Quantcast
Channel: 死ぬまで生きよう!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1448

タイトルらしからぬタイトル

$
0
0
ここのところ、タイトルらしくないタイトルが続いた。これが自然であると自分が思ったからだ。書くことを決めて書く日もあれば、何も決めぬまま、心の趣くままに書く事もある。決めて書かない場合、最後にタイトルを考えるが、思うがままに書いた文のタイトルを決めなきゃいかんのか?という疑問。それが頭を過ぎり、昨日、一昨日の妙(?)なタイトルとなる。

気の利いたタイトルなんか考えなくてもいい、なくてもいい。以前はタイトルを考える面白さもあったが、いるのか、いらないのかを考えると、なければいけないこともない。こういう考えに至るも、自分的な進化だろう。書くことを決めて書くならタイトルも映えるが、そうでないならタイトルなどいらん。世の中にタイトルは無く、今日は「今日」というのがタイトルだ。

イメージ 1

今の文字数の3分の1、 4分の1くらいで終えれば、タイトルに相応しい主題の、まとまりのある文になるのは分る。分っていながらそれを止めないのは、書いているときの刺激が楽しいからだ。文で遊ぶというより、思考を遊んでいる。遊ぶなら長文であり、短文は要旨主体になる。言いたいことの決め書きよりも、言いたい事を強調するよりも、物を書いて遊んでいる。

だから、これみよがしの太字・色字などの強調ツールは使わない。以前は使っていたが汚いし、スッキリ感を求めてすべて戻した。それでなくとも断定口調の文体であり、それは曖昧さを避ける意味でやっているが、客観的に嫌悪感の臭いがないではない。文章である以上、言うべきことは持つべきだが、読み手に託せばいいことで、自己の顕示は抑えたい。

書く事が脳トレなら遊びが主でいい。それでも最後はまとめようとの行為は自然に働く。物事には始まりがあるように、終わりもあるわけで、書き始めた文は終えなければならない。5000字制限もあるし、それ以上書くとエラーとなって掲載されない。度々経験したが、後で削除・編集も大変である。以前はよく5000字超えになったが、最近はエラーが出ない。

このくらいという要領を得たのか、5000字制限が撤廃されたのか、ちょっと長めと思って「プチっ」、してエラーがなくなった。いい文章とは要旨を短くまとめることである。それくらいは知っている。だからいい文章ではない。それも分っている。いい文章を目指さないのか?興味が沸かない。そういう自己満足より、思うがままの刺激を優先し、楽しんでいる。

イメージ 2

「読むのが大変」という苦情はあろう。直に言われたこともある。「だったら読むな」は、正論であるが言わない。公の文章というのは、読み手のことを考えて書くやさしさは必要だろう。自分のブログだから、基本は自分の思い通りに、自由に、好き勝手にやっていいわけだが、誰も世間に生きながら、相手のことをまったく考えなくていいことにならない。

ブログも同じ。「長いのが嫌なら読むな!」は、傲慢であり、慎むべき言葉である。確かに自分の好きでいいが、そういういい方は愚劣である。文章には「いい文章」と別に、「生きた文章」がある。「生きた文章」とは何?それも「いい文章」の範疇だが、「いい人」と「生き生きした人」が違うように、「いい文章」と「生きた文章」は違う。「生きた文章」とは?

  ① 言うべきことをもつ。
  ② 言うに価すること。
  ③ 適切に表現する能力をもつこと。

具体的にいうなら、「昨日の夕食はラーメンだった」。これは言うべきことか?もちろん、言うべきこと。なぜなら、言わなければ分らないことだから。「お前の夕食がなんであっても、興味がない」という人に聞きたいことではないだろうが、「夕食にラーメン食べた」と言って共感する人もいる訳だから、読めば「夕食はラーメンだったんだ」という応答もあろう。

コミュニケーションとして成り立っているなら、言うべき内容である。では、「昨日の夕食はラーメンだった」は言うに価するか?同じように、情報の伝達だから、言われなければ知る事はできない。その意味で言うに価する。価する人、無価値と思う人、いろいろあってそれでいい、それが世の中だ。では「昨日の夕食はラーメンだった」の言い方は、適切な表現か?

イメージ 3

「適切な表現」とは何か?いいたい事があって相手に上手く伝わるなら、それは「適切な表現」であろう。「適切」とは、状況・目的などにぴったり当てはまること。「昨日の夕食はラーメンだった」は人間の生きるための目的である食生活の状況を捉えているなら適切な表現である。「昨日夕食をとった」という表現でもいいが、もう少し具体的なら分りやすい。

「昨日は夕食にラーメンを食べた。マルちゃん正麺の味噌味が好きなんだよ」なら、さらに適切だ。そこまでいう人も、いわない人もいるが、ここまでいえば、「マルちゃん正麺は美味しいよな、おれは醤油味がすきだけど」という反応を呼び起こす可能性もある。どこまでが適切かの答えはないが、コミュニケーションの上手い人、そうでない人の差はあるだろう。

ブログに三度の食事を画像入りで紹介する人を知った。献立に驚き、計上された金額にさらに驚く。家庭菜園の為せる技だ。三度の食事を、これほど念入りに作って食している人がいるという驚き。あまり、そういう分野に興味もなく、食事なんか適当という自分である。が、こういう手の込んだ献立をみると、一体自分は何を食っているのだろう?と思わされる。

何でもない人には何でもないが、何でもない人との差で人は驚く。何でもない人に驚嘆を提示したところで面食らうだけだ。自分もそう言う事は過去にもあった。「ブログの行数、凄いですね」、斯様に言われても自分にとっては何でもなく、返答のしようがない。"一日30品目"がバランスの取れた食生活といわれる。しかし、それを実践するのは大変である。

イメージ 4

あの献立なら申し分ないが、到底無理だ。子どもの頃から食卓のおかずは一品と決まっていた。沢庵や白菜やキュウリの漬物だけの事も多かった。弁当のおかずは毎日決まって、ソーセージを炒めたものだけ。こういう風に慣らされた人間は、おかず嫌いになってしまう。おかず一品食卓は、結局、母親の横着さ以外のナニモノでないが、子の食生活の面で失格だ。

むかし、マヨネーズをご飯にかけただけで3杯も4杯も食べて驚かれたことも、白菜の漬物だけで何杯も食って驚かれた事もあった。味噌汁がなくてはご飯食べられないという奴には、こっちが驚かされた。食卓に味噌汁が出た事は一度もなく、母親が汁物が嫌いという理由である。おかげで我が家は父も母も自分もガンになった。毎日同じものばかり食べるのは「禁」という。

脂肪・蛋白質・炭水化物の三大栄養素が、人間に不可欠なのは判っているし、人間の体はそのように作られていることになる。その他、ビタミンやミネラルも食事から補給し、生命と体力維持と抵抗力をつけている。食事に関心を持つ人は、人間の命の何たるかを理解している。お洒落をし、贅沢な物品を身につける、そんな外面より、体の中身を大事にしているのだろう。

食生活に強い関心と意欲がなければこれほどの献立はあり得ない…、などと勝手に思っている自分である。実際に口にするわけではないが、画像を見るだけで手間に感心させらるばかりか、つくづく自身の食生活に問題アリと思わされる。「貧乏は贅沢」という言葉があるが、粗食でありながらも細やかな気遣いのみれる食生活は、体にとっての最高の贅沢ではないだろうか。

イメージ 5

人には出来ることと出来ないことがある。食生活への配慮、気遣いはいまさらながら到底及ばぬことだ。本当にいいと思った事は実行すべきだが、料理・配膳ほど難しい分野はない。ジョギングや山歩きなら誰でも簡単だが、料理は素養と経験が不可欠だ。慣れと言うのは怖ろしい。こういう食生活で「凛」と暮らしてみたいと憧れる。所詮はない物ねだりと思いながらも。

料理の好きな人、得意な人もいれば、作文が好きな人、得意な人もいる。自分は作文が好きとか得意とかの実感はなかったが、賞には縁があった。自分にはわからない何かがあったのだろう。確かに作文嫌いだという奴は多かった。理由の多くは、「何を書いていいか浮かばない」だったようだ。毎日生きていても、特別なことなどそうそうない。普通のことを書けばいい。

小中高校生にとって、表現力という能力の開発のために作文は不可欠、否が応でもやらさせる。「書く事がない」以外に作文が敬遠される理由を考えてみる。小中高でいえば、高校生が一番嫌がるのでは?言いたい事、主張がないわけではない。が、言いたいことを適切に表現できないもどかしさがあるのではないか?分って欲しいと思いながらも、それが伝わらぬ苛立ち。

上にあげた3つの「生きた文章」に当て嵌めると高校生は、①が肥大し、③が欠如し、②の判断に迷う年齢だろう。「戦争」、「美」、「自然」、「環境」などのテーマを与えても、何をどのように適切な表現をすればいいのかを悩むことになる。例えば「戦争」について小学生なら、「人と人が殺しあう戦争を起こしてはいけないと思います」などと書くだろう。

イメージ 6

中・高生ともなれば、人間がなぜ戦争を起こすのか、その要因・背景などを歴史的な見地から提起し、思考・分析してどうすれば戦争を抑止できるかの考察もなされる。文章は読み手を意識して書かれるがゆえに、簡素、明晰、平明が文章の生命である。なんでもかんでもダラダラと冗長にならず、捨てる勇気から短くまとめられる自信こそが、いい文章の要件であろう。

文章の書き手には二通りある。速いか遅いかであるが、超速い、超遅いを加えると四通りである。書くことにおいてはさほど困らない自分は速いに属する。超速いの基準は分らぬが、そうかも知れない。書いてる(今、文字にしている)先のその先が頭に数通り用意されており、瞬時にどれかを選択するのが速いであろう。喋りもそうであるなら、「書く」と「言う」は同じことか。

パラグラフ思考に長けた人は筆が速いといわれる。パラグラフとは、文章の節または段落の意味だが、単なる文の区切りではなく、一つの考えのまとまりであり、パラグラフの構成ができていないと理解しにくい文章となる。誤字・脱字なんか気にせず、モチーフをどんどん提示する自分。反面、筆の遅い人は、一語一語神経を注いで、前後が見えなくなるといわれる。

「口に出していってしまうまでは、言い表しえないものと取り組んでいる」と、これはキルケゴールの言葉で、文を書くのはまさにその様相である。書いてしまうと妙な安堵感がある。こんなこと書いてイイのかな、と躊躇うようなことでも、吐き出すとなぜか安堵する。書くことの難しさに遭遇することがある。すらりの文を意識しすぎると棒文となり、説得力が失せる。

イメージ 7

「いい」、「悪い」は自分で判定できる部分もある。自分の判定だから主観的な「好み」の範疇だが、すらりの文章は「言うべきことをもたない」と感じる。一語一語の表現に拘り、苦心すると、全体の脈絡が失われる。文章の難しさはこの二つの型にも象徴されている。思考は真・偽の観点から認識の力で評価し、感情は快・不快から情動を助けとして評価する。

思考と感情は互いに排斥しあっている。事物を理性的に思考するか、感覚的にあるがままに知覚するか、いずれも現実に対する感受能力である。男が理性的に思考するのは、男の中で育ち、女が感覚的に知覚するのは周囲の女環境による。どちらも幼児期だ。生まれたときから男ばかりの中で育った女は男脳になりやすい。本能が環境に影響されるのは間違いない。

女兄弟の中で育った男の子はやさしくなるであろう。俗に「読・書・考」というが、どれが大事と言うより、どれも大事である。三大栄養素ではないが、「読・書・考」はどれも栄養になる。「人間は考える葦である」という、パスカルの有名な言葉がある。「葦」とは弱いものの代表として、人間の比喩的言葉として使われた。しかし、なぜ「葦」だったのか。

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」、「人間の尊厳のすべては、考えることのなかにある」、「考えが、人間の偉大さをつくる」と書いているパスカルは、物事を実に徹底的に考え抜いた人。「死んだら死んだときのことよ」とウソぶき、まじめに死を考えない人は、パスカルに言わせると人間でない?

イメージ 8

確かに「死んだら死んだときのこと」であるが、人は死んだ認識はない。死んだときはもう考える事はできないなら、死ぬ前が考えごとのチャンスである。ただし、考えることで誰もが偉大になることもない。考えたところで人間は弱い葦であることに変わりはない。小林秀雄はこういった。「人間に考えるという能力があるお陰で、人間が葦でなくなるはずがない。

したがって、考えを進めて行くにつれて、人間がだんだん葦でなくなって来るような気がしてくる。そういう考えは不正であり愚劣である。人間は脆弱な葦が考えるように、まさしくそのように、考えなければならぬ。これが、パスカルの真意である」。人間は葦のように弱い存在だが、考える能力を持つが故に偉大であるという一般解釈を否定した小林の真骨頂である。

小林はなぜ一般論を否定するようなことを述べているのか?小林の言わんとする真意は何か?そこを考えるのも人間の葦たる所以である。知の幅を広げ、深めることが考えることの前提であり、目的である。「言うべき何かをもつ」ためには、表現主体の内側が耕されてあるべきで、それは「読・書・考」の反復によるほかない。つまり、読み・書き・考える。


が、しかし自分の求めるものの究極は「自然さ」である。読み手の立場に立てば、強い言い方、断定口調に拒否反応をきたす日本社会。我々も謙虚・控え目の美徳を教わった世代である。が、そういう無難は、どうも怪しい、欺瞞、嘘っぽいという目を日本人も持ち始めた。たかじんが、有吉が、マツコが、坂上が…、ズバズバ言う人間が視聴率を上げているのは?

イメージ 9

何もズバズバ言う事が正しいわけではないし、そこは視聴者も国民も分っている。ズバズバいうのを極度に嫌う人も多い。どうでもいいことをズバズバいうのも品がないが、品など求めていない芸人だからいいんだろう。彼らは単にオモシロがられており、それはそれで社会貢献になっている。「類は友を呼ぶ」方向で人は寄り合い、それでいいんだろう。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 1448

Trending Articles