け入れられる方法だと錯覚している。他人に受けいれられたい人間は、人を説得しようという発想がない。人に迎合する人間は自分を受け入れられない人間といったが、他人を愛することもできない。迎合するのは、ありのままの自分ではなく、相手の望む人間になるということで、これを自分といえるのか?

人に合わせない自分勝手と言う批判が怖いだけだ。だったら、相手を説得する術を身につけるできでは?簡単ではないし、どうやってその術を身につければいい?これを食べたら説得術が身につく食物があるわけじゃなく、一体どうすれば説得術を身につけられる?残念ながら自分には分らない。あるのかも知れない、その手の「HOW TO」本を結構目にする。

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目にはするが、そんなものは売るために書かれた本。なぜなら、「説得術」を身につける何かを書けといわれれば、自分のようなそこらのおっさんでさえ書ける。論理的にまとめることもできる。が、それは自分を基準にした、自分にあった方法である。人の言葉や人の書いたものはその人の価値基準で、その人以外には向かないもの多し。典型的なのは女性口説き講座。

そもそも女を口説くには、度胸(ない人間には)と、洞察力と、熱心さがあればそれで済む。口説き言葉をたくさん知っていたからと言って、言葉を生かすタイミングや雰囲気が大事であって、本に書いてることは、どれも正しくどれも嘘。つまり、本人には正しく他人には嘘。何事も自分に合ったやり方を見つけることであり、マニュアルに頼る時点で負い目がある。

「ダメ」の指摘の中には熱心さがない事も加味される。元イーグルスのドン・フェルダーが子どものころ、血の滲むような練習をしたと書いていた。多くのギタリストがそうであろう。人に教わって上達するはずがない。まずは熱心であることがなによりである。努力は上達を裏切らないし、人に教わろうとは大違い。自分はこうありたいと思うなら、自らすべきである。

人に迎合する人間に理由を聞くと、「嫌われるのが怖いから」の答えが多かった。嫌われまいとすれば嫌われないのか?嫌われまいとする気持ちは、その人を好きであるのか?「好きだから嫌われたくないのよ」と言われて、「なるほど、そういうものかもしれない」と若き頃は納得したが、多少大人になったので、大人的に思考すると、どうやら思い込みの錯覚である。

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人に嫌われたくない、嫌われまいとするのと、相手を好きになろう、好きでいたいはぜんぜん違う。前者の姑息さは「依存」の心理である。相手から拒絶されるのを怖れるのは、「依存」をしたいもしくは、「依存」をしている状態であり、相手を好きである感情が取っ払われている。あるいは、好きだと思い込んでいる。それらが支配的になると、相手の自分に対する評価をあげようとする。

そうなると自分の弱点や、短所を隠そうとする。"いい子ぶる"態度がそれだ。"いい子ぶる"というのは、本当の自分ではない自分を演じることで、理由は相手によく思われたいが基本にある。人間なら誰にでもある心理で、人から嫌われたい人などいないが、度をこす人間は大抵"自意識過剰"である。また、自意識過剰な人間は、相手の言葉じりを捉えることが多い。

捉えて勝手に怒り出す。「あなたは私をこう思ってる」などと勝手に思い込むのが自意識過剰型の典型。人は人をそんな風に思っていないのに、こんな風にいわれたことはあるはずだ。つまり、決め付け人間は自意識過剰人間と言える。心理の裏には、「他人から好かれたい」、「他人によく思われたい」という背景がある。だから、人が自分をどう見るかに拘る。

「他人から自分をよく思われたい」のが規範意識となる人間の怖さは、相手が自分を良く思わない、良く思ってないと分ると手の平を返したようになる。そういう人間は良く思われたいがために、言葉使いや礼などの所作を演じているのに、それでよく思われないとなると憎悪心に変わる。こういう女は始末に終えない。男的には呆れて物も言えない。

イメージ 4が、"いい子ブリっ子"女の特徴である。なぜ、他人の目をそこまで気にするのか?これも相手に心理的に依存しているからである。友だちをたくさん増やしたり、一生懸命に迎合して、周囲にたくさんのファン(?)などを集めることで平安な状態を築こうとする人間であろう。人が人に「心理的に依存する」とは、言葉を変えると「相手に縛られる」ことでもある。

現実の相手に縛られる場合もあるし、自分が勝手に想像する相手に縛られる場合もある。芸能人やあるアーチストの狂信的なファンというのは、後者の場合だろう。こういう人は、非常に依存心が強い自意識過剰型なので、気をつけた方がいい。ファンであるという視点は非常に物の見方を狭めるし、ちょっとでも腐そうものなら、容赦なく怒りまくる。

ファンであることを非難する理由は何もないが、アーチストに心理依存する狂信的なファンは、常人には理解できない怖さがある。AKBファンが投票券欲しさにCDを何百万円も買って、現物をゴミ箱に捨てるというのも一例である。いくつになってもジャニーズ追っかけの女性がいるが、本来は中学生くらいまでで、絵に画いた餅は食べられないことに気づく。

それで現実の彼氏に目が行くようになるが、いい年こいて芸能人に恋焦がれるなど、精神的に未熟であろう。もしくはAKBに熱を入れるおっさんのような、現実では誰にも相手にしてもらえない、あるいはすぐに嫌われる恋愛体験がもたらす逃避と考えられる。恋愛は相互で育むが、芸能人らに対する一方的な恋心は、自分さえ気持ちを変えない限り、捨てられることはない。

それによって傷つくこともない。深層心理には強度の自己防衛本能があるのかも知れない。誰だって、絵に画いた餅より、「生」がいいに決まっているが、それが叶わぬ代償であろう。人間以外の動物は架空の相手に恋することなどない。すべては「生」の相手でしか恋も愛もない。その純粋さに比べると、人間は「幻想」を拠り所にする屈折した生き物である。

「自己防衛的人間」には我が侭なのが多い。なぜそんなに自分に執着するのか、幼児期に遡っていえば、自分が安心して心を委ね、身を任せることができる人がいなかったと推察する。自分のことに気を配ってくれる親に恵まれた子は、自分で自分に気を使う必要がない。子どもの心に鈍感で、子どもに要求ばかりの親を持つと、自らに気を使う子どもになりやすい。

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親に言葉を返さない子、反抗しない子の心を通常の親は読むことはできない。それを読める親は立派な医者(心理学者)であるが、無慈悲な要求を出して、子どもにストレスを与えるので不適格な親である。鈍感で天然であってもいいが、そういう親は子どもに無理強いしない人が多い。つまり、母親にありがちな自己イメージの高さが希薄で、これはこれで良い子に育つ。

前にも書いたが、「わたし(あるいは主人)が高卒なので、子どもは大学を…」という言い方を耳にするが、そんなものが動機であるのがオカシイ。最も、学歴がなくとも充実した幸福感に浸る生活をしている人に学歴信仰はない。自分に不足しているものこそ「幸せ」と思う人、「足るを知る」のなかで幸福を見つける人、人間にはその二通りがあるようだ。

エリートの自殺はときどき記事になる。有名大学⇒一流企業⇒あるいは弁護士・医師・学者たちは、一様に大学の成績がよく、教授に見込まれて大学院に残る。わき目も振らず勉強し、教授に迎合した論文を書く。真面目だから語学もやり、外国の大学に留学して帰国する。助手から講師になり准教授となる。ところがある日、途端に自分の講義内容に自信を失う。

苦悩の末、大学を辞める。何故だ?側からみると、順風満帆なのに挫折していく。社会的に見れば順調なコースを辿り、さらにこれからと期待される人間が、ちょっとしたツマヅキで挫折する。一言でいうとこういう人間は成長していない。何も問題なく心身の成長健やかに見えるが、実は擬似成長である。人間の情緒の成熟と、社会的成長は別で、一致を見ない人あろう。

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人間の本当の成熟はいかにして成されるかは難しい部分もあるが、人間の成長がいかにして成されなかったかの要因はさほどでもない。その人が育った家庭には歪んだ価値観が支配していたこともある。小保方氏が何故あのようなことをしたかにも、彼女が名声を得たい衝動が支配的だったと考える。家庭の中、職場の中、学術界の中にあった自己顕示欲であろう。

自分の意志で自身の職業を選んだのか、そのような選択ができる環境がその人にあったのか、本当は自分がやりたいことは別にあったが、家庭の中では卑しい、みすぼらしい職業との反目はなかったのか。などは想像に浮かぶ。大学院に残り、博士論文の研究テーマは自分の意志であったのか。教授に迎合するためのテーマ選びをしていなかったのか。

それよりも、自分と言う本性に気づいていたのか、いなかったのか。なども想像に価する。挫折したエリートたちは傍からみる順風性とはちがって、自分の基準ではない他人の基準で生きてきた結果、精神の情動に自律性がなかったのではないか。手芸が好きでそれを天職にしたい女性が、有名大学在学であるばかりに、母親の許しを得れなかった事があった。

知識ばかりが詰め込まれている大学生の自我は、実は5~6歳でしかないといわれている。自我の未成熟は家庭に原因がある。原因と言うより欠陥と言った方がいい。その一つは自分のことしか考えない自己中心性、もう一つは付和雷同性。これは自分の考えを持たず、ひとりが「こうだ」といえば、みんなで「こうだ」となる。自分で物を考えることをしない。

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これが「与えすぎ教育」の欠陥であろう。「主体性」の確立と声高に叫ばれながら、「主体性」の確立がなされようとしない日本社会の現状である。その極めつけが金銭教育だと思っている。教育産業は人を造るといいながら、塾と私学が癒着の構図が今回の桐蔭学園で露呈した。こんなことは大方の私学で成されていることだ。誰もが自己中の構図であろう。

考えてみればいい。子どもの時に善いことをしたなと思った時は、自分の自我を通したことより、自分の自我を抑えたときでなかったか?自分の主張を通したときより、自分の我が侭を抑えたときでなかったか?そこに自分の卑しい姿を葬った、天晴れな自分の姿があったことを覚えている者もいはずだ。謙れというのではない。子どもには大事なことだといいたい。

子どもは他人を説得する術を持っていない。持ってる子もいるが、未発達の情が災いし、自我と自我のぶつかり合う。鬩ぎあって自我を押し通す。人を諭す術はもっともっと以降のことだ。そういう自我のぶつかり合いの中で譲り合いの喜びを見出すのが、その子の情緒を大人に誘うことになる。桃太郎は黍団子を与えることを知っていた分、賢かった。

大義目的のために食べ盛りの少年が食い物を与えて家来にさせる頭の良さ。信号のない横断歩道を早くから止まって歩行者を見送る心も、譲り合いの心。自我にもいい自我、悪い自我がある。悪い自我を抑えたときに味わえる喜び。横断歩道で急ブレーキをかけるのは、何も若者と決まったわけではない。いい年こいた大人がそれをやる。自我未発達の子どもである。

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自分を大切にすると言うのは、他人を大切にすることだ。標語のように言われているが、一億総自己中の時代と言われもする。主体性の確立は、"したい性"の確立とは違う。真に主体性を持った人間は、自分のしたい事を抑える人であろう。主体性はまた自主性のことでもある。自主性とは行動することだが、行動すべきでないときも自主的にしない事が大事。

他人に強要されても、自主的にしないこと。できることでも"しない"と抑えるのが自主性である。したくてもできないのと、できるけれどもしないというのはまるで違う。前者は臆病者、後者は明晰者という。「勇気があるなら万引きしてみろ」と促された時、「しない!」と言えるのが勇気である。そういうものを子ども時代に身につけた者は強い大人になる。

人に「流されない」生き方の基礎は、自分に正直になること。万引きを強要する奴に媚びることはない。「迎合」は自分を人に売り渡すこと。「まったく自分に正直になることは、人間の成し得る最善の労作である」。これは有名な精神分析医の指摘である。"自分に正直になる"のは、ある人にとってはいとも簡単だが、ある人には死ぬほど難しいことのようだ。

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